:〔続〕ウサギの日記

:以前「ウサギの日記」と言うブログを書いていました。事情あって閉鎖しましたが、強い要望に押されて再開します。よろしく。

★ 〔追加補足版〕 最近のバチカン動静

2015-11-02 17:40:23 | ★ ローマの日記

 

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最近のバチカン動静

「家庭」をテーマにした「シノドス」のことー

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2-3日前、ある方から以下のようなメールをいただきました

神父様

ごぶさたしております。

過日は恵久子さんのリポートをありがとうございました。程なくしてご本人よりメールで近況のご報告をいただきました。今の私たちには祈ることぐらいしかできませんが、それでもみんなで祈れば、神様もきっと私たちの気持ちを察してくださるだろうと信じております。

ところで、そうこうするうちに、シノドス(「家庭の使命」をテーマにした「世界代表司教会議」)も終了しました。

ゲイのモンシニョール(高位聖職者の尊称)のカミングアウトがあったり、13人だったかの枢機卿らが教皇に意見書を送ったり、果ては教皇脳腫瘍説まで流れたりして、話題には事欠かないシノドスでしたが、結局のところ、肝心のその中身についてはなんだかよくわからない。というのが我々一般信徒の正直な思いではないでしょうか。

軽はずみに言うと叱られそうですが、私などは、再婚者に対する扱いなどは、ケチケチしないで聖体拝領ぐらいさせてやったらいいのに、と思ってしまいます。

そこで神父様にお願いです。そのあたりのことを、神父様のご見解をまじえながら、私たちに解説いただけないでしょうか?期待しているブログの読者も多いのではないかと思います。

それと、我らが教皇様ですが、今回誰の目にも明らかになったのは、バチカン内部で、反ベルゴリオ勢力が暗躍しているということですね。(ベルゴリオは教皇になる前の本名)

以前の神父様の記事にもありましたが、いつか暗殺でもされるのではないかと心配です。

しかしおそらく本人は、あまり気にしていなくて、むしろその時はその時と腹をくくっているようにさえ見えます。そこまでして教皇がやりたいことは何なのか、それがどれほど価値のあることなのか、そんな点についても神父様のお考えをお聞かせいただければと存じます。

なんだかリクエストの多いメールになってしまいましたが、とにかくご回答いただければ嬉しいです!(G.M.)

 

それで、だいたい以下のようなお返事を書きました。

G. M. 様

シノドスについてはいろいろ間接的に耳にしていますが、直接情報に基づくその結論の分析・評価はまだできていません。

核心部分を置き去りにした周辺問題の多くは、正直なところ、あまり気の乗らないテーマでした。

神は人間を「男」と「女」に造られた (創世記1章27節)

生めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ(創世記1章28節)

この2つが聖書に基づく「家庭」に関する不変の真理で、これをゆがめるものは、すべて悪い霊からの撹乱だと思います。

パウロ6世の「フマーネ・ヴィテ」(ピルや器具を用いての避妊の禁止-これも上の聖書の言葉と関係がある-)も教会の不動の教えです。 

この3点にしっかり根を下ろさぬ諸説は、ごまかしか妥協の産物です。ジェンダー論議や再婚者のミサでの聖体拝領などは周辺的・付帯的テーマで、ケースバイケースの判断の対象ではあっても、シノドスの主要な関心事ではありえません。

教皇フランシスコが上の3つの原点に忠実であろうとすれば、そういう教皇は亡きものにしようという黒い意思が蠢いても不思議ではありません。

そもそも、第2バチカン公会議の大改革は、そういう黒い意思を打ち砕くものでした。だから、第2バチカン公会議をなんとか無事成功裏に幕引きしたパウロ6世教皇が、封印されていたファチマの第3の秘密(教皇の暗殺を予言するもの)を読んで、自分の暗殺を意味していると理解し、恐怖のあまり失神して倒れたと言うような話が流布するのも、故なしとはしません。

現にその次の教皇聖ヨハネパウロ1世は、早速公会議の決定を忠実に実施に移そうとした矢先に、登位30日ほどで毒殺されました(と私は理解している)。そして、その次の教皇、聖教皇ヨハネパウロ2世は銃弾で確実に暗殺されたのに、奇跡的に一命を取りとめました。ベネディクト16世はなりふり構わぬ警護で身を守り、無事生きて教皇位を退いたが、今の教皇がやられなという保証は全くありません。

そこまでしても教皇が守りたいこととは、ですか?それは、言うまでもなく第2バチカン公会議の決定とその方向性だと思われます。

第2バチカン公会議の決定とは、一言で言えば「コンスタンチン体制との決別」と「キリスト教の《キリストの教会》への復帰」に他ならないのです。

キリストは生前「神のものは神に」「セザル(皇帝)のものはセザルに」と峻別されたのに、ローマ皇帝コンスタンチンは「キリストの花嫁である教会」を手籠めにして「地上の帝国」と結婚させてしまったのでした。皇帝を「男」だとすれば、教会は神の浄配、つまりて「女性」として描写されます。これはシノドスのジェンダー論で大いに議論されてしかるべきことだったはずでした。

この21世紀に、もう一度「神の花嫁」を手籠めにしてこの世の覇者(お金の神様)の妾にしようとする闇の勢力が、その邪魔になる「教皇」を暗殺する可能性は現実にあると私は思います。

そもそも、ナンバー2以下の地位にある人間なら、降格や左遷で力を削ぐこともできますが、トップを降ろすには暗殺しかない場合がほとんどです。それは、ジュリアス・シーザーの時代から、ケネディー大統領に至るまで、ビン・ラーディンもサダム・フセインも、そして、イエス・キリストだって、その12人の弟子全員も、結局は殺す以外に彼らの影響力を無力化する手段はありませんでした。昔も、今も、未来永劫同じです。

第2バチカン公会議以来、歴代の教皇が暗殺されたり、されかかったりの連続なのは何の不思議もありません。

ブログの更新ですが、今は忙しくて落ち着いて書いている心のゆとりがありませんが、もしお許しいただけるなら、「最近こんなメールを頂きました」という書き出しで、頂いたメールと私のこのお返事をセットにして―多少ブログ向きに手を加えて―アップすることができますがいかがでしょうか?しばらくブログを書いていないので、一石二鳥かと思いますが・・・                                                                                                                               谷口        

 

このメールには、今もってお返事がありません。が、反対ならすぐに反応があっただろうと思っています。きっと、見切り発車をしても強いお咎めはないものと推察して、アップに踏み切る次第です。

と思っていたら、入れ違いに転載OKのメールが届きました。

神父さま 

お忙しい中お返事ありがとうございました。得心いたしました。 

今回のシノドスについては、欧米のメディアもスキャンダラスな内容ばかり伝えていますし、日本のメディアはそれをそのまま受けるだけですから、本質はどこにあるのかわからなくなってしまいます。もっともそれが今回のさまざまなスキャンダルを画策した人たちのねらいであったなら、その目的はほぼ達成されたのかもしれません。いずれにしても、私と同じ思いの方は少なからずいらっしゃるはずですので、神父様のご提案のように、ブログにアップをぜひお願いいたします!

恵久子さんにお会いになられるのですね。何もできずに申し訳ない思いでいっぱいですが、とにかく体のことが第一です。日々お祈りしております。先日、相馬を訪ねた知人から話を聞く機会がありましたが、状況はひどいものだそうです。たとえば、線量のごまかしは地元の人ならば誰でも知っているとのことでした。 

また現地でのレポートをお願いしたいところです。この度はありがとうございました。神父様もコンサートの件もありお忙しい身です。くれぐれもご自愛ください。それでは、また。(G.M.)

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