きものがたり 着物が織りなす素敵な物語  じざいや的日常

着物で過ごす日常と元町の着物屋・じざいやのご紹介。
犬猫や食べもののことなぞも織り交ぜて。

黄色のお話。 カリヤス・紅花・コブナ草・・・

2011-11-05 18:14:51 | イベント

こんにちは じざいやのさくらこです。
横浜元町・普段きもののじざいやへようこそ!

 藤原益夫さんの創る無地紬の色は
 とても深くて それでいて濁りのない純粋な色です。
 色を作ることが 特別な仕事であった平安の頃には
 手間と時間を惜しまずに
 美しい色を染めることが求められました。
 ですから 藤原さんも
 手間や時間を惜しむことなく
 本当の色を求めて 当時の色の再現を目指しています。

 今日は その中から 黄色のお話を。
 
 中国において 黄色は大地を表す色として皇帝の色でした。
 古代ギリシャやローマでは 
 サフランの黄色が高貴な色とされていました。
 琉球では王家の色として庶民には禁色でした。
 黄色は黄金や太陽に通じる富と名誉の色であったのです。

 日本での黄色の代表はカリヤス。
 正倉院文書にも登場するイネ科の植物です。
 カルカヤのような植物です。
 近江刈安と呼ばれる滋賀県伊吹山産のものが
 最上とされました。
 それは 伊吹山山頂は高い木が少なく
 草原のようになっているため 刈安は紫外線を
 強く浴び それから身を守るために
 色素成分のフラボンを大量に含むからです。

 
 藤原益夫さんの 伊吹山の刈安染紬。
 平安の色を求めたら 染料の草も 出来るだけ同じ成分を持つ
 同じ産地にこだわるのが藤原さんの流儀なのです。

  
 黄八丈に使われる黄色も刈安ですが
 同じイネ科でも 八丈刈安、もしくは こぶな草と呼ばれる
 別の植物です。
 現在、「刈安染」と言えば 一般的にはこちらを指すことが多いです。

 刈安を使う染織作家さんは多いのですが
 ほとんどが栽培されたり 平地に生える刈安です。
 (丈夫な草で 雑草のように増えるのです・・・
  庭に生やしてる作家さんも多いです)
  
  山形の玉虫正直さんの 刈安(コブナ草)染綾織紬。

 もうひとつ、黄色の着物として有名なのは紅花です。
 5世紀ごろに日本に入ってたとされています。
 呉から着た藍(藍は染料の代表格で染料の総称でもありました)
 ということでくれあい、後にくれない、になりました。
 名前の通り 紅色に染める染料ですが
 赤を出す前に黄色の色素を出すので
 これを使って 透明感のある鮮やかな黄色を染められます。

 
 山形の新田さんの紅花紬、経よろけ櫛織り。

 

 黄色の着物はいろいろな帯を迎え入れます。
 グリーン系、茶系はもちろん、
 トーンを揃えれば紫とも 相性がいいですし 
 緋色もきれいです。
 薄い黄色には 水色やグレー、桜色も優しく沿います。
 年齢、季節、お好みに応じて
 多様な着こなしに対応してくれるので
 昔から愛されてきたのでしょう。

 新春は福寿草の黄色から始まって
 蝋梅、まんさく、水仙、タンポポ、菜の花・・・・と
 黄色い花が続きます。
 そして 秋には 銀杏が黄色く色づき
 菊や女郎花が黄色の花を咲かせます。

 1年を通じて 黄色は日本人の感性の中に息づいた色なのです。

 

 === 横浜元町・普段着物のじざいや 紬と木綿が得意です ====

 

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