Cafe シネマ&シガレッツ

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★カビリアの夜

2006-11-04 | 映画50年代
フェデリコ.フェリーニ監督の「カビリアの夜」(1957伊)をビデオを借りて再見しました。
何年か前に「道」を見て感動のあまり、監督も同じだしジェルソミーナ役のジュリエット.マシーナが主演しているというので見た作品です。その頃は「道」の印象があまりにも強すぎたために自分の意識の奥底には残らなかったのですが。。。再び見てよかったぁ!秀作!マシーナ扮するおチビな街娼、カビリアの強がりが、生きるための健気さに感じて胸がキュンキュンしました。

カビリアは、ローマ郊外に小さな家(本当に小さくて一見公衆トイレのよう)に住んでいる街娼。男に騙されて金を盗まれたり殺されかけたり。でも元気に生きている。言葉では「今の生活に満足しているの」というものの、心の奥では心底今の生活から抜け出したいと思っている。そんなある日、カビリアは運命の男性と出会う。。。そして!?
簡単に言うとこんな話です。ラスト、幸せになれるかどうかは見てのお楽しみ。
ただ見所は、最後がどうなるか?っていうことだけじゃなくて、映画の中で見え隠れする娼婦カビリアの本当の願い。

いつも強がって堂々と生きてる。まわりの仲間はみんなグラマーだけど、そんな事はかまいはしない。真っ赤な口紅つけて、黒々と描かれた逆ヘの字眉毛はまるで蛾の触覚。有名なスターに買われれば娼婦仲間に自慢したがるし、恋人が出来ればやっぱり自慢する。でもおチビさんの彼女はどこか滑稽に見え、子供っぽくて可愛い。
そんな生活が続いているある日。祈れば何でも願いが叶うという聖マリア様の祭へ、仲間と訪れた時!マリア様の前にひれ伏して切に祈るのです、涙さえ流して。「今の生活を変えて下さい!!」
そして、何も変わらない事に腹を立てたカビリアが、一人訪れた劇場でのこと。
中では妖しげな催眠術師がお客に術をかけて楽しませています。
カビリアは娼婦と承知で壇上に上げられ術をかけられます。この壇上でのシーンの美しい事!!
催眠術では、カビリアを幻想の恋人と踊らせたり散歩させるのですが、花輪を頭にかぶせられたカビリアが真剣に純粋に、居もしない幻想の恋人に「本当?本当に私を愛してるの?」との問いは切なく美しく少し滑稽で可憐。たまらないです!!よい~っ!!

ただラスト、釈然としないなぁ。こういうのネオレアリズモっていうのかな?う~む。



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2 コメント

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Unknown (映画好き)
2006-11-14 02:43:29
ホントに絵がうまいと思います。気持ちがちゃんと出ていますから。気長にがんばってやってください。
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コメントありがとうございます (シガレッツ)
2006-11-16 14:02:50
どうもありがとうございます。始めて満2ヶ月。コメントやトラックバックがあまりなく寂しくなった矢先でしたのでとても嬉しいです。気長にやっていきます。よろしかったら又来て下さい。
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