第三の青春-自然薯おとうさん

田舎暮らし奮戦記!じろさん本舗プレゼンツ

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

憧憬の56.4km-六甲全山縦走路(前)

2011年07月13日 | ■遊歩資料アーカイブ
  ■
  ■
  ■

22年前、当時会長をつとめていた六甲遊歩会での縦走路実測の話題が神戸新聞(6/25夕刊)のトップ一面9段抜きの記事の中で紹介されました。
「全山縦走 長年の謎」と銘打った六甲山を縦断する市民大会のコースに関する特集記事です。
今年の1月頃からメールや電話を使った神戸新聞記者とのやり取りがありましたが、掲載の気配がないのでてっきり没になったのだろうと思っていましたが・・・。どちらにしろこんなマニアっぽい話題なんぞは、てっきり小さなコラム記事で紹介されるものと思っていただけに一面トップは驚き桃の木です。
六甲山とか神戸とかに馴染みが無い方には、「何のこっちゃ?」と首をひねるような話題でしょうが、神戸市民や関西の六甲山フアンにとっては、秋の全山縦走は、市民レベルの恒例イベントで、登山家やハイカーの枠を越えて、老若男女、多くの市民が長い間、親しんでいる関心の高い行事です。

私が六甲山での狂気のような遊歩を始めた頃、この山塊の背骨となる縦走路のコースは、55kmという表示をする資料もありましたが、多くの資料や書籍では全長56.4kmと紹介され、公式距離として広く認められていました。
普通のハイキングはおおよそ一日10~15km程ですから、4回分ほどのハイキング距離を一日で歩き通すという非常にヘビーで、標高差の計が3000m余のアップダウンの激しい苛酷なルートです。死者がでた年も何度かあるようで、山歩きに縁の薄いビギナーがいきなりチャレンジという訳にもいきません。

中には、全容をよく知らぬままイベントとして参加した児童・学生などが、半ば泣きながら歩き続けている光景もよく見ます。それらを横目にマイペースで完走するのは山歩きに手慣れた中高年ハイカー達で、例年参加の常連たちは、11時間を切ったとか、10時間で完走したとかタイムトライアル的な楽しみも加わっているようです。リタイアポイントが限られているので、自分の体力や仲間の体調をどう見きわめるかも難しく、炊き出し、応援、夜間遊歩、チームワークなど悲喜交々、様々なドラマに彩られながら展開するイベントです。

混雑してマイペースで歩けない市主催の「縦走大会」には参加した事がありませんが、個人的には、幾度かトライしました。また、遊歩会の新人研修を兼ねた縦走大会を開催したこともあります。
自身の初めての挑戦では16時間45分での縦走でした。完走後、夜遅い阪急電車の中で、沸き上がる充足感を必死に抑えながら、棒のように固くなった太ももをさすっていたのを昨日のように覚えています。
オーバーな話ですが「もう昨日までの俺じゃないのだ」という呟きでしょうか。一皮も二皮も剥けた自分をヒッシと抱きしめている感じです。これに至ったのも、ひとえに加藤文太郎との出会いがあったお陰なのですが、その文太郎は、ここからまたスタスタと歩いてスタート地点近くの自宅まで歩いて帰って行ったという超人的な健脚でした。
最近になってやっと脚光を浴び始めたこの文太郎ですが(劔岳の木村監督が次回作でのモデルにするらしい)「知る人ぞ知る」地下足袋の加藤、単独行の文太郎、その後の日本アルピニズム史の一角を華々しく飾り、あっという間に槍ケ岳北鎌尾根で逝ってしまった文太郎はとうてい自分の足下にも及ばない遥か先をいく遊歩の達人でした。

「歩くとは何か?」という難問が顕在してくるまで、私の初期の六甲遊歩は、ひたすら文太郎の足跡を追っていたものです。そして彼が疾走した縦走路を主脈として持つこの裏山・六甲山という山塊そのものの魅力に虜になって、一層狂ったような遊歩三昧にハマって行く訳ですが、その意味では「56.4km」という数字は憧憬そのものでした。
この数字への自分の思い入れ、縦走へのこだわりは何ら変わりませんが、技術的な点でこの「56.4km」に疑念を持ったことは自然な経緯です。歩き慣れてくると身体で体感的に山中の距離や時間が測れるようになります。
技術的な問題では、56km余りを何時間で歩けたという、体力的なデータを他の山系などで、そのまま応用してしまうことでしょうか。六甲山では歩けた筈なのに・・・ということになれば、リスクの大きい山行でしたら危険なマイナスデータになりかねません。
ということで遊歩会独自の調査「巻き尺で実測しよう!」という事になりました。
実測自体は、5回に分けて行いましたので、のべ5日間ですが、調査ルートをはじめ調査方法の設定から、集計・報告まで一年をかけて取組みました。
(地図上の計測や万歩計を使った計測など、他資料との比較検討を含めての検証。詳細を『六甲山を見つめ直すシリーズ/その2』BUN-BUN別冊4号として発行。 )

