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副皇太子が皇太子へ昇格で、サウジの冒険主義強まるか。 ムハンマド新皇太子は大胆な変化の象徴

2017-06-22 20:17:13 | アラブ諸国

副皇太子が皇太子へ昇格で、サウジの冒険主義強まるか

ムハンマド新皇太子は大胆な変化の象徴

2017 年 6 月 22 日 13:01 JST    THE WALL STREET JOURNAL

――筆者のヤロスラフ・トロフィモフはWSJ中東担当コラムニスト

***

 一層の混乱に備えたほうがいい。サウジアラビアの王朝闘争は終わった。権力は事実上、若い王子たちに渡された。

彼らは誰が中東のボスなのかを示そうと決意している世代だ。


 21日サウジの新皇太子に任命されたムハンマド・ビン・サルマン副皇太子(31)は、父親サルマン国王(81)の後継者

になる。かつて地味だったサウジは過去2年間で大胆な変化を打ち出しているが、新皇太子はその顔とも言うべき人物

だ。


 ムハンマド新皇太子は若くしてイエメン内戦を画策し、痛みを伴う経済改革を提唱し、イランへの果敢な対抗策を扇動

してきた。最近では小国カタールを中東で孤立させるサウジ主導の作戦を推進した。


 新皇太子のいとこのムハンマド・ビン・ナエフ皇太子(57)は、内相を含むすべての公職から解任された。ナエフ氏はこ

れまで、サウジの権力中枢において慎重さと経験を重視する代弁者であり、性急なムハンマド副皇太子(当時)の動きを

けん制できる人物とみられていた。


 ナエフ氏が去った今、サウジは中東地域で一段と冒険主義的になる公算が大きい。


 「ムハンマド新皇太子は、国内の社会変化を固めるためにサウジのハイパーナショナリズム(極端な国粋主義)を活用

したがっている」。ワシントンのシンクタンク、アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のサウジ専門家アンドリュー・

ボーエン氏はこう述べた。「極めて強情で頑固で衝動的で、よりナショナリスト的な指導者をその地位につけるのはリスク

がある」とし、「ムハンマド・ビン・ナエフ前皇太子は慎重で、思慮深く、現実的だった」と語った。


解任された前皇太子は、若きライバルのムハンマド氏を公に批判しなかったが、もっと伝統的なサウジのアプローチを

支持していた。それは、舞台裏で行動し、カタールやイランとの関係を含めて地域的コンセンサスを構築するという姿勢

だ。


 これとは対照的にムハンマド新皇太子は、アラブ首長国連邦(UAE)の実質的支配者でアクティビスト(行動主義者)的

なムハンマド・ビン・ザイド氏(アブダビ皇太子)と緊密な関係を持っており、サウジの軍事力や財力を誇示することを提

唱してきた。


 サウジの政治評論家で実業家でもあるアハマド・アル・イブラヒム氏は「イエメンの戦争であれ、対カタール関係の最近

の混乱であれ、サウジはもっと断固たる行動をみせるだろう。外交政策はよりオープンでダイナミックになるだろう」と述

べた。


 もっとも前皇太子は最近数カ月間、内相として担当する治安の分野以外ではほとんど権限を行使しなかった。これは、

今回の皇太子交代に伴う権力固めにもかかわらず、サウジの行動が多くの専門家が予想するほど大きく変化しない可

能性を意味する。そう分析するのは、米シンクタンク「大西洋評議会」の非常勤フェローでサウジ問題アナリストのムハン

マド・アルヤヒャ氏だ。


 「外交政策、経済政策、そして国防の面で地殻変動が起きるとは思えない。ムハンマド新皇太子はかなり長い間こうし

た分野を担当してきたからだ」


 確かにムハンマド新皇太子は過去数カ月間、若い王子たちを政府の要職に任命(弟の駐米大使任命を含む)すること

で自らの権力を拡大していた。ムハンマド・ビン・ナエフ皇太子の解任は時間の問題にすぎないとみられていた。


トランプ政権の出方は

 だが、これほど早く解任されると予想する人はほとんどいなかった。リヤド駐在の西側外交官の共通認識は、ムハンマ

ド副皇太子が皇太子に昇格するには幾つかの実績を示すことが必要というものだった。


 イエメン内戦がこう着状態にあり、カタールが屈服を拒否し、サウジ政府が不人気の緊縮措置の撤回を4月に余儀なく

されるなかで、唯一の成功例はムハンマド副皇太子がドナルド・トランプ米大統領と意外にも温かい関係を築いたこと

だ。トランプ氏は昨年の大統領選挙運動でサウジを繰り返し批判していた。


 ムハンマド氏は3月にホワイトハウスを訪問し、5月にリヤドで開催予定だった中東地域首脳会議にトランプ大統領が

出席する道を開いた。トランプ氏はこの首脳会議で、サウジがイスラム世界全体を主導するとの主張を追認したように

みえた。サウジとその同盟諸国が反カタール工作に着手したのはその直後だった。それはトランプ氏のお墨付きを少な

くとも当初は得たうえでの行動だった。


 しかし20日に皇太子交代が発表されるわずか数時間前、米国務省はサウジとUAEによるカタールへの禁輸措置を異

例に強い調子で批判した。カタールには大規模な米軍基地がある。禁輸措置はサウジ指導部がワシントンとの対応で

自信過剰だった可能性を示唆している、と受け止める向きが中東では多い。


 「私はトランプ政権がサウジに白紙委任状を渡したとはみていない」と、ドバイにある近東・湾岸軍事分析研究所

(INEGMA)のリアド・カハワジ最高経営責任者(CEO)は述べた。「これを実績と呼ぶのは時期尚早だ。トランプ政権が

近い将来サウジに実際に何を与えるか、まだ分からないからだ」


 

サウジアラムコ上場、ムハンマド氏の皇太子昇格で前進確実

2017 年 6 月 22 日 07:17 JST       THE WALL STREET JOURNAL

中東ペトロテック展示会に出席するサウジアラムコの従業員

 国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)を計画するサウジアラビアで、ムハンマド・ビン・サルマン副皇太

子(31)が皇太子に昇格した。これでIPO計画は前進し、世界最大の原油輸出国サウジの経済政策のかじ取りで皇太

子の権限は強まりそうだ。


 指導部の刷新で、サウジアラムコの株式一部公開計画を巡る疑念はほぼ解消された。株式公開はムハンマド皇太子

が推し進めてきたが、一部からは批判も出ていた。


 RBCキャピタル・マーケッツの国際商品(コモディティー)戦略部門責任者、ヘリマ・クロフト氏はリポートで「しばらくの

間、反対の声が聞かれなくなりそうだ」とし「株式一部公開は全速力で前進するだろう」と述べた。


 2018年に予定されているサウジアラムコのIPOは規模が最大1000億ドル(約11兆2000億円)と、史上最大になる

と見込まれている。ムハンマド皇太子は調達した資金の大半を国内経済の多角化に充て、IT・工業分野を支援して原

油収入への依存軽減を図ると約束してきた。


 サウジ経済は原油安により打撃を受けている。原油市場は20日、弱気相場に入り、21日の取引でも下げが続いてい

る。サウジアラムコのIPOの価値は原油相場に大きく左右されるとみられているが、ブレント原油相場は21日、1バレ

ル=46ドルを割り込んだ。これはサウジの非公式目標である1バレル=60ドルを25%下回る水準だ。

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