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★音楽

2006-11-27 | 映画70年代
三島由紀夫原作「音楽」(1972/日)をケーブルテレビで見ました。
いやあビックリ!!
70年頃って本当に妙ですな。たまたま見たのがそうなのか?そういう時代なのか?ちょっと不思議なトンデモ映画でした。
~女性の性と心理の奥に鋭いメスを入れた三島文学を映画化した、増村保造監督のATG作品~ と、いうだけあって裸とHシーンのオンパレード?!そして、あのミニスカートやフリフリファッション!ひとつ間違うと笑いを誘うあのテンション!実は笑うシーンでない場所で大笑いしながら見ていました。ただ最後はちょっと胸にこたえたのは確かです。
精神科に通う不感症の女。その女の不可解な言動を精神科医が解いて行く話でした。

幼くして父親を亡くしたその女はヒステリーで嘘つき。恋人と体を重ねても何も感じない。恋人を嫉妬させるために、精神科医とやりもしないセックスを手帳に書いてしまうような女。彼女の症状のひとつは音楽が聞こえないという事。これがタイトル「音楽」の由縁なんですが、悦楽に達すると音楽が聞こえるらしいのです。正常な恋人とは何も感じないのに、死にそうな病人や不能者と肌を寄せると、「ああ、音楽が聞こえる!ああ、感じる!感じるわ~っ!」と、女は身悶えするのです。なな、何じゃこりゃ~っ!変態だ~っ!と、あまりに突飛で本気な事態なので、爆笑せずにはいられないのでした。ただ、彼女がそうなった本当の原因を知った時には、愕然としました。どうしようもない兄、への恋慕。禁じられた愛の行為。そして終焉。切なかったです。
ただここはやっぱり70年代!不感症が完治したであろう彼女、そして恋人に「もう治りました。今夜は彼女をモーレツに愛してやりなさい」と主治医が心優しく言うのです。モーレツですよ、モーレツ!オチがついたところで。。。70年頃ってどこまで本気なのだろう?全部が本気?なんだろうな。エロ グロ ナンセンス でも本気。面白いなあ。




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