実測の調査結果は「45.1km」でした。(最近、実測が行われるとも聞きますが、多少ルートは違っていても、おそらくはこの距離に準じるものと確信します)
この数字をどう受け止めるかは、それぞれあって然るべきです。ルートの変遷をふくめ、縦走路を深く見つめ直してみると、それは自然の災禍や人為(開発)の傷跡であったり、受難の六甲山の歴史を痛感することでもありました。
私における「内なる六甲山」は永遠に『56.4km』であることは、今にしても疑う余地はありません。(続く)

■遊歩調査関連記事
 遊歩資料館アーカイブ(2010年収録)に目次があります。

【後方支援2:映画づくりしませんか!】
★周南市発の”元気と明るさ”を発信する映画作りに参加されませんか?
【後方支援1・野菜を作ろう!】
ツイッターで声掛けしています。(#yasaidukuri)
★どこでも空き地を見つけて耕そう!屋上菜園、ベランダ菜園、プランターでも野菜を作ろう!自分たちが食べるために!
  ■
  ■
  ■

●ランキング参加中!
人気blogランキングへ
●じねんじょう山芋のお取寄せは…
ロハスな自然薯
ジャンル:
ウェブログ
コメント (8)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 自然生山芋は、温野菜? ク... | トップ | ふるさと回帰?ふるさと創造? »
最近の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
56kmの真偽 (s.fukuda)
2012-12-10 22:23:57
初めてコメントさせて頂きます。先週の水曜日に須磨浦公園から宝塚まで初縦走してまいりました。ガーミンを持っていって宝塚で見た積算距離が45km弱でした。若干遠回りした箇所もあったのですが、あれ56kmじゃないのか、と思いました。神戸市が公称といっているので自分のGPSがおかしいのかと思っておりましたがさすがにあまりにも距離が違いすぎるのでいろいろ検索し、西嬉さんのブログからこちらに辿り付きました。やはり45km界隈が正確な距離なんですね。でもまぁ遊び半分、真剣半分、神戸市も昔の名残に任せていてそれもありかなと思いました。自分の中ではすっきりした状態です。ありがとうございました。田舎暮らし羨ましいです。お邪魔いたしました。
ありがとうございます。 (じろさん)
2012-12-11 09:35:38
遊歩道楽で1年を締めくくるには、この時期の全山縦走は最高ですね。拝読いただきありがとうございます。お気持ちの整理に役立ったとは嬉しい限りです。
悲しいかなこちらに移住後も心はいつも六甲山です。もう一度縦走できるかな・・・・
じろさん
神戸市も45kmと言って欲しい (matsup)
2015-09-29 13:21:07
じろさま,
 古いブログへのコメントお許し下さい。
神戸市の言う六甲全山縦走路が 56 km というのが,どうしても納得いかず,西遊嬉(saiyuki)さんのサイトからこちらに来ました。
 私は2014年秋に3回,2015春に1回縦走しましたが,複数持っている GPS/GNSS の記録のどれもが 45km 前後でした。
 このブログでは神戸新聞の画像もあり,私の疑問も無事解決しました。
 ネットで見ると,多くの方が 56 km でいいじゃないか,とよく書かれていますが,じろさんがご指摘のように,六甲全山縦走の経験を基準に他の山に行かれた際に,45 km と 56 km の違いが危険ではないか,と思うので,神戸市はちゃんと調べなおして距離を訂正すべきだと思います。
 なんで訂正しないんでしょうね?
今年は11月に友人たちと一度,さらに 11/23 の大会に当選したので,もう一度歩く予定です。
そのために今から20km程度の登山で鍛えておく予定です。
楽しい縦走の完走を祈念します (じろさん)
2015-09-29 16:21:43
折々に、市の当局には提言いたしましたが、担当者が変わるたびに先送りになったのでしょう。
お役所仕事といえばそうなんでしょうが・・・・
でも、俺は56kmをこの程度で歩けるんだよっと、もっと厳しいフィールドで当てはめちゃうと、やっぱ怖いですよね。
全縦について (西嬉の大将)
2015-11-18 09:53:24
西遊嬉(saiyuki)の管理者の西嬉の大将です。
お久しぶりです。この時期になると全縦関係の記事へのアクセスが増え、そんな中から再びこちらへたどり着きました。

今年の神戸市のHPでは、コース:六甲連山(須磨浦公園~宝塚)50数km。となっていますね、神戸市側も意識はしているのでしょうね、GPS等で個人が気軽に距離を測れるようになった昨今、市側でちゃんと計測し正しい距離に直してもいいのではないかとは思いますね。第一回大会からすれば、スタート地点も変わっていますし、コースの変更もいくつかありますから、今年あたり40回大会のはずなので、これを機に訂正しても良かったのになんて思います。何か事情があるのでしょうかね。

