紅葉座

be not a sheep, be a goat...

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2017年03月07日 18時57分57秒 | 更新(+雑記)

来週、マクロスⅡのレビューを出せたら出そうかなと。



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直木賞を受賞したから、というわけではないのだが、先日、恩田陸の『三月は深き紅の淵を』を読み終わった。

彼女の本は『図書室の海』『六番目の小夜子』『ユージニア』と読んできた。単純に「推理もの」というよりミステリー(もしくはファンタジー)ホラーといった雰囲気の話が多く、不可思議な出来事に関して、どうやら真相らしいことが分かりながら、本当にそれを受け入れていいのかと不安になるようなところがある。

この『三月は深き紅の淵を』は、まさにその『三月は深き紅の淵を』という幻の本にまつわる話を、四章立てで描いている。各章にその「小説」以外の共通項はなく、一貫した「主人公」というものも存在しない。強いて言えばその小説の作者がそうだと言えなくもないが、小説の存在からして曖昧模糊としており、作者とおぼしき人物も本当に「作者」なのか分からない。「答え」を与えられながら、それが本当なのか分からない・・・そんな仕掛けが施された作品である。

各章はそれぞれ別の舞台の話であり、それぞれが完結した短編集のような体裁になっている。その中で私が特に好きだったのは、第三章「虹と雲と鳥と」である。二人の女子高生の死から始まるこの話は、目を背けたくなるほどの醜さ、残酷さを描きながら、それでも最後にはかすかな希望を提示して物語を閉じる。思春期の少女の脆い美しさを描けるのは、作者ならではだと思う。

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