上海☆DAYS ~明天也是好日子~

上海での日々の記録とつぶやきなど。

かつての日本人街。

2013年01月29日 | 上海街歩き
前記事の続き。

共同租界地の中で、上海大厦の裏手にある呉淞路と四川北路周辺は昔日本人が多く住んでいた地域。
戦中、上海には一番多い時で10万人ほどの日本人が住んでいたそうで、現在とほぼ同数の日本人の
多くがこの虹口地区に住んでいたと想像すると、まさに「日本人街」だったはず。

その頃、呉淞路には病院や旅館、鮮魚店に呉服屋、お土産屋などで賑わう一角だったみたい。
今では多くの建物が取り壊されて再開発が進んで様相は様変わりしたけれど、よ~く見てみると、
昭和的な雰囲気漂う建物が残っていて、わずかに当時を偲ぶことができる。

例えば、こちら。

 
左は芥川龍之介など著名人も宿泊したという一流日本旅館「萬歳館」(1904年)。
右はたぶんデパートの「松坂屋」。ややピンクがかった外壁がレトロ。

中にはこんなモダンな建物も。

  
左は虹口救火会(隣の青い屋根は毎日新聞社)、右は小学校。
現在でもきれいに修復されて消防署と小学校として使用されている。

それから日本軍の関連施設だった場所も有り。

 
日本憲兵隊本部(左)と日本海軍特別陸戦隊本部(右)。
今では中国軍関係や商店、住居などが入っていて、そうだと聞かなければ全く分からないけれど。

日本的といえば・・・

 

ちょっと異国風な真っ白い西本願寺別院(1931年)と、本圀寺。
西本願寺は戦後博物館や(なぜか)体育倶楽部などになったようだけれど、現在は閉鎖中。
本圀寺は寺社の入口の部分だけが残り、後ろは普通のアパートで人が住んでいるので、
中を覗いたら住人のおばちゃんに「何か用?」って言われてしまうかも(笑。

他にも日本人に関わる建物はあるけれど、ほとんどが優秀歴史建造物に指定されていないので
その背景を知ることは難しい。
だから何度も歩いてる場所なのに、今までその歴史に全く気が付かずに通り過ぎていた。

でも、今回こんなマニアックな情報を得ることができたのは、夫が日本で買ってきた本のお陰。
古い街並みと現在の街並みが重ねて表示してある地図で、詳しい情報が満載の珍しいガイドブック。



この本を片手に上海の街歩き、しばらく楽しめそう。



歴史建築巡り@虹口。

2013年01月28日 | 上海街歩き
昨日から大気汚染が和らいで、今朝は久しぶりに空気が澄んだ気持ち良い晴天。
まだ寒いけれど、太陽の日差しや鳥のさえずりに、春が少しずつ近づいているのを感じた。
これからまた街歩きが楽しくなる季節がやってくる。

先日、まだ空気は悪かったもののマスクをして散策したのは、かつての英米、日本を含む
国際共同租界地区。
素晴らしい歴史建築が並ぶ外灘の北側、蘇州河にかかる外白渡橋を渡ったところ(虹口区)。

まず目につくのは重厚な上海大厦(1934年)(冒頭写真)。
ブロードウェイ・マンションと呼ばれ、外国人向けのアパートだったもの。
周辺には日本やアメリカの領事館だった建物などもあって、現在はどちらもホテルになっている。

ここから北側は今は結構ローカルな雰囲気のエリアなのだけれど、歩いてみると、歴史建築が
ぽつぽつと点在していて、なかなか興味深い。
あの、食肉処理工場もこのエリア。

外灘からも見える、時計塔のある大きな建物は上海郵政局(1924年)。立派。



例えば、当時の外国人向けの高級アパートも健在。
代表的なものとしてピアス・アパート(1931年)とデクスウェルアパート(1929年)。

 
 
そして、交差点の角にふと現れる不思議な建物。

 

半円の細長い建物は中国銀行(1933年)で、この対面の角にあるのが市第七百貨店(1927年)。
あまりに細長くてバランスが悪いようだけれど、初めからこの形みたい。

旧共同租界地は、フランス租界のように景観の統一が保たれていないので、こんな風に
バラバラな印象。
上海市の歴史優秀建造物は移動不可なのだそう。

上海は有名な観光スポットは少ないけれど、街を歩いてみると色んな発見があって、歴史や
建築・ローカルの生活や文化に興味のある人とっては、実はとても面白いところだと思う。

普段何気なく見過ごしている風景も、実は1930年代の上海の街並みを彷彿させるような
建造物だったりして(本物!)、現在の近代化した上海とは違う一面が覗えることもあるかも・・・。





お灸のススメ。

2013年01月22日 | 美容と健康
去年の秋頃からハマッているのが、お灸。

たまたま経絡マッサージを受けに行ったサロンでお灸の施術もしていて、これから寒くなる季節、
冷え症ならお灸も足すといいと思うよ、と女老板(女性オーナー)に勧められたのがきっかけ。