じろさんやmatsupさんが全縦の経験を基準に他の山に行った時の危険について指摘されていますが、私は10キロの差ではなく、六甲山と3000メートル級の山を同じに考え日本アルプスに登る事の方か危険であるように思います。六甲山と日本アルプスは別物です。

全縦を完走できるような体力の持ち主にとって、六甲山レベルの低山であれば10キロの距離は大きな問題ではないように思います。
いずれにせよ、もう訂正しないといけない時期ですよね。

私は神戸市主催の大会への参加はもうやめました。このところの登山ブームで参加自体が難しくなったのと、色んな人が参加するようになったことで、マナーの著しい低下を感じたので全縦への参加はしていません。また参加したくなるような、気持ちのいい大会になるといいなと思っています。

長々と失礼いたしました。
感謝! (じろさん)
2015-11-18 10:45:46
こちらこそお久しぶりです。
六甲山を離れて久しいものでこういうネタを振ってくれるのが大変嬉しく感謝です。

確かに六甲山とアルプスの高山とは別モノですが、文太郎もそうだったでしょうが、断絶したものでなく裏山の延長線上に険しいアルプスがあったと思います。自分たちの背山、そこでたくさんのことを学んで、育まれていることを肝として全山縦走を楽しんでいただきたいものですね。

本年は心機一転、老体にムチ打って摩耶山頂で越年しようと考えています。

三浦雄一郎さんが「90歳でもう一度エベレストに挑戦したい」と発言して、あれこれ反応・反響が起こっています。
「高齢者のお手本、希望だ!」と「やめろ!周りの迷惑だ!」という両極の意見が湧き上がっています。そもそも、80歳時に登頂成功のあと、ヘリで下山ということも「これが登山か? 登頂記録になるのか?」と話題になりなりましたが、スポーツの話というより社会問題的な課題として考えさせられます。
歳を経れば、劣化する体力を嫌がおうにも思い知らされますが、どの辺りが限界なのかも探りたくなります。実は、これは体力の問題でなく気力の問題なので、自分の限界に関心がある内が花というか・・・歳相応の自己チェック機能があるってことなのかな?
てなことをつらつら考えているときに「久しぶりに越年キャンプやるか!」と思いついてしまいました。

昔の仲間にも声をかけてみるつもりですが、果たしてどれだけ返事がもらえるものかこれも楽しみです。
(ぶらっとお店にも立ち寄るかもしれません。おっと一見さんNGでしたか・・)
今年は剣と穂高に行きました (matsup)
2016-09-17 15:31:15
じろさま,

再び昔のブログへのコメントお許し下さい。

 実は,今年の夏,剣岳と前穂高岳・奥穂高岳に行ってきました。剣岳は早月尾根を日帰りで往復して13時間,穂高は重太郎新道から前穂高岳,吊尾根で奥穂高岳と歩き,穂高岳山荘に一泊しました。帰りは比較的ラクな涸沢から横尾,徳沢経由で上高地に戻りました。初日は8時間ほど歩きました。剣も穂高も,どちらも六甲全山縦走を何度も歩いた,という体力的な自信(というかある程度の体力はあるという保証みたいな感じ)がベースにありました。

 当然,山としては,高山ですぐに息が切れるし,高度感のある岩稜を登ったり下ったりする技術は,六甲とは別のものが必要だと思いますが,逆にそれだけの山だからこそ,最低限必要な体力の判断基準として,六甲全山縦走というのは一つの目安になると思いました。つまり,六甲全山縦走できたから北アルプスに行けるんじゃなくて,北アルプスに行くには六甲全山縦走できるぐらいの体力がある方がよい,と感じました。

 六甲全山縦走の距離に関しては,まぁ,45kmでも56kmでもそれなりに長く歩ける,という保証にはなると思いました。それだけ歩ければ,1日25kmぐらいはなんとかなる,という風に考えました(天候が悪化するとその限りではありませんが…)。いずれにせよ,私の場合は六甲がいろんな山につながっているように感じました。
お便り感謝! (じろさん)
2016-09-29 13:46:54
matsup様
ご無沙汰しております。
槍と穂高ですか、良いですね。
私は、もう30年も前になりますか、重いビデオカメラを担いで、北穂から奥穂へ縦走したのを思い出します。
今でしたらスマホで綺麗な動画がたくさん撮れますね。
小生の歳では北アルプスは可能性がないですが、六甲の全縦はチャンスがありますかね(?)
本年は摩耶山で越冬でしましたし、縦走にも再チャレンジしたいものです。
私の場合は、日々の散歩など、生活の多くが原郷である六甲遊歩に繋がっています。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。