アメリカに暮らす

アメリカのTV番組や日常生活等について綴ります。ニュースのネタバレ度は弱~中、エピガイのネタバレ度は強です。

Lost 3-22 "Through the Looking Glass" 【その2】

2007年06月01日 | TV: Lost
(【その1】からの続き)


アザーズのキャンプ。ベンはリチャードに「私はこれから1人で通信塔に向かう。君は予定通り、皆をまで連れて行ってくれ」と言う。リチャードは「今、単独でどこかに行ってしまうのは良くないかもしれない」と懸念する。なぜなら、ベンの最近の行動を不審に思い、そのリーダーとしての資質を疑う者たちが増えて来ているからだ。長年住み慣れたアザーズ村を捨てた件しかり、ロックの件しかり、ジェイコブの件しかり…そして、今は「ビーチキャンプに向かった者たちが全滅した」という噂も広まっている。ベンは「全員死んだというわけではない」と指摘し、島の地図に赤線を引き、立ち上がる。

※「The Temple (寺)」という名称が出るのはこれが初めて。

アレックスが「どこに行くの?」と訊く。ベンは「ジャックたちに会いに行こうと思ってね」と答える。
「あたしも一緒に行くわ」
「よろしい」
「え?」アレックスは父の意外な返答に驚く。
「だから、良いって言ったんだよ。カールにも会いたいだろうからね。さあ、用意しなさい。あと10分で出発する」

Alex: Where you going?
Ben: Hello, Alex.
Alex: I asked where you're going.
Ben: Well, I thought I might go for a walk to see Jack and all his friends.
Alex: I'm coming with you.
Ben: All right.
Alex: What?
Ben: I said, "All right." I mean, you do want to see Karl again, don't you? Get your pack. I'm leaving in ten minutes.

アレックスは当惑しつつも、駆けてカバンを取りに行く。ベンはアレックスがカールをビーチキャンプに行かせた事も承知しているのだ。娘の裏切りを承知していながら敢えて同行させるのはどういうわけなのか?ともかく、アレックスはベンの気が変わらないうちにサッサと仕度した方が良いと判断したようだ。

ベンは再び腰掛けて地図を眺める。リチャードが「あっちは40人で、あんたは1人だよ。彼らはこの島を脱出するためなら何でもするだろう。そんな彼らの所に行ってどうなるって言うんだい?」と尋ねると、ベンは無表情な顔で「やめてもらうよう説得する」と答える。

Richard: There's 40 of them and you're alone. They're going to do whatever it takes to get off the island. What do you think is going to happen when you get there?
Ben: I'm going to talk them out of it.

ベンが物差しで引いた2本の赤線が通信塔の手前で交わる。ベンはその交点を○で囲む。

朝。小川。ジャックと仲間たちは休憩を兼ね、水筒やペットボトルに水を補給する。

ケイトがソーヤーに「何か変よ」と話しかける。ビーチキャンプでの待ち伏せ作戦が成功したのなら、サイードたちはすでに追い着いていても良さそうなものだ。「彼らの無事を確認するために戻りたいわ」
ソーヤーは「そりゃ、そうだろな」と、まるで他人事のような言い方をする。
「それ、どういう意味よ?」ケイトはムっとする。
「それはな、ケイト、いつだって何か戻るべき対象があるってこった」

Kate: Something's wrong.
Sawyer: Lots of things are wrong, Kate.
Kate: Jin, Bernard, Sayid... they should have caught up to us by now. I want to go back to make sure they're all right.
Sawyer: Of course you do.
Kate: What's that supposed to mean?
Sawyer: It means, Kate, there's always something to go back for.

「あんた、一体どうしたの?」
「なんでもねぇよ」
「なんでもない?」
「俺は大丈夫だって」
「何があったのか言ってごらんなさいよ」

Kate: What's the matter with you?
Sawyer: Nothing.
Kate: Nothing?
Sawyer: I'm fine.
Kate: Why don't you just tell me what happened to you?

