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【WSJ社説】中国のイスラム恐怖症 。新疆ウイグル自治区で新たな抑圧政策

2017-06-16 21:17:48 | 民族・人種問題

中国のイスラム恐怖症

新疆ウイグル自治区で新たな抑圧政策

 中国政府は新疆ウイグル自治区でまたも、イスラム教の平和的な行事であるラマダンを制限している。政府職員は

今年、断食などのラマダンの活動に友人や家族を参加させないよう求められている。世界ウイグル会議によると、少数

民族であるウイグル民族の家庭で政府幹部が生活するケースまでみられる。


 事態は今後エスカレートするかもしれない。5年にわたりチベット自治区のトップだった陳全国氏が、昨年8月に

新疆ウイグル自治区の党委書記に就任したからだ。陳氏はチベットで他に先駆けて社会管理システムを導入しており、

このシステムのおかげで政府は家庭を密に監視できる。


 国営メディアによると、ウイグルでは2016年に治安予算が19.3%増加して44億ドルを上回り、新たに3万人の警官

が採用された。陳氏は今年2月、治安が「ひどい」状況だと述べ、「テロリストやギャングの死体を人民の戦争の広大な

海に埋める」よう人民武装警察部隊を促した。これでは人心をつかむことなどできないだろう。


 4月に施行された過激派対策の新たな規則では、ベールや「異常な」ひげは違法とされている。親が子供に、ムハンマ

ドといった「過度に宗教的な」名前をつけたり、イスラム教を信仰するよう勧めたりすることはできない。ウイグルの全住

民が昨年後半にパスポート返還を強いられ、新規申請時にはDNAのサンプル提出が必要になった。


 このほか、テロ対策訓練、治安部隊による示威行為、自動車への衛星追跡装置の設置といった動きがある。必須の

活動をあえて金曜日に組み込んで生徒がモスクでの礼拝に参加できないようにしたり、ひげの男性やベールをかぶった

女性を通報した者に報酬を与えたりもしている。


 ウイグル人に対する管理は宗教の範囲をはるかに超えている。学校でウイグル語の使用が制限されているほか、経

済的な機会は限られている。いい仕事は、優遇措置につられて移住してきた漢民族のところに行く。意義を唱えれば、た

だではすまない。ウイグル民族の急先鋒(せんぽう)である中央民族大学のイリハム・トフティ教授は、分離・独立を呼び

かけたとして14年に終身刑を宣告された。


 09年に区都ウルムチで200人近くが死亡する暴動が起きて以来、ウイグル人が漢民族を攻撃する事件が散発的に

続いている。ホータン(和田)市では今年2月、刃物を持った男3人が5人を殺害した。自宅で礼拝していた一家が罰せら

れた後の事件だった。大半の攻撃は衝動的で計画性は乏しいようだが、中国政府は海外のテロ集団が指示していると

主張する。


 だがウイグルのテロリストに対する中国の懸念は、その懸念そのもののせいで現実になる恐れがある。ウイグル人が

国から逃げ、一部が過激化している。過激派組織「イスラム国(IS)」が2月に公開した動画に登場したウイグル人戦闘

員は、中国の川が血で染まると脅している。中国政府の反イスラム政策は、インドネシアなどのイスラム教諸国でも反

発を呼んでいる。


 中国の当局者は相変わらず、ウイグルで暴力事件が起きるたびに抑圧を強めて対応している。歴史的に穏健なウイ

グル人によるイスラム教の平和的な活動を制限することで、中国政府は国内の安定を脅かす危険な道を進んでいる。


世界ウイグル会議(World Uyghur Congress

世界各国のウイグル人組織を統括する上部機関。ドイツのミュンヘンに拠点を置く。

 

東トルキスタン及び海外のウイグル人の利害を代表する唯一の国際機関を標榜し、平和的および暴力的手段によるウイグル人の政治的地位確立を主張している。一方、中国政府は「テロ組織と関わり、中国の分裂を狙っている」と批判している。加盟組織は20を超え、在外ウイグル人組織では最大の運動組織である。

