京大俳句会 KYODAI HAIKUKAI 「自由船」

京都大学を拠点に活動している京大俳句会のオフィシャル・ブログです。

第94回「京大俳句会」句会作品

2016-12-28 21:54:15 | 日記

「刻に縛られて」(Photo by Takeshi Miyamoto)

第94回「京大俳句会」句会作品
と き 2016 .12 .17(土)
ところ 左京区田中神社

5得点句
鉄棒の少年は北風を巻く     託志

3得点句
喪の部屋に冬は沈着しつつある  託志
雨だれを数え微睡む年の暮れ   奇散人

2得点句
恋を吸ふストローもなくイブなんて  武史
食ひこぼし飯粒拾ふ底冷えや     久々
ばか烏あほう一声ご挨拶       屋根屋の褌
隙間風心に着せる布もなし      竹明庵
吹き止んで冬の星座の動き出す    おるふぇ
静けさを摑んで放つ鷹の声      水澄子

1得点句
遠い日の真珠湾また漱石忌      信一
初火事や燃ゆ雪の果を見てゐたり   夜汽車
愛宕嶺や風受今ぞ巣立鳥       守康
赤道の機内に熟睡(うまい)毛皮帽   幸夫
貝静か有明海の虎落笛        おるふぇ
ひとくさり文句を述べて除夜の雪   丁稚一号
耳朶の奥賢治のセロが聞こゆ冬    ハメさん
肥後の湯や没後100年漱石忌    正臣
初雪の初雪らしく歩みけり      水澄子
瞑想の果てなき刻や冬銀河      康博
部屋干しは加湿器なりと居候     博
雪まとい読経聞きいる百羅漢     守康
ひつそりとじいちやんばあちやんゆきぼたる  久々

無得点句
戦争の音の聞こゆる歳の暮      ハメさん
薄雲を被きしままに山眠る      ムーミン
悲しきは高きに登り笛を吹く     幸男
大鷲よわが愛の日のイマジンよ    マーシャ
虹立ちて神さぶ朝のしぐれ哉     夜汽車
七福神求人したらサンタ来た     丁稚一号
ボブ・ディラン羽搏き止まず鷹の空  マーシャ
お歯ぐろの残る路地あり一葉忌    洋子
聖夜來る煙突太き森の家       ムーミン
そこはかとなく自食の匂ひくすり指  武史
妻に沿う眼玉刳り貫く北下し      幸男
木枯や家内外の試練受く        泰夫
寒し紙のマーブル模様におぼるるは   吟

[補遺]
柚子湯浴び終える一日見届ける     明美
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今日の一句 (楽蜂)
2017-01-03 21:48:30
今日の一句

 戦争の音の聞こゆる歳の暮  ハメさん

NHKの「新映像の世紀」-時代は独裁者を求めたーは、印象深いナレーションで終わる。ヒットラーはその自殺の直前に次のように言ったそうである。「ナチズムはもう終わりだ。だが100年後には、宗教のように必ずそれは復活するだろう」

あれから、まだ100年も経っていないが、世界のいたるところで全体主義がはびこっている。第2次大戦でファシズムと戦ったアメリカ合衆国でも、トランプが大統領に選ばれた。ヒットラーも、ワイマール憲法下の選挙で国会において首相となった。ファシズムは我らが内にひそんでいるのであろうか? 戦争の足音がきこえてくるというハメさんの掲句も悲しいことに納得できる。全体主義は内部の矛盾を必ず外部に転換するものである。

ところで、独裁者ヒットラーをうたった俳句などないと思っていたが、調べてみると山口青邨にあった。青邨がヨーロッパに留学中、ドイツでよんだ一句である。
 
  ヒットラーが笑みこぼしつつ収穫祭 青邨

前書きがあって「毎年十月第一日曜日、全ドイツを挙げて収穫感謝祭を行う。ヒットラーはビュッゲルブルグという田舎町に出向き全国より集い来る農民に演説をなし交歓」とある。1937年(昭和12年)の話で、前年にドイツはラインランドに進駐し戦争のキナ臭さは漂っていたが、ヒットラーの笑みの中に、その後に起こるホロコーストや侵略戦争の野望を見抜く人は少なかった。青邨にも、ヒットラーは人のいい政治家のおっさんにしか見えなかったのであろう。この句は青邨の句集「雪国」に収録されている。

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