EMERALD WEB ≪拝啓 福沢諭吉さま≫

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劉暁波氏死去と日中関係。日本の立ち位置。日本は民主主義国家として人権尊重を世界に訴えるべき。

2017-07-15 10:08:07 | 日中関係

朝日新聞や左翼たちは人権、人権と騒ぐのにこの問題はスルー

売春婦の人権は大事だが、民主化運動家の人権はどうでもよのだろう。

劉氏のことで騒ぎ立て、日本が動いたら日本政府の株は上がる。死んでもそんなことはしないでしょう。

劉氏側も近い日本での治療を希望をしていたのだから、駐中日本大使館、外務省、政府と連携し一番に声を上げるべきでした。

劉氏については急に公表されたことで、こういう突発的な事態に日本上げの最善の道を選ぶ能力に外務省は欠けているようです。(軍艦島世

界遺産登録で当日韓国が裏切った時の対応も)

「人権」踏み込まず=中国への刺激避ける-劉暁波氏死去で日本政府

2017/07/14-20:26    時事通信

 中国の民主活動家、劉暁波氏の死去を受け、日本政府は、中国の人権状況に関する批判に踏み込むことを避けている。

日中関係改善や対北朝鮮での連携などを考慮し、中国指導部を刺激したくないとの判断が働いているようだ。


 「引き続き高い関心を持って中国の人権状況を注視していきたい」。菅義偉官房長官は14日の記者会見で、「注視」という表現を

繰り返し、劉氏を長期間投獄していた中国当局に対する直接的な批判は口にしなかった。


 ただ、日本も先進7カ国(G7)の一員として、中国共産党による一党支配の下での人権状況に一定の懸念を共有している。

岸田文雄外相は会見で「自由、基本的人権の尊重、法の支配は国際社会の普遍的価値で、中国でも保障されることが重要だ」と

指摘。劉氏の夫人の処遇に関しても「適切な対応がなされるべきだ」と述べた。

 

 とはいえ、末期がんを患っていた劉氏の受け入れを働き掛けていたドイツや米国などと比べると、日本政府は劉氏支援に

及び腰だった。日中外交筋によると、劉氏周辺では日本での治療を希望する声も出ていたが、日本側が熱意を持って動いた

形跡は見られず、日の目を見なかった。


 日本は中国と東・南シナ海問題で対立する一方、核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮への圧力強化では中国の協力を

取り付けたい考え。先のドイツでの日中首脳会談では、関係改善に向け対話促進を確認した。 


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「劉暁波、危篤」の報に“日本無策”の無念

「邦人返還」も急務、今こそ人権外交で品格を示せ

2017年7月12日(水)  日経ビジネス(福島 香織)


 7月10日、ノーベル平和賞受賞者で民主化活動家の劉暁波は危篤状態に陥った。日本が、距離的に彼に一番近い医療先進国でありながら、

何も言わず、何の行動もとっていないことが悔しくてならない。G20ハンブルグ・サミットは、激しいデモやハンブルグの厳戒態勢が話題になるばかりで

中身はあまり大きな成果があったというものではなかったようだ。

特に首脳宣言では北朝鮮問題が盛り込めなかったし、劉暁波の人権問題についても言及されなかった。


なぜ治療を引き受けない? 邦人12人の安否は?

 

 要は両方とも中国に“配慮”した結果だろう。あるいは米国の影響力低下、というべきか。こういう米国の影響力が低下したときこそ、日本の

外交に期待したいところなのだが、G20に合わせて行われた日中首脳会談も、はっきりいって中身がなかった。

 


 日中関係は今まだ改善の時期にきていないのだ。12人もの邦人が「スパイ容疑」という名目で人質に取られているのだ。実際のところ、改善

の兆し、などと浮かれる場合ではなかろう。

 


 それよりも、トランプ外交のオウンゴールで、妙に強気になっている中国に対して、日本がどのような姿勢をとるかを、むしろ中国は見定めよう

としているのではないか。トランプの顔色を見ながら姿勢を決めるのであれば、こんな情けない話はない。

 


 個人的な感想をいえば、安倍晋三が、習近平に対して直接、劉暁波の治療を日本で引き受けたい、とストレートに言えばよかった。

ドイツと米国は一応は、政府として劉暁波への関心を示し、医師も派遣した。ドイツ首相のメルケルは習近平に劉暁波のドイツ治療受け入れを

数度にわたって直接伝えた。

安倍はなぜ、ドイツよりも日本の方が飛行機の搭乗時間が短く、劉暁波の体力的にも日本での治療が最適だといわなかったのだろう。

劉暁波の妻、劉霞は当初、日本のがん医療について、期待を述べていたのだから、日本政府としてすぐに反応してよかったはずだ。


 劉暁波について、簡単に振り返っておこう。

 