 

世界ウイグル会議とは別個の亡命ウイグル人組織・東トルキスタン亡命政府が中国からの明確な独立を主張しているのに対し、世界ウイグル会議ではウイグル民族の民族自決権の確立(「独立した政治的前途の獲得」)を主張して、独立か高度な自治権獲得かについては含みを持たせている。ラビア・カーディル議長はダライ・ラマ14世と会談した際に暴力的手段に訴えず高度な自治権を獲得することで一致している。(Wikipedia)

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【WSJ社説】ラマダンも踏みにじる中国政府

ウイグル族難民はタイでハンスト

 

 

 新疆ウイグル自治区政府は先週ウェブサイトで、「中国共産党員、幹部、公務員、学生、未成年者はラマダンに断食し

てはならず、宗教活動に参加することも禁じる。ラマダンの1カ月間、飲食店は休んではならない」と通達した。さらに、学

生と教師がモスクに入ることも禁じている。このほか先週時点で、少なくとも一つの県の住民はパスポートを申請する前

に、警察に指紋とDNAのサンプルを提出することが義務付けられていた。

 

 中国国務院(内閣)は先ごろ、新疆ウイグル自治区の宗教の自由は「歴史上の他のどの時期よりも認められており」、

ラマダンの行事に現地当局が「干渉することはない」と断言したが、とんでもないことだ。実際のところラマダン期間中の

弾圧は、イスラム教徒の女性がベールをかぶることや男性があごひげを生やすこと、ウイグル語を学校で教えることな

ど、自らの独裁政権を脅かしていると共産党が考える宗教的・民族的アイデンティティーを示すものを制限するという中

国が長年やってきたことと何ら変わりはない。

 

 ウイグル族はかつて新疆ウイグル自治区で圧倒的多数を占めていたが、中国政府は数十年にわたり漢族を同自治区

に送り込んでおり、現在、両民族の比率はほぼ半々となっている。当局による漢族びいきや、ウイグル族のアイデンティ

ティー抑圧策は激しい反発を招き、新疆ウイグル自治区内外で治安部隊が襲撃され、テロ事件が発生している。中国政

府は、ウイグル族の人権活動家をすべて分離主義者とテロリストに仕立て上げている。同自治区のエネルギー資源と、

中央アジアに近いという戦略的な意味合いの重要性が高まるにつれて、ますます神経をとがらせている。


 その影響の一つがウイグル族難民の増加だ。タイでは14年以降、70人以上が身柄を拘束されている。そのうちの

約半数が5月31日にハンガーストライキを開始し、6月6日に公開書簡を発表した。「タイ政府は、強制送還に伴う虐待

や拷問、投獄の差し迫った脅威からウイグル人を守るのではなく、140人以上の同胞を中国に強制送還した」とし、タイ

当局と国際社会に自分たちの権利の尊重と身の安全確保を訴えた。

 

 タイでは、昨年8月にバンコクの繁華街で起きた爆弾テロ事件で逮捕されたウイグル人2人の裁判が行われている。

中国人観光客を含む20人が死亡し、120人余りが負傷したこの事件が難民の窮状に拍車を掛けている。

警察は、2人がタイ当局による人身売買ネットワークの取り締まりに抗議するためにテロを行ったとしている。ただ、

2人は無罪を主張している。 


 しかし、ウイグル族難民がハンガーストライキを行うに至った背景にあるのは、新疆ウイグル自治区での中国政府の

弾圧行為と、反体制派が身を隠そうとするタイや香港などの国外にまで弾圧の手を広げようとしていることだ。中国政府

の人権侵害は世界中の政府、そしてイスラム教徒の権利を含む人権保護を訴えるあらゆる人々への挑戦だ。

 

 ラマダン迎えたイスラム教徒

 イスラム教徒が日の出から日没まで食事を断つラマダンが世界各地で始まった。

インドネシア・アチェのイスラミック・センターではラマダン入り前夜に礼拝が行われた。


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