ケイトはソーヤーにパシャっと水をかける。
「何すんだよ!?」
「あなたの目を覚ますためよ。ロックにあのテープをもらって来てからずっと、あなた、まるで寝ぼけてるみたいじゃない?友だちのことなんかどうでも良いっていうのならともかく、何もかも投げやりになってるように見えるわ。それに、いつから、あたしのことをケイトって呼ぶようになったわけ?」

Sawyer: What'd you do that for?
Kate: To wake you up. Ever since you got that tape from Locke, it's like you've been sleepwalking. You don't care about our friends, fine, but it's like you don't care about anything anymore. And since when did you start calling me Kate?

ソーヤーが身体を起こす。

ケイトは「ジュリエットはサンだけじゃなくて、あたしも妊娠してるかどうか調べる事になってたのよ」と話題を変える(実はこちらが本題だった?)。だが、ソーヤーはその件に関しても「妊娠してない事を祈ろうぜ」と言うだけだった。

Kate: You know, they sent Juliet to check out Sun. She was there to check and see if I'm pregnant, too.
Sawyer: Well, let's hope you're not.

ジャックがナオミに「ランプはまだ赤いままかい?」と訊く。ナオミは頷く。

一行は再び通信塔を目指して歩き出す。

海上。デズモンドがボートの上で目を覚ます。シャツのポケットにはチャーリーの『Greatest Hits』リストが入っている。チャーリーはやはり、自分でザ・ルッキング・グラス・ステーションに潜って行ったらしい。突然、ボートの周りの水が跳ねる。ミカイルが海岸(意外と近い)から撃っているのだ。デズモンドは息を深く吸い込み、水に飛び込む。(チャーリーのリストが濡れちゃうよー。)

数分後、デズモンドはザ・ルッキング・グラスのプールに顔を出し、チャーリーが縛られているのを知る。ダーティ・ペアは通信室のドアを閉めて言い争っている。チャーリーはデズモンドに「隠れろ!」と言う。

ダーティ・ペアがチャーリーの声を聴きつけ、通信室から出て来る。チャーリーは『You All Everybody』を歌っていたフリをする。ダーティ・ペアはプールの周辺を見渡すが、他には誰もいない。チャーリーは歌い続ける。ダーティ・ペアはチャーリーを殴って黙らせ、通信室に戻る。

デズモンドはプールの反対側のロッカーの中で息を潜めていた。


フラッシュ。

病室。女性患者が全身に包帯を巻かれて眠っている。ジャックは震える手でカルテをチェックしながら、ポケットから薬瓶を出し、薬をいくつか飲む。ジャックは目の辺りが黒ずんでおり、明らかにヤク中といった感じだ。

1人の男性医師が入って来る。彼は「新外科医長のロブ・ハミル医師です」と自己紹介する。ジャックも名乗る。ハミル医長は「『英雄ジャック・シェパード』…しかも、これで2度めですな」と感嘆しながら握手する。(1度めはサラの件だろうか、それとも…?)

Dr. Hamill: Can I help you?
Jack: Just checking her chart.
Dr. Hamill: I'm sorry. I'm Doctor Hamill... Rob, the new Chief of Surgery. I don't believe we've met yet.
Jack: Jack Shephard.
Dr. Hamill: Jack Shephard the hero... twice over.

ハミル医長はジャックの様子を見て、「大丈夫かね?昨夜の件があったばかりなのに出勤して来るとは驚きだ」と気遣い、「まさに、ちょうど良い時に良い場所にいたものだね。彼女は君がいてくれて運が良かったよ」と褒める。だが、ジャックは硬い表情で「もし運が良かったら、彼女は背骨を折って脊柱を圧迫されたりしてませんよ。明朝一番で手術をさせて下さい」と応じる。

Dr. Hamill: Are you all right? After last night, I'm surprised you'd even want to come in. Talk about "right place, right time," huh? This woman is very lucky you were there.
Jack: If she was lucky, she wouldn't have a fractured back that was impinging upon her spinal cord. I'd like to operate first thing in the morning.

ハミル医長は「君が手術したいと言うのかね?」と顔を曇らせる。彼はこれまで遠回しな言い方をしていたが、ジャックの『問題』についても熟知しており、本音ではジャックには一切の手術をさせたくないのだ。それに、すでに執刀医も決定している。

Dr. Hamill: You want to operate?
Jack: Yes.
Dr. Hamill: I'm sorry, Jack, but this isn't your patient. And we are well aware of the issues. Gary Nadler is doing the surgery at 6 a.m.