 吉林省出身で、元北京師範大学文学講師。天安門事件当時は米国留学を切り上げて帰国し、民主活動に身を投じ、四君子と呼ばれる民主

活動指導者の一人でもあった。


 事件後は反革命罪で投獄され、1991年出所後も他の指導者のように海外に亡命せず、国内で人権と民主を主張続け、さらに二度の投獄、

強制労働収容を受けた。その後も、国内にとどまり、2008年12月の「世界人権宣言」60周年のタイミングで発表された、中国の民主化を求め

る「08憲章」の主な起草者として再び国際社会の注目を浴びる。


 だが、これを理由に身柄拘束され、2010年2月に「国家政権転覆扇動罪」で懲役11年の判決が下され、4度目の投獄の身となった。この年

の秋、獄中の身で劉暁波は「中国の基本的人権のために長年、非暴力の闘いを貫いた」としてノーベル平和賞を受賞し、中国の民主と人権の

闘士としての象徴的な存在となった。


 彼は、海外への亡命機会もあり、また米国はじめ多くの外国政府が受け入れも表明していた。だが、中国への影響力を保ち続けるために国

内にとどまることを選択した。

 

待望の出所を前に、末期がん診断の衝撃と疑惑

 2019年には刑期を終えて出所することが期待されていた。あと2年待てば劉暁波が帰ってくると、世界の華人人権活動家がどれほど心待ち

にしていただろう。在米亡命華人民主活動家の楊建利に以前、インタビューしたとき、彼は今の中国の民主化運動の一番の問題として、影響

力のある誰もが納得できる指導者の存在の欠如を憂いていた。例えばチベットにおけるダライ・ラマ14世のような存在である。中国の民主化

活動においても、実のところいろいろ派閥や対立もあるが、それを超えて、一つの目的に向かって人心をまとめられるリーダーが必要だ。楊建

利は「たとえば、劉暁波なら、」と期待をにじませていた。


 つまり、劉暁波は、中国の民主化活動家たちの希望の星であり、逆にいえば習近平政権にとって目下、もっとも危険な人物であった。


 だから、2017年6月末、劉暁波が末期の肝臓がんと診断されて、突如、遼寧省錦州市の監獄から病院への仮出所が認められたことについ

ては、世界中で衝撃と疑惑が走った。


 まず衝撃だったのは、劉暁波の病状が極めて深刻であったということだった。がん細胞は骨に移転し、体中に散らばり、腹水がたまり、もはや

手術も、化学治療、放射線治療も不可能。いわゆる終末医療の段階に入っているという。ここまで病状が悪化するまで、放置されたこと自体

が、服役者の重大な人権侵害であるといえるだろう。


 劉暁波と長年の付き合いがある北京万聖書園のオーナーの一人、張煥萍が、インターネット上でこんな見解を示している。


 「劉暁波は6月初めに腹痛を訴え、錦州監獄から瀋陽の病院に送られて、やっと肝臓がん末期だと診断されたという。しかし、これは遼寧監

獄管理当局の公式発表だ。実際は5月23日に肝臓がん末期の診断が下され、監獄の外の病院での治療が認められた。だが、国内の専門医

が招集されて、すでに集中治療が開始されているというが、実際の状況は非常にお粗末である」


「これは不作為の謀殺ではないか?」

 末期がん発表は唐突すぎた。実際のところは、2016年および今年2月に2度にわたって肝臓部CTスキャン検査を受けている。その結果につ

いては公表されていないし、本人および家族にも伝えられていない。いくらがんの進行が速いとしても、この段階で本当は肝臓がんであること

が分かっていたのではないかと疑われている。だとすれば、この一年、本格的治療が故意に延期されたのではないか。


 そういう意味では、これは「謀殺」ではないか、という疑惑も浮上している。


 人権活動家として思想の自由のためのサハロフ賞も受賞している胡佳は自身も投獄中に肝硬変を患った経験から「病院から検査や薬の投

与を受けられても、その検査結果などは本人に知らされない。だから、自分自身で飲食物や健康に注意することもできない。もし、当局が意図

的に、劉暁波の病状を放置していたとしたら、これは不作為の謀殺ではないか?」と非難している。


 劉暁波と親交のある在米亡命作家・余傑によれば、劉暁波は収監される前の2008年当時は精力にあふれた健康体であった。体を壊したの

は投獄以降であり、獄中における迫害と病気の因果関係が疑われている。余傑も「中国共産党による慢性的謀殺」という見方を香港メディアに

語っていた。趙紫陽の元秘書、鲍彤も「いきなり肝臓がん末期、という発表が荒唐無稽。監獄管理当局の職務怠慢でなければ医療事故。いず

れにしても当局の責任が問われるべきだ」と悲憤をもって訴えている。

 そもそも、肝臓がんにかかったのはまったくの偶然なのか、獄中での食生活や迫害などのストレスとの因果関係がないのか、あるいは、肝臓

に悪影響を与えるような薬物投与がなかったのか、そういった疑いも持たれている。なぜなら2015年の709事件(7月9日から始まった中国の

