図書館の冒険

蔵書数約100万冊の図書館の書棚から出会った本を紹介するコラム的書評

ちょっと休憩 かくして、あれほど熱中していたSFから離れてしまったのだ

2017年06月15日 | Weblog
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猫のゆりかご (ハヤカワ文庫 SF 353)
カート・ヴォネガット・ジュニア
早川書房


このところ生物学に集中していたので、ここらでちょっと他の話題を

中学生――本当は小学生からと言いたいが、その頃は日本では“SF”という
ジャンルが確立されていない、空想科学小説の時代だ――の頃から
あれほど熱中してきたSFから、いつ頃、なぜ離れてしまったのか?

そんな、他人の趣向がいかに変わったかなんて興味ないよ……と、誰もが言いそうだが
自分の好きで書いているブログなので他人の意見など聞かないのだ

で、最近どうにもそのあたりの事情がひっかかってきてしまう
追及していくと、日本におけるSF文化史という論文が書けそうでもあるが
もちろん、そんな気持ちはさらさらないのだ

なんで「猫のゆりかご」か? カート・ボネガットなのか? ここへきて

最近WOWOWで見た「リクルート」というスパイサスペンスミステリー映画
がきっかけなのだ

リクルート [DVD]
クリエーター情報なし
ポニーキャニオン


ストーリーの中で老練なCIAリクルーター(アル・パチーノ)が、リクルート
相手(若い頃のコリン・ファレルだ)との会話の中で

“アイスナイン”を“カート・ボネガット”を
そして“猫のゆりかご”という小説を知っているか?

と、問うシーンがあったのだ
“アイスナイン”という特殊な物質により世界は全て凍りついてしまう、という
ストーリーエンドなのだが……云々とアル・パチーノの語り(セリフね)に

ふーん、そんなデザスター小説だったのか……と思い、さっそく図書館で借りた
カート・ボネガット(昔はJrがついていた)の名前は覚えていたが
その作品は全く記憶にない そもそも名前もカート・“ボガ”ネットだと思って
いたくらいなのだ

まあ、いつものことだからなあと思いつつ
念のため訳者あとがきを確認すると、名作のようだ
伊藤典夫訳は昔よくお世話になった懐かしい名前だ 
SF英訳本のデフォルトスタンダードだな

ただ何だかいやな感じ

はい!そのとおり、第一章から思いきりけつまづいた
全然面白くないじゃないか

そこで思い出しましたね この本が日本で出版された頃が
「SFもういいや」となった時期なのだと 1980年代初めのことだ
ちなみに、著書奥書の出版PRページを見ると
数十冊掲載されたどの作品も全く知らない 
「1980年代SFニューウエーブ」とか小見出しに書いてある
ああ、これだ! やっと思いだした、このいやな感じ

わけのわからない、つまらないSFがハヤカワや創元でラインナップされた頃だ
かろうじて強烈に記憶にあるのは「地球の長い午後」だけだ

地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)
ブライアン W.オールディス
早川書房


おお! そこで、はたと膝をうちましたね(ぱんぱん) 調べてみると
スティーブン・キングの中編「霧」がアンソロジー「骸骨乗組員」に収録され
発売されたのが1978年のことじゃないか 

当たり!

どのようなきっかけか思い出せないが、SFに相当愛想がつきていた頃に
スティーブン・キングの「霧」を読んだのだ

スティーヴン・キング短編傑作全集〈1〉骸骨乗組員 (サンケイ文庫―海外ノベルス・シリーズ)
スティーヴン キング
サンケイ出版


ちなみに、映画化された「霧」はラストが大きく捻じ曲げられ換骨奪胎されて
いるので見なくていいです(原作が誤解されるので)


「ここにSFが失ってしまったものがあるじゃないか」
まさに、興奮しながら読み終えてそう思ったのだ
その後、しばらくはホラー(海外)三昧が続くのであった
あの頃ワクワクドキドキして読んだ“SF”が戻って来る日があるのだろうか

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