試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クハ103-763[ラシ305-3] 車体更新,行先変更 (クハ103-272[Tc272] 回着,方転,改番:旧クハ103-763 休車)

2017-09-18 21:10:36 | 国鉄/JR103系
単独。

KATO製クハ103形高運転台ATC車クハ103-272(黄色5号)のジャンク車両を入手した。
各所に打痕があるものの塗装変更車よりは状態が上げられるため導入に至っている。
但し抑えられたのは1両だけで車体更新対象編成が限られた。


JR103系ラシ305F (2000/6)。
ラシ305F-3:Tc763-M707-M'863-[T196]-M708-M'864-[T212]-M709-M'865-Tc260。

所有車両で一方だけがクハ103形高運転台ATC車の編成は多くない。
実際に習志野区に所属した編成でも一時的な代走を除くとラシ305F,ラシ310F,ラシ321F,ラシ337F程度だろう。
KATO製103系でも該当する編成は4本に絞られている。
◆クハ103-278:ミツ6F。
◆クハ103-278:ラシ321F。
◆クハ103-373:ラシ310F-3。
◆クハ103-763:ラシ305F-3。
このうちクハ103-278(ミツ6F),クハ103-278(ラシ321F),クハ103-373は既に車体更新を終えていた。
従って導入したクハ103-272は自動的にクハ103-763用更新種車化が決定している。


クハ103-763(ラシ305F-3)。

現在のクハ103-763は二代目でクハ103-281(黄緑6号)を種車に竣工させた。
ラシ305F-3はクハ103-260低運転台量産冷房車の竣工を契機に編成化を目指した。
前面窓支持が金属押え面化されたクハ103-260と高運転台ATC車の組合せは非常に魅力的だった。
当時はクハ103-272(黄色5号)の入手が困難でTOMIX製旧製品クハ103-396(青緑1号)を種車に起用している。
その後メーカー統一を図るためクハ103-281高運転台ATC準備車にて車両更新を行った。


クハ103-272(ジャンク車両)。

ラシ305F-3の出場はかなり早く初代クハ103-763(塗装変更車:TOMIX製旧製品)時代から編成見附が悪かった。
車両更新も度重なる塗装失敗に苦しんでいた時期に嵌まっている。
そのため塗装被膜は最悪ではないものの芳しくない状態にある。
モハユニットはモハ103-331以下6両(総武線仕様:ツヌ315F)を簡易改番式で竣工させた。
しかしKATO製一般形サハ103-196,サハ103-212(塗装変更車)の組込によりクハ103-763の更新優先順位は低かった。
加えてクハ103-272(黄色5号)が2両単位で連続回着し先送りの要因になっている。
ようやく巡ってきた更新機会は1両だけで回着したジャンク車両のお陰と言える。


入工中のクハ103-272,クハ103-763 (ジャンク車両,ラシ305F-3)。

今までのKATO製クハ103形車体更新車と同じくクハ103-763からの部品流用を基本とする。
入場と同時にクハ103-272の車両番号標記をラプロス式で消去した。
経年のせいか直前に更新種車へ起用したクハ103-272は屋根板の2エンド側嵌合爪が根元から折れてしまった。
これ以上せっかくの予備品を台無しにする訳には行かず嵌合爪への細工を施した。
2脚が一体化されている嵌合爪を中央から分割し片側が折損しても嵌合維持を可能にする。


予想通り折れた屋根板2エンド側嵌合爪(元クハ103-272)。

元クハ103-272の屋根板撤去時に分割した嵌合爪1脚が折れた。
しかし分割した効果でもう1脚は屋根板に残り予備品に廻せる。
また1脚支持に変わり屋根板そのものも取り外し易くなった。
念のため両側とも分割したが1-3位側若しくは2-4位側への細工は不要かもしれない。
塗装変更車のクハ103-763も塗装被膜が厚く同様に細工を施し屋根板を撤去している。


側扉窓支持を黒Hゴム化した元クハ103-272。

ラシ305F-3のプロトタイプは2000年6月である。
晩年の習志野区103系は側扉窓支持が黒Hゴム化されており新クハ103-763もこれに倣う。
KATO製クハ103形高運転台ATC車の原形保持と天秤に掛けたが打痕状況から黒Hゴム支持化を選択した。
黒Hゴム支持化は何時もの様に全てマッキーで行っている。
車体モールドのHゴム再現でありペン先が車体に触れさせないよう気を付けた。


クハ103-272から転用した前照灯プリズム。

今入場ではラシ305F-3の行先を変更する。
貼付していた自作ステッカーはラベルの糊が残りやすい。
そのため前照灯プリズムは元クハ103-272から転用した。
プリズム押えと尾灯レンズは流用とし異LOT品の組み合わせとなる。
数少ない不安要素は前照灯プリズムと屋根板前部の干渉だった。


