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労働(組合)関係の新聞記事等を投稿していきますので、コメントをお寄せ下さい!!

【生きる 働く 第6部】ブラック企業 現場の叫び<3>辞められずうつ病に

2015-06-27 09:06:28 | 労働
 その会社では、最下位のヘッドチーフに始まり、ゼネラルチーフ、サブマネジャー、マネジャー、ゼネラルマネジャー、ディレクター、プロデューサーまで7段階の管理職がいた。
 7年前、浩太郎さん(30)は福岡県内の大学から新卒で量販店に正社員で採用された。入社2年後、ある店舗の売り場全体を統括するヘッドチーフに昇進した。本部の上司から「頑張れよ」と肩をたたかれたが、「管理職になるから残業代はでない。月給32万円ぽっきり」と告げられた。浩太郎さんは昇進前、基本給に残業代を加えると既に32万円程度もらっていたので、収入は全く増えなかった。それでも「もっと上の管理職になれば給与は上がるぞ。がむしゃらに働け」とハッパを掛けられた。
 24時間営業の店舗を任された。午後4時から翌朝の午前6時まで14時間ぶっ通しで働く毎日。会社が用意した店舗の目の前のアパートに住み、非番で寝ていても深夜に頻繁に呼び出しが掛かった。生活の全てが仕事で埋め尽くされた。食欲がなくなり、眠れない夜も続いたが「新卒採用だったのでそれが当たり前だと思っていた」。
 ついに朝起きることができなくなった。「迷惑をかけるので会社を辞めたい」と告げると「辞めるな」と引き留められ、店舗替えが決まった。そこでも過酷な労働は同じ。「忙し過ぎて何も考えられなくなっていった」。辞めることができたのは、うつ病を発症した後だった。
 食い付いた「獲物」を逃さない。社員を思考停止状態に追い込み、辞めさせずに心身が壊れるまで使いつぶす-。こうした「ブラック企業」は最近、不当な損害賠償を請求し、弁償が済むまで辞められないと思い込ませる手口まで編み出している。
 福岡市内のスーパーで店長をしていた翔平さん(28)は上司から「ノルマ達成まで家に帰れると思うなよ」と毎日怒鳴られた。深夜まで働いても残業代も出ない。「辞めたい」と上司に申し出ると、「おまえの教育にどれだけ会社が金を掛けたと思っているんだ!」と辞めさせてもらえなかった。
 それでも辞表を提出し、出勤しないでいると…。「ノルマ未達」「仕入れで損を出した」「入社してから10年間の教育費」。いろんな理由を挙げられ、1千万円の損害賠償を求める請求書を送りつけられた。書面には弁護士の署名もあった。
 労働者には理由を問わず、いつでも退職できる権利が憲法で保障されている。会社に損害が発生したとしても、高額の賠償金を支払わなければならない義務はない。会社の請求書を作成した弁護士も当然、それは分かっているはずだ。にもかかわらず、ブラック企業の違法行為に加担する弁護士や社会保険労務士などの「ブラック士業」が存在する。「法律の知識はないし、訴訟するなんて思い付きもしないだろう」と高をくくった「共謀」が透けて見える。
 泣き寝入りして、会社側の要求通り払う人もいるが、翔平さんは訴訟を起こした。次の就職が決まっており、過去のトラブルを早く解決したかった。結局、50万円を会社側に支払うことで和解した。それが自分にとって正解だったのか、今でも引っかかっている。
 (文中仮名)
 【チェック】 自由に退職可能
 残業代が支払われない例外の一つが、一般的に管理職と呼ばれる「管理監督者」だが、会社から管理職といわれているからといって該当するわけではない。管理監督職と判断されるハードルは高い=表参照。入社間もない若手を「名ばかり管理職」にし、残業代を払わないのはブラック企業の典型的な手口であり注意したい。会社を辞める際、労働者は原則2週間前までに辞職する意向を示せば自由に辞職できる(民法)。使用者が損害賠償をちらつかせて辞めさせないよう脅しても、「教育費」「人材の確保」などは経営者のコスト。判例によると、通常の労働をしてあり得るミスで損害賠償を負うことはまれ。きっぱり辞職の意思を示そう。

=2015/06/26付 西日本新聞朝刊=
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【生きる 働く 第6部】ブラック企業 現場の叫び<2>残業代不払い巧妙化

2015-06-27 09:05:55 | 労働
 裁判官はあっけにとられていた。昨秋開かれた労働審判。飲食チェーンで働いていた香織さん(20)は、会社に不払い残業代の請求を申し立てていた。「その給与明細はでたらめですから」。社長が月給制を装いながら、実は時給制で給与を払っていたことを告白した瞬間だった。
 香織さんは高校時代からアルバイトとして働き卒業後、そのまま正社員になった。「月給でも、時給でも給与は変わらないから」。社長からそう言い含められ、時給制のまま仕事を続けた。入社直後、大型郊外店に入居する店舗の店長になった。開店準備、調理、アルバイトの労務管理、後片付け…。自宅に持ち帰った残業もあり、休日もトラブル対応で呼び出された。それでもバイト時代の時給700円から50円上がっただけ。毎月振り込まれるのは18万円ほどだった。
 「人並みの生活をしたい」。20万円を超えていた他の正社員と同じ月給制を希望した。給与明細の表記は「月給」に代わり、20万円が振り込まれるようになった。しかし結局4カ月後、過労で体調を崩して入社1年で会社を辞めた。
 就業規則で定められた所定労働時間は月160時間。タイムカードから割り出された香織さんの月平均の残業時間は、「過労死ライン」の80時間だった。時間外労働の割増率25%を掛け合わせると、月給20万円では毎月12万5千円の残業代が発生するため、月32万5千円の収入を得られるはずだった。ところが、時給750円では同じ80時間残業しても19万5千円にとどまる。「月給