ラティハン日記2

ラティハンと人生の散歩道

バパの魂(jiwa)あるいはロホ(Roh)の概念・1

2016-06-11 | 日記
THE PATH OF SUBUD (1969) Author: Drs Kafrawi : Kafrawi McGill University Montreal. から見ていきましょう。<-- Link

P92より
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dajaというコトバは、多様な意味を伝えます:

たとえば力、強さ、霊や魂。


ジャワでは、dajaはnjawa、sukma、djiwa、あるいはアラビア語のアル・ルーフ(al-ruh)から変化したroh(ロホ)と同義です。

しかしながら、すべて共通の意味で、根本的な感覚は生命感であります。

アラビア語でruhはラテン酒精(the Latin spiritus)、息、風や精神という意味で広く同義・同等となっている主要な名詞です。

スーフィー達の間では、ruh(ルーフ)というコトバとnafs(ナフス)というコトバの間に混乱が依然として存在します。


ジャワ神秘主義者は、スーフィーの大多数のように、魂(soul)と精神(spirit)を区別しません。

しかし、どのような含蓄が、ruh(ルーフ)というコトバとnafs(ナフス)というコトバの根底にあるのかは、あらゆる世代の神学者、神秘主義者、哲学者や心理学者の関心をひいてきました。

またイスラム教では、人間の魂(ruhあるいはnafs)の性質は、その歴史を通じて生き続けている疑問・課題となっていました。

P94
詳細に魂のバパの概念を説明する前に、この特定の問題に関する彼の考えをまとめるために、おそらく価値があります。

彼によると全能の神の命令によって、宇宙の秩序は異なるレベルを含みます。

各レベルは、球状であり、独自の世界です。


最低で始まる、材料魂の世界があり、野菜の魂の世界、動物の魂の世界、人間の魂の世界とこの世界の人間よりも優れた人間の魂の世界。

基本的には、それゆえ、宇宙(マクロコスモス)で7つの魂だけでなく、お互いに影響を与える人(小宇宙)内の7つの魂があります。

通常より上位の魂は、完璧な人の魂(ロハ二rohani)、ロホ・ラフマニroh rochmani、とroh rabbani(ロホ・ラバニ)です。

これらの7つの魂に加えロウルクドス(roh al-kuddus)とロホ・イロフィ(roh ilofii)と呼ばれている2つの媒介する魂があります。


魂は、バパの説明によれば、何の物理的形態も有していません。

魂のバパの理論は、7重の円としてスブドの象徴で表現されています。

そして、それぞれの円は制限を持たないが、常にそれぞれの根源に戻っていきます。

それは神から進みでたものは、神に再び戻るということであります。

根源から生じるものは、その根源に再び戻ります。

最初の4つの魂、すなわち材料の魂、野菜の魂、動物の魂と人間の魂(djasmani)、それらは適切に制御されていない場合は、神を崇拝する人の道筋(方法)の中で障害物になります。

P95
正しく神を崇拝するためには、人は、これらの4つの魂を制御し、人はその起源や特徴を理解しなければならない。

そしてこれらの魂を制御することができるようにする必要があります。

これらの魂は、人が自分自身の中に持っているすべて(すなわち、その人の思考、想像力、感情、欲望や一般的な人の低い性質)を放棄することが本当に本当に可能な場合にのみ、認識し取り押さえる事ができます。

これらのもの(すなわち、最初の4つの魂)は、停止させられたり麻痺させられたりしなければなりません。

放棄のこの行為はバパによれば、我々が次の章で対処する場合に使用するlatihan kedjiwaan(精神的な運動)を呼び出し、それが浄化する方法です。

自分の精神的な状態と、神に到達するまでのその進捗状況は、7つの魂のうちのどの一つが一番おおくその人に、制御または影響を与えているかに依存します。

イスラム教の観点からみますと、魂のバパの理論は、ユニーク(独自、独特)であるように思われます。

私たちが知る限りでは、どのスーフィーも、このような理論を策定していません。
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ここまで、英文はこちらを参照願います。<--リンク
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1970年時点でのイスラム研究のアカデミズムの世界では
「私たちが知る限りでは、どのスーフィーも、このような理論を策定していません。」
という見解が一般的なのでしょうか。

この論文でもイブン・アラビーについて、バパの考えと似ている、、、程度の記述がある程度です。(P86~P89)

しかしながら、実際はイブン・アラビーに始まる存在一性論から発展した概念が、最終的にバパが採用するにいたったものになっております。

このあたりは
ロホとナフスの物語(その3、7つのロホ)<--リンク
あるいは
ロホとナフスの物語(その4、バパ独自の7+2 ロホシステム)<--リンク
を参照願います。

PS
Susila Budhi Dharma (Subud) and Its Doctrines の著者のChuzaimah Batubaraさんは、Kafrawiさんの後輩の様です。<--リンク

原典からの引用
INTRODUCTIONのページから
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It will also draw on various seminal studies of the movement, chief among these Kafrawi's(16) and Pangarisan Paul Sitornpul's.(17)
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16 Kafrawi, The Path of Subud. A Study of 20th Century Javanese
Mysticism founded by Muhammad Subuh Sunohadiwidjoja" (M.A thesis,
Institute cf Islamic Studies McGill University, 1969).

l7 Pangarisan Paul Sitompd, 'Susila Budhi Dharma. Subud -
International Mystic Movement of Indonesia" (Ph.D. dissertation, Claremont
Graduate School, 1974

PS
In order to worship God correctly, man has to control these four souls and in order to be able to control these souls man has to understand their origin and character.

These souls can be apprehended only when a man is able really and truly to relinquish everything that he has within himself, namely, his thoughts, imagination, feelings, desires and his lower nature in general.

These things must be brought to a standstill or paralysed.

この部分、素直に読むと最後の文章は
「これらのもの(すなわち、最初の4つの魂)は、停止させられたり麻痺させられたりしなければなりません。」
となりますが、これは著者の誤解と思われます。

(誤解、、、というよりはスーフィーズムの主流派にそった考え方ですとそういう表現になります、というのがより正確な言い方になりますが、、、。)

しかしながら、バパの主張はむしろ
「これらのもの(すなわち、人の思考、想像力、感情、欲望や一般的な人の低い性質)は、停止させられたり麻痺させられたりしなければなりません。」
であると思われます。

このあたり、詳細な話はまた後日ということで。

PS
「バパの魂(jiwa)あるいはロホ(Roh)の概念」一覧にはこちらから入れます。<--リンク


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