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北朝鮮が夢見る「電磁パルス攻撃」 ソウル上空の核爆発で電力網を破壊、完璧なミサイルは不要

2017-06-13 12:19:51 | 軍事・兵器

北朝鮮が夢見る「電磁パルス攻撃」

ソウル上空の核爆発で電力網を破壊、完璧なミサイルは不要

2017 年 6 月 12 日 07:11 JST   THE WALL STREET JOURNAL

 筆者のクーパー氏はレーガン政権の防御・宇宙交渉(DST)担当大使。ジョージ・H・W・ブッシュ政権で戦略防衛構想(SDI)機構のトップを務めた。

***

 一般的には、北朝鮮が核攻撃で確実に米国を脅せるようになるのは何年も先のことだと考えられている。金正恩氏配

下の科学者たちが実験中の核兵器の威力はまだ小さく、米国西海岸に到達可能な弾道ミサイルに核兵器を搭載する

段階には至っていないとみられている。


 北朝鮮の技術に欠陥があることはあちこちで指摘されているが、米国に核戦争を仕掛けたいという北朝鮮の欲求を軽

視したり無視したりするべきではない。北朝鮮は間違いなく、あと一歩というところまで来ている。


 韓国は米国以上に直接的に危険にさらされている。物理学者で科学国際安全保障研究所(ISIS)の創設者であり所

長のデービッド・オルブライト氏によると、北朝鮮は現在、13個から30個の核兵器を保有し、毎年さらに5個の核兵器を

製造する能力がある。金氏がその1つをソウルの40マイル(約64キロ)上空の大気圏内で爆発させたとすれば、韓国の

電力網は壊滅的な被害を受け、長期にわたる停電が起きて破壊的影響が生じかねない。


 米国は38度線の南に位置する韓国に陸海空軍と海兵隊合わせて2万8500の兵力を、近海にはさらにそれ以上の兵

力を維持している。北朝鮮が韓国に電磁パルス(EMP)攻撃を仕掛ければ、米国の対応能力に大きな被害が出る恐れ

がある。既に配備を完了している米最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の発射台2基を担当する部

隊がそうしたシナリオに備えていると期待したい(韓国の新政権は先週、中国に譲歩して、発射台4基の追加配備を一

時中断した)。


 米議会は2001年、高高度核兵器の爆発によって生じる電磁パルスの危険性を検討するための委員会を設置した。

委員会の結論は、地上では爆風効果は生じないものの、電力に依存した重要インフラは機能しなくなる恐れがある、と

いうものだった。委員長のウィリアム・R・グレアム氏によると、2004年にはロシアの複数の軍高官が同委員会に対し、

「スーパーEMP核兵器」の設計図が北朝鮮の手に渡ったと述べた。


 ロシアの軍高官の話では、北朝鮮は当時、おそらくあと数年でスーパーEMP能力を開発できる段階にあった。飛行中

に爆発したと報じられた最近の北朝鮮の中距離ミサイル実験について、委員会事務局長のピーター・ビンセント・プライ

氏は、実際には高度40マイルで意図的に爆発させた可能性があると指摘している。


 実験はEMP攻撃の予行演習だったのだろうか。10-20キロトンの威力の核弾頭――北朝鮮がこれまでに実験を行っ

た核兵器と同程度――を高度40マイルで爆発させれば、大きなEMP効果が生じ、広範囲の地上でEMP未対応の電子

機器に壊滅的な被害をもたらすだろう。そこまでの影響をもたらすには数百キロトンという威力の大きな核兵器が必要と

いう説は誤りである。


 北朝鮮によるEMP攻撃――攻撃対象が韓国であれ米国であれ――が成功裏に実施される可能性を否定するアナリ

ストもいる。だが金氏の核科学者にとっては、ミサイルで直接核兵器を飛ばして攻撃するよりEMP攻撃のほうが先制攻

撃戦略として好ましいかもしれない。その理由の一つが、正確性が問題にならないことである。混乱を引き起こすには、

北朝鮮は爆弾を標的近くに打ち上げればいい。弾道ミサイルのために確実な再突入体の開発に気をもむ必要はない。


 常識はさておき、北朝鮮がEMP爆弾で米国を攻撃する可能性もないわけではないのかもしれない。グレアム氏は今

月、安全保障ブログ「38ノース」で、「北朝鮮は貨物船または潜水艦から短距離ミサイルを発射するか、風船で弾頭を爆

心高度30キロまで飛ばすかのいずれかの手法で米国にEMP攻撃を仕掛ける恐れがある」と指摘した。「風船で持ち上

げられた弾頭が高度30キロで爆発すれば、東部の電力網が機能しなくなる可能性がある。東部の電力網は米国の人

口の多くに電力を供給し、米国の発電量の75%をまかなっている。さらに言えば、北朝鮮はEMP攻撃を衛星から行う可

能性がある」という。現在、北朝鮮の衛星2基が米国の上空を通過する軌道に乗って地球を周回している。


 これは単なる仮説ではない。1962年には米国がハワイの南西900マイルの南太平洋上空で1.4メガトンの核弾頭を

爆発させた。この「スターフィッシュ・プライム」核実験によって、ホノルルでは数百の街灯が破壊され、付近を飛行中の

航空機の電圧が急上昇した。破損した衛星は少なくとも6基に上った。ハワイの送電インフラは未熟だったため、長期の

停電は避けられた。当時は電子機器に真空管が使われていた時代だったが、私たちはデジタル時代に生きている。


 米国と韓国は弾道ミサイル防衛システムが可動状態であることを確認するとともに、EMP攻撃に備えて早期に電力網

を強化すべきである。最後の審判の日はいずれの国の国民が考えるより早く訪れるかもしれない。


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