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タワー型ループ ゲルマラジオ

2017年01月07日 | ゲルマラジオ


 ループアンテナの形状は角材を十字に組んだものや長方形のものをよく見かけ、自分もいくつか作ったことがあります。この形状だと設置面積が大きく、我が家の環境では置き場所に困ることになります。ループアンテナは大きいほど良い、それでいてコンパクトであればなお良し。ということで、タワー型直方体ループアンテナのゲルマラジオを作ってみました。ちょうどトールボーイタイプのスピーカーサイズ。部屋に置いても邪魔にならずに済むかと・・・。

 といっても自分が製作した無電源ラジオの中では、最大サイズ。これまで成功しなかった東北放送の室内での安定受信を目標に高性能をめざすことにします。

 <ループアンテナ部>
 材料  
 ・角材1mを5本
 ・リッツ線0.1mm×100本を38m
 ・ユニバーサルブッシュ1m
 ・土台用板 19.5cm×19.5cm

 まずは巻き枠。一辺1cmの角材を切り分け、接着剤で縦85cm、横13cmの縦型直方体に組みます。上下、中間の6カ所にユニバーサルブッシュを貼り付け、等間隔のスペース巻きとする。接着剤が乾いて完全に固定されたら、あとはリッツ線を巻くのみ。24回巻き。途中17回巻いたところでタップを1カ所のみ取りました。使ったリッツ線はいつもの倍近くの38m。インダクタンスを測ってみると418μH、中間タップが212μH。










 さっそく実験ボードにつないで、回路を組んでみました。418μHの方はNHK仙台第一放送のみで、他は受信できません。きちんと同調していないとみえ、期待したほど感度も上がりません。続いて中間タップにつないだところ、NHK仙台第一放送が圧倒的な音量で耳に飛び込んできました。Sメーターもそこそこ振ってくれます。バリコンを右に回すとNHK仙台第二放送、さらに東北放送も聞こえてきました。第二に第一が若干かぶるものの、これなら、タップ切替えを省き、中間タップのみで良さそう。直方体タワー+リッツ線スペース巻きの効果が出ていることを確認。土台板に接着しループアンテナ部完成。






<ラジオ部>
 材料
 ・エアバリコン12pF〜290Pf(aitendo)
 ・ダイオード 1N270(aitendo)
 ・トランス BT-OUT-100(NPOラジオ少年)
 ・ステレオイヤホンジャック
 ・板10cm×10cm

 続いてラジオ部の製作。いつもの通り、これ以上何も減らせない最もオーソドックスな回路としました。タワーループに合わせ、板上にバラック組み。板をくり抜いたり、銅パイプを固定したり、部品の位置を変更するなど自在に加工でき、自分はやはりこのスタイルが好みです。aitendoのエアバリコンは国籍、メーカー不詳のとても新品とは思えない代物でしたが、性能は悪くないようです。そしていつもの1N270。トランスを使ってステレオイヤフォンを鳴らすには最高のダイオード。トランスは板に直接穴を開け、固定。今回もなるべく裏面配線とし、すっきりした外観にしてみました。最後に、ラジオ部をループアンテナ低部に接着固定し、完成。














 配線がすっきりした分、実験ボードで試しに受信した時より、音量、分離とも改善したような印象を受けました。目標とした東北放送は、59とはいきませんが、52程度で室内窓辺であれば十分了解可能。直方体ループアンテナ、まずまずです。テーブルや床の隅に置いても邪魔になりませんが、仕舞えないので埃はかぶったままになりますね。

 この形のループアンテナを思いついて、年末年始、少しずつ作りながらも新たなアイディアや手直しを繰り返し、なんとか完成となりました。1年ぶりのコイル巻き、そして無電源ラジオ作り。コイルを巻いたり、部品の配置を考えたりしている時は、他のことは忘れて没入してしまいます。夢中になれるもの、ワクワクするものは人生の宝、と言われた方がおりましたが、ホント、その通り。面白いことはやめられません。





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