Cafe シネマ&シガレッツ

30年代フランス映画
40年代米ミュージカル
戦後の日本映画
なんと贅沢!
黄金の輝き

★北ホテル

2007-03-28 | 映画30年代
何と「北ホテル」を250円で手に入れてしまいました!
名作ビデオは、DVDで観るよりよかったりするのです。時々500円DVDを買って「アレ?何か違う」と違和感を覚えると翻訳が違ってたりしてる分けで...いままでそんな事気にもとめてなかったのですが、岡枝慎二さん訳の「北ホテル」です。そのうえラッキーな事にこの間借りた店のビデオより、そして、初めて観た時のビデオより画質が綺麗。冒頭の河の流れ、出演者の人が着ている洋服の質感や模様、大好きなルイ.ジューベの明るく深い目の色、アルレッティのなめらかな肌の質感まで分かって超ラッキー!

てなことでビデオで「北ホテル」を観ました。よかったです!
舞台はパリのサンマルタン運河のほとりにある北ホテル。このホテルは、人のいい主人とママが経営しているということと、飲食店を併営していることで、下町の色々な人々が集まっているのです。小さな社交場とでもいいましょうか。
この夜も身近な人を集めて小さなパーティーをやっていると...暗い影を引きずった一組の男女、ピエール(ジャン.ピエール.オーモン)とルネ(アナベラ)が宿泊客として現れ...心中未遂?!
ルネを撃ったピエールは怖くなって逃走。そして自首。残されたルネも病院に運ばれ命をとりとめ、この北ホテルに戻ってきます。
純粋な愛を求め狂信的なまでのルネという若い女性、話題性と若さと美貌で「北ホテル」界隈でモテモテの存在になるのですが......警察に捕まった愛に懐疑的になったピエールを立ち直らせ、ルネは元の鞘に収まり、北ホテルから去って行く、というお話です。
ここで面白いのは今「...」の部分なのです。ルネに惹かれ口説こうとする男たち、それに関わってくる恋人や愛人の女たち。そんな中に、仲間に追われ身を隠しているヤクザな男がいるのですが(ルイ.ジューベが演じてます)、悪い男の純情とでもいいましょうか?たまんないです。一緒に逃亡している女(アルレッティ)に売春をやらせヒモのような生活しているくせに、彼女が警察に捕まっている間にホテルのメイドと関係を結んじゃうようなろくでもない男だけど、ルイに何か昔の自分を見て二人で旅に出ようとするのです。
船に乗り込む前の二人のやり取り、「愛してるって言って」と強要するルイに対して、恥ずかしがって「惚れたぜ」としか言えない彼はこそばゆいくらい可愛いです。
そして、パリ祭の賑やかな花火の音とともにこの世を去ってゆくあの心境。もうっ、カッコイイ~っ!!

「惚れたぜ!ジューベ」


(1938/仏/監督:マルセル.カルネ)


最新の画像もっと見る