鍼灸といえば中国が本場。
マッサージと同じように数千年前からある民間療法の一つで、治療だけじゃなくて健康維持や体質改善など
「未病」の方法の一つとして取り入れられている。
鍼やお灸は治療の一環で熱い・痛いというイメージもあって、今まで体験したことがなかったけれど、
どんなものかと一度試してみることに。

サロンでの施術は、まずはオイルで背中と足のマッサージ。
中医学の概念で、気と血の流れる経絡とその線上にある経穴(ツボ)を刺激して身体の調子を整える。
上海中医薬大学で学び、15年の経験を持つ老板のマッサージは、ツボを抑えているし力加減も丁度よく、
このマッサージだけでも価値があると思えるので通ってしまう。

30分程度経絡を流した後で、いざお灸。
お灸は肌に直接載せるものではなくて、冒頭の写真のような専用機械を使って間接的に温めてゆくもの。
天候や体調によって、マッサージ方法やお灸をする場所も少しずつ変えてくれて。
マッサージと暖かさの相乗効果でついウトウト・・・

私は代謝が悪い方でなかなか汗をかかないのだけれど、お灸をした後は身体がほかほか。
穏やかな作用なのでハッキリとした変化をすぐ感じるわけではないけれど、そういえば今年の冬は
家でもあまり厚着をしていないし、去年ほど寒がっていない気がしている。
全体的に体調はいいし、肩こりや腰痛もあまり気にならないので、やっぱり定期的に身体を温めて
新陳代謝や血液循環を良くしているお陰かな、と思う。

空気が悪くて食品の安全も確かでないこの国なので、特に"排毒(デトックス)"は必要かと。
薬膳やヨガ、マッサージで余分なものを排出、気を巡らせるようにしているせいか、不健康そうなこの国で
意外にもかなり健康的な生活を送っているなぁと感じてる、今日この頃。



冬の薬膳。

2013年01月18日 | 習い事
最低気温が氷点下となった先日。
冬の薬膳を習いに出かけた。

日本と上海で薬膳講師として活躍されている先生による、1回のみのレッスン。
冬は寒さで身体が冷えたり凝り固まったりするので、温める食材や気を補う食材で気や血の巡りを
よくしたり、潤いを与える食材などを多く摂り入れた4品を。

薬膳ではお肉や魚もバランス良く摂り入れるけれど、今回はマクロビレストランが会場ということで、
動物性の食材は一切ナシ。

それでも、先生のレシピは和洋折衷のアレンジで、どれも美味しくて満足感いっぱい。
それに、牛蒡とレーズンにバルサミコ酢とか、クルミとらっきょうなど、今まで思いも付かなかった
組み合わせがとても新鮮だった。

正直、中華的な薬膳ではあまり美味しくないものも中にはあるけれど、身近な食材を使って、和風にも
洋風にもアレンジは可能だし、やっぱり美味しく食べる方が身体も喜ぶはず。

まだ今の知識だけでは自分なりの薬膳レシピを考えるのは難しいけれど、今回のレッスンで教えてもらった
アイデアも拝借しつつ、少しずつ、季節・体調にあったものを取り入れたいなと思う。

そしたら、きっと、身体の中からキレイになれそう。

大気汚染。

2013年01月14日 | 上海生活
日本のニュースでも取り上げられている通り、中国の大気汚染が深刻。

去年からパソコンや携帯のアプリで毎日チェクしている上海市の空気質量指数(AQI)。
12日土曜日は建物が霞むほど空気が淀んで、一目で空気が悪いのが分かったけれど、数値を見たら
なんとAQIは288。これは『重度汚染』レベル。

この日の北京は500という測定MAX値を超えしてしまう最悪の数値だったそうで、それに比べれば
上海はまだマシな方といえばそうだけれど…。

上海に来てから耳にするようになった、"PM2.5"という言葉。
大気中に浮遊している粒子径2.5μm以下の微粒子のことで、呼吸器の奥深くまで入り込んでしまうため
喘息や気管支炎など健康被害をもたらすと言われているもの。(詳しくは環境省のこちらをチェック!)

日本でのPM2.5の大気環境基準は、
『1年平均値が15μg/m3 以下であり、かつ、1日平均値が35μg/m3 以下であること』だそう。

ちなみに、上海で比較的空気の良い「軽度汚染=良」の日でも50μg/m3 は超えているので、日本の
基準を考えると、「良」といえども安心していられないレベルということかな。
だいたいこの国の「基準」とされている数字自体が日本や欧米の基準とはかけ離れているし、
悪い数字は少なく発表される傾向があるので(事実、在中米領事館発表の汚染指数とは違う
という指摘もあり)、あまり信用できないかも。

とは言え、中国で暮らしていて外に出ないわけにはいかないので、数値のチェックやマスクにうがい、
少しでも軽減できることは、自分でするしかないのだけれど。

こんなに空気が悪かった土曜日だけれど、晴れていたし、マスクをしてお出かけ。
でも、私達以外にマスクをしている人に出会わなかったので、上海にいる多くの中国人は、北京と違って
大丈夫と思っているのかも・・・。