ジャックはそれでも自分でやりたいと主張するが、ハミル医長は「昨夜、君は彼女の8歳の息子を炎上する車から引き摺り出し、さらに彼女を助けに戻った。君はもう十分やったと思うよ」と譲らず、「ここは大丈夫だから、家に帰って一杯飲みたまえ。君はそれだけの事をしたんだ」と、ジャックを帰宅させるのだった。

Jack: With all do respect, Dr. Hamill, I'd rather do it myself.
Dr. Hamill: Jack, last night, you pulled this woman's 8-year-old son out of a flaming car and then you went back for her. I think you've done enough.
Jack: I want to do the surgery.
Dr. Hamill: Look, everything's under control here. She'll be fine. Go home. Have a drink. You deserve it.
Jack: ....
Dr. Hamill: The chart please, Jack.
Jack: (カルテを返し) You call me. I want to know what happens.

ジャックは待合室を通る。TV画面ではちょうど、今回の交通事故のニュースが流れている。治療を終えたばかりらしい少年患者がジャックに気付き、手を振る。ジャックが事故から救出した母子の息子の方だろう。ジャックもぎこちない笑顔で手を振りながら外に出る。

※Carlton Cuse(制作総指揮&脚本)が『Action 8 News』のレポーターとして声のカメオ出演をしている。


現在。

ジャックに率いられた一行は山中を歩き続けている。ソーヤーが立ち止まり、「俺はビーチに戻る」と言い出す。ジャックは反対するが、ソーヤーは「あんたの許可を求めてるわけじゃねぇよ。あんたにはやるべき事があるし、俺はその邪魔をするつもりもねぇが、俺はここで必要とされてわけでもねぇしな」と言う。

ジャックが「1人で武器も持たずに行って、何ができるっていうんだ?」と指摘すると、ケイトが「1人じゃないわ。あたしも一緒に行く」と口を挟む。だが、ソーヤーは「おめえとは一緒に行きたくねぇ」と突っぱねるのだった。

ジャックが「銃なしでは自殺行為だぞ」とあらためて言うと、ジュリエットが「ここから2~3マイルの所に銃の隠し場所があるわ。そこを通ってビーチに戻る道を案内してあげましょう」とオファーする。罪滅ぼしのつもりらしい。ジャックはジュリエットの好意を汲む事にし、「でも、バカな真似はするなよ」と忠告する。ジュリエットは「あなたがしないなら、あたしもしないわ」と言って(ケイトに見せつけるために?)口づけをする。ジャックは驚きながらも、そのキスを受け入れる。ケイトはその様子を横目で見遣りながら、前に進んで行く。

Jack: Don't do anything stupid.
Juliet: I won't if you won't.

ジュリエットとソーヤーは皆と逆の方向に歩き出す。

ザ・ルッキング・グラス・ステーション。チャーリーはまだ歌っている。ボニーが「黙りなさいって言ったでしょ!?」と叫ぶ。チャーリーは新しい歌を思いつき、口ずさみながら作曲しているのだ。ボニーはスピアガンでチャーリーを黙らせようと、デズモンドが隠れているロッカーに向かって早足で歩いて行く。チャーリーは慌てて、「わかった!やめるよ!やめるから!」と呼び止める。

その時、潜水具に身をかためたミハイルがプールに顔を出す。ボニーとグレタは驚く。ミハイルも「君たち2人はカナダに派遣されてたはずだが?」と驚く。ボニーとグレタがここにいる事はベンしか知らなかったのだ。

ミハイルはチャーリーの顔を見て、「もう1人はどこだ?こいつの仲間が潜って来たはずだ」と訊く。ボニーが「彼ひとりきりよ」と答えると、ミハイルは「それは確かかね?」と言いながらナイフを取り出す。

チャーリーが「それよりさ、ベンがなぜ、自分の仲間にこのステーションが完全浸水してるなんていう嘘をついたのか訊いてみたらどうだい?あるいはこの2人がなぜ、島の外部と連絡が取れないように妨害電波を出してるのかってね」と話をそらす。

Charlie: Here's a better question to ask, Cyclops. Why did your little friend Ben tell you people that this entire station was flooded when it isn't? Or, why these two have been jamming transmissions off the island?

