シリア・ラッカ、「子供4万人以上が極めて危険な状況」
2017年6月10日21時27分 朝日新聞
過激派組織「イスラム国」(IS)が「首都」と称するシリア北部ラッカの奪還作戦が本格化するなか、国連児童基金
(ユニセフ)は9日、「4万人以上の子供が極めて危険な状況に取り残されている」とする声明を発表した。
ラッカ市内の子供を保護し、安全に避難できるように関係勢力に求めている。
ラッカの奪還作戦をめぐっては、米軍の空爆支援を受ける少数民族クルド人の武装勢力を主体とする部隊が6日に
市内に進攻。今後、さらに激しい戦闘が予想される。
ユニセフによると、戦闘により大量の避難民が出ており、8万人の子供が臨時避難所やキャンプで暮らしている。
また、病院や学校も攻撃対象となっているため、避難にも危険が伴うという。さらに、2013年以来、ラッカへの援助物資
がほとんど届かない状態が続いている。(アルビル)
ラッカ奪還作戦、シリア民主軍が市内2地区を制圧
2017年06月12日 14:00 AFP
【6月12日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が「首都」と位置づけるシリア北部ラッカ(Raqa)の奪還作戦で
11日、クルド人とアラブ人の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」が新たに市西部の地区1つを制圧し、市北部のIS軍事拠
点への攻撃も再開した。
米国主導の有志連合の支援を受けるSDFの発表によると、「2日にわたる戦闘の後、ラッカ西部のロマニヤ
(Al-Romaniya)地区を解放した」という。SDFの制圧地区は市東部のメシュレブ(Al-Meshleb)地区に続いて
2か所目。
SDFは先週、ラッカへの最終攻勢開始を宣言し市内に進攻した。在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団
(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、メシュレブ地区に隣接するセヌア(Al-Senaa)地区でも、既に
約半分をSDFが制圧しているという。
ラッカの人口は約30万人で、うち約8万人はシリア内戦の発生後に国内各地から逃げてきた人々とされる。
ここ数か月で数千人がラッカを脱出したものの、国連の推計では今も市内に16万人が取り残されているとみられる。
人権監視団によれば、SDFを支援する米軍主導の空爆で10日、民間人24人が死亡した。
6日のSDFの進攻開始以降の死者は、少なくともIS戦闘員67人と民間人58人に上っているという。
イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が拠点とするシリア・ラッカで、奪還した市内西部を歩くクルド人とアラブ人の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」の兵士(2017年6月11日撮影)
イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の拠点であるシリア北部ラッカから避難した人たちが多く集まる近郊の町アインイッサのキャンプで、車で荷物を運ぶ人たち(2017年6月10日撮影)
イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の拠点であるシリア北部ラッカから避難した人たちが多く集まる近郊の町アインイッサのキャンプを歩く女性や子ども(2017年6月10日撮影)
イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の拠点であるシリア北部ラッカから避難した人たちが多く集まる近郊の町アインイッサのキャンプで、地面に座る子ども(2017年6月10日撮影)
イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の拠点であるシリア北部ラッカから避難した人たちが多く集まる近郊の町アインイッサのキャンプで、赤ちゃんを抱く少女(2017年6月10日撮影)