図書館の冒険

蔵書数約100万冊の図書館の書棚から出会った本を紹介するコラム的書評

「ハイウェイ惑星」は、車輪動物の話である

2017年06月14日 | Weblog
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ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)
本川 達雄
中央公論社



<動物の移動「走る・飛ぶ・泳ぐ」のテーマから
派生したのが

第六章「なぜ車輪動物がいないのか」だ

見回してみても、大・小に関わらず“車輪”を移動手段にしている生き物はいない
車輪は人間の偉大な発明だ 本書でも“自転車”は人間の使う陸上の移動道具のうちで、
もっともエネルギー効率の良い物であると書いている 

では、なぜこの効率的仕組みを採用している生き物がいないのか?

それは、車輪を効率的に活用する平坦な場所が自然界にはほとんどないからだ

それはそうだ 道を作るのは人間しかいない
道といっても舗装道路であるかどうかが問題だ 私がこどもの頃は、都内でも
砂利道がけっこうあった 雨が降ってぬかるんだりすると、歩くのはもちろん
車の往来もそこそこ大変であったと思う

つまり、車輪と平坦な道は同時に進化したのだ

その道=道路が先に整備されていたら、動物はどう進化するか
という極めて先進的な着想とテーマで書かれたのが石原藤夫の傑作「ハイウェイ惑星」だ

もう半世紀前に書かれたものと思えない
内容は、惑星探査の仕事を請け負う主人公コンビが発見した惑星が変わっていて
惑星表面を超技術で構築された高速道路(ハイウェイ)が覆っていて
なんと、そのハイウェイを自動車のように手足に車輪がついた動物が走り回っている
というものだ

どういう仕組みでこの進化が起きたのか? 
そして、その進化の先はどうなったか…… 本川先生もビックリの
怪しげまじめな「これぞSF」という、伝説的一作である

でも、道ありきであったら、こういう進化もたしかにありえるかもしれない
本書を読んでいると、生物の効率とデザインは真に、まだまだ人間の知恵が及ばない
(だって、進化の過程で自然に――最近は創発的というみたいだけれど――そうなっているんだから)
ものだなあと思うのだ
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