※「Cyclops」とはギリシャ神話に登場する単眼の巨人族のこと。日本語では一般的に「キュクロプス」または「サイクロプス」と表記される。

ミハイルがダーティ・ペアに「今のは本当か?」と訊いた時、ピーっという音がする。ベンからの通信だろう。ミハイルはグレタを遮り、1人で通信室に入ってドアを閉める。

ジャングル。ベンはアレックスを引き連れて歩きながら、ウォーキーで「全て、島のためにやった事なんだ」と説明する。島の外部との通信を全て遮断したのも、仲間たちに真実を告げなかったのも全て、ジェイコブ(島の化身?)の命令によるものなのだという。実はこの島は強大な敵に狙われており、妨害電波は皆を守るための手段に過ぎないらしい。

Ben: You have to understand. Everything I did, I did for the island.
Mikhail: The island told you it was necessary to jam your own people?
Ben: Yes, it did. You've always been a loyalist, Mikhail. Now, I'm asking you to trust me... to trust Jacob, who told me to do this.
Mikhail: Why would Jacob ask you to lie to your own people?
Ben: Because this island is under assault by forces stronger than anything it's had to deal with in many, many years. And we are meant to protect it, Mikhail, by any means necessary. The jamming was for everyone's security. We are in a serious situation here.

アレックスは黙って歩きながら、ベンの顔を見る。彼女は内心、「また、大ボラを吹いてる」と思ってるのかもしれない。

ウォーキーの向こうのミハイルが「ではなぜ、私を信用して下さらなかったのですか?」と尋ねる。ベンは「それは私のミスだ。君には言っておくべきだった。謝るよ」と答える。

Mikhail: So why not trust me?
Ben: I made a mistake. I should have told you and I apologize.

その時、電波が一瞬、途切れる。ベンは「ミハイル、まだ聞こえるか?」と確認してから、「私には君の助けが必要だ。私が招いたこの事態に収拾をつけるのを手伝ってほしい。チャーリーを殺してくれ」と頼む。

Ben: Mikhail, are you still there?
Mikhail: Yes.
Ben: I need you to help me. I need you to help me clean up this mess that I've made. I need you to kill Charlie.

アレックスは驚き、ベンの顔をあらためて見る。ベンはさらに、「妨害電波発信装置はなんとしてでも機能し続けるようにしろ。それから、グレタとボニーも他の仲間たちに告げ口しないように始末してくれたまえ」と指示する。

Ben: Make sure the jamming mechanism continues to function at all costs. And we can't risk Greta and Bonnie telling the others about what we've done so you'll have to take care of them, too.

アレックスは目を大きく見開く。この人は自分の父とはいえ、なんと恐ろしい人なのだろう。

ミハイルは「彼女らにも私を殺すよう命じたのではないでしょうな」と、慎重な態度を取る。ベンは「もしそうしてたら、君はすでに死んでるはずだ」と指摘する。

Mikhail: How do I know you didn't say the same thing to them about me.
Ben: Because if I had, Mikhail, you'd already be dead.


(【その3】に続く)


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2 コメント

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待っていました (レイ)
2007-06-01 12:31:18
いよいよ謎が明かされるのかしら?と思いつつ見ていたのですが私の英語力では細かいところまで分らないのでこちらにお邪魔して確認しています(笑)
ケイトとソーヤーの会話も本当に分りやすく訳してあるので2人の感情が伝わってきます。ソーヤーは何故ケイトを突き放すのでしょうね?来年の2月が楽しみです。また宜しくお願いします。
9ヶ月の辛抱 (ジョウ)
2007-06-02 02:30:46
レイさん、会話シーンはある程度、省略&意訳しつつも「原語のリズムを損なわずに感情をうまく伝えたい」と苦心してますので、そう言って頂けると嬉しいです。

ソーヤーは「ケイトに本気で愛されてるわけではない」と思ってる(悟ってる?)のと、やはり、ジャックが指摘するように「危険に巻き込みたくない」という気持ちがあるんでしょう。あと、オリジナル・ソーヤーを殺したために生きる目的を失ったというか、復讐を果たしてはみたものの意外と後味が悪かったということで、「心ここにあらず」という状態になってるんだと思います。ですから、いちいちニックネームをひねり出す心の余裕もないんでしょうね。