人権派弁護士ら300人以上の一斉拘束・逮捕)では、拘束された弁護士たちが、明らかに怪しい薬を無理やり投与されたという証言が出てき

ているからだ。


 釈放された弁護士たちの証言を総合すると、病気の症状がないのに、高血圧や統合失調症といった診断が下され、無理やり何十錠もの薬を

大量に飲まされ、そのあとに意識がもうろうとしてしまったという。薬の過剰投与が肝臓への悪影響を与えることはいわずもがなだ。

釈放された弁護士の中には、李和平のように、頭髪が真っ白になって、わずか2年で見る影もないほど面がわりしてしまったり、その弟の李春

富のように精神に異常をきたしている者もあり、中国の拘留・投獄中の虐待・拷問のものすごさがうかがえる。

このコラムでも何度か繰り返しているが、習近平政権になってからの人権派弁護士や民主活動家への迫害は、文革以来のすさまじさである。


なぜG20で出国治療問題はスルーされたのか

 劉暁波については、中国当局はこうした疑惑を打ち消すのに必死で、劉暁波が獄中で、きちんと健康診断を受けている様子や、20年前から

B型肝炎の診断を受けていると認めた様子、監獄の待遇に感謝を示している様子などの出所不明の映像が、インターネット上で流れている。

これは中国側にしてみれば、劉暁波に対して獄中で人道的な待遇を行ってきたことの根拠となるわけだが、中国がそういうアリバイ映像を準

備していた可能性も当然あるわけだ。

 

 こうした疑惑がある以上、国際社会は、劉暁波に海外の先進国での出国治療を受けさせ、本当に「謀殺」でないかどうかを、きちんと見極めな

ければならないはずだ。まずは劉暁波を安全安心な場所に移して、意識のあるうちに真実を証言する機会を設けなければならなかった。

だから、中国も出席するG20ハンブルグ・サミットで当然、このテーマも取り上げられると国際人権団体も中国の人権派の人々も期待していたこ

とだろう。


 だが、結果を見れば、G20で劉暁波の出国治療問題は完全にスルーされた。

習近平とのバイ会談で、ドイツ首相のメルケルだけが劉暁波の受け入れ治療を表明した。

中国が劉暁波を出国治療させない表向きの理由は、「飛行機による移送の安全が保障されない」である。

しかし家族は、出国治療を強く望んでおり、この表向きの理由に納得していない。

中国の劉暁波医療チームに派遣された米独二人の医師は、適切なサポートがあれば飛行機での移送が可能、としている。そこで、地理的に中

国に一番近い日本が、積極的に治療受け入れの名乗りを挙げるべきだった。


「人権問題」解決へ、日本の品格を示せ

 人道、あるいは人情という意味で、迫害されて瀕死にある偉大な民主化活動家を助けたいと思うのは人として当然である。だが、それと同じく

らいに、国家利益の観点からも人権外交というのは非常に大切であるということを日本政府はもっと認識すべきだろう。


 日本は今まで、ほとんど人権外交というものをやってこなかった。それは人権といえば米国や欧州がまず先頭にいたからだ。

だが、トランプ政権になって米国が人権問題にほとんど関心がなく、ドイツも含めて欧州も中国との経済関係を重視するあまり、人権問題をさほ

ど言わなくなってきた。


 一方、日本は中国と関係が冷え込んだままで、習近平の顔色を見る限り、回復の兆しは期待できない。そういう時期だからこそ、日本が人権

外交の先頭に立つチャンスだったはず。外交で最大の武器は軍事力と経済力であるが、軍事と経済が多少劣っていても、国際社会から一目

置かれる国家の品格、ふるまいというのがある。人権外交とは国家の品格を国際社会に印象付ける一つの重要な手段であり、最近の欧米国

家が品格などなりふり構わなくなってきた今こそ、日本の人権外交がより効果を発揮するのではないだろうか。


 そして忘れていけないのは、中国で今拘束されている12人の日本人「スパイ容疑者」も不当逮捕であり、人権問題であるということ。

北朝鮮にはいまだ帰ってこない日本人拉致被害者がどこかにいる。日本人の人権問題も中国や北朝鮮には存在するのだ。

日本政府は、おそらく水面下で中国や北朝鮮で拘束の身の日本人の救出のために、でき得る努力を行っているのだと信じている。

だが、こうした問題を解決するには、国際社会に共感を持ってもらうことが必要だ。ならば日本も外国における人権問題にもっと共感をもつべき

だろう。劉暁波の件は、日本がやるべきことをやらなかった外交失点だ。肝に銘じてほしいと思っているのは私だけではないと思う。


福島香織

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。おもに中国の政治経済社会をテーマに取材。

◇主な著書

『中国絶望工場の若者たち』(PHP研究所) 2013

『中国「反日デモ」の深層』(扶桑社新書) 2012

『潜入ルポ 中国の女』(文藝春秋) 2011


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