車体を振り替えた旧クハ103-763,元クハ103-272。

クハ103-272は回着時から屋根板と車体の嵌合がしっかりしていた。
しかし屋根板は流用品で運転台側の浮きを招く可能性があった。
いざ元クハ103-272を組み立てると隙間を生じさせることなく床板が嵌まってくれた。
懸念された箇所だったが部品同士の相性は良かったらしい。
旧クハ103-763も同様に至り今回の車体更新は上手く展開出来ていると思う。


慎重に転写した側面用JRマークインレタ。

関門はJRマークインレタの転写である。
側面用の予備が少なく失敗は防ぎたい。
クハ103-463,クハ103-728(ラシ319F)の車体更新に起用されたクハ103-272はJRマークが転写済だった。
しかし何度も都合の良いジャンク車両が手に入る訳ではない。
入手したクハ103-272は国鉄仕様である。
先ず余裕の無い側面用JRマークから転写を開始した。
クハ103-260とは色温度の異なるTOMIX製High-Grade製品付属インレタだが無難に転写を終えた。
前面用JRマークはまだTOMIX製旧インレタが残っているためまだ気が楽だった。
ただ無駄遣いを防ぐため多少の位置ずれは見切った箇所になった。


[[クハ103-][7][6][3]]:2-4位側。

続く作業も苦手な車両番号インレタ転写となった。
モハユニットが簡易式改番で竣工しておりグリーンマックス製インレタを起用している。
インレタの組合せは両側共に[クハ103-]+[7]+[6]+[3]と苦しい。
現在は101系,103系共に増備が一段落しインレタを補充する必要が薄れている。
各シートに点在する車両番号を寄せ集め[クハ103-763]へ纏め上げた。
歪みやずれは隠せないもののかつてよりは大分見られる様になったと思う。




クハ103-763 [17C 三鷹]:車体更新,運行番号・行先変更施工。

クハ103-763は車体更新工程の大半を終え各部の確認に移った。
行先方向幕は恒例の自作ステッカーを貼付した。
行先変更と同時に運行番号ステッカーも新調している。
運行番号幕ステッカーにはKATO製クハ103-281,クハ103-282高運転台ATC準備車付属品を起用した。
前面窓セルは元クハ103-272の旧LOT品を転用しワイパーの銀挿しを廃止した。


クハ103-260 [17C 三鷹]:ラシ305F-3(全面窓セル縦桟灰色再現車)。

この様な過程を経たのはクハ103-260(ラシ305F-3)へ極力揃える名目である。
クハ103-260の前面窓セルはワイパーの銀挿しの無いメーカーエラー品を装着させた。
エラー品ながら逆に前面窓支持の金属押え面化を引き立てる要素になっている。
そのためクハ103-763は敢えて前面窓セルを旧LOT品に格下げし統一感を持たせた。
運行番号幕もクハ103形低運転台量産冷房車付属ステッカーを貼付しておりフォントを揃えた。
ただ低運転台量産冷房車と高運転台ATC車では表示器幅が異なるため同一配置にはならない。


クハ103-763 点灯試験[17C 三鷹]:前照灯(車体更新)。


クハ103-763 点灯試験[17C 三鷹]:尾灯(車体更新)。

床板一式は流用しており現行LOTを維持した。
よって点灯状態は入場前と殆ど変わっていない。
転用品の前照灯プリズムとも相性は悪くない模様で運転台側の漏光は見られなかった。
部品の組合せの変更による影響は無くクハ103-260との差を生まずに済んでいる。




クハ103-763(クハ103-272 方転,改番)。
※車体更新。

車体更新を終え新クハ103-763が竣工した。
塗装変更車体からメーカー塗装車体に変わり見附は大幅に向上した。
サハ103-196(AU712冷房改造車)の車体更新種車都合でラシ305F-3から塗装変更車を全廃するのは当分先になる。
それでも両端を締めるクハ103-763,クハ103-260がメーカー塗装車で揃った意義は大きいと思える。




クハ103-763+モハ103-707 (ラシ305F-3:メーカー塗装車+メーカー塗装車)。

車体更新されたクハ103-763だが2-4位側の側面行先表示器窓支持Hゴムに打痕がある。
この瑕疵は承知の上でクハ103-272を導入しており気にしていない。
それよりも状態の良くない塗装変更車から脱せたメリットが上回る。
モハ103-707とは大幅にLOTが異なるが黄色5号の温度差は小さく済んでくれた。
異LOT混結である以上ある程度の色温度差は避けられない。
クハ103-763+モハ103-707は十分に合格と言えるだろう。




旧クハ103-763(休車)。

一方車体更新により捻出された旧クハ103-763は大半を旧LOT部品で固め組み立てた。
以前であれば再塗装を行い車体振替用種車への転用を考えたと思う。
現在KATO製旧クハ103-463,旧クハ103-768(元ラシ319F:塗装変更車)が休車になっている。
復帰の可能性を含みながら旧クハ103-763も休車に指定した。
今後クハ103-272(黄色5号)の導入次第では動きがあるかもしれない。
この記事についてブログを書く
« クハ103-576[ラシ337F-1] 前... | TOP | サハ103-212[ラシ305F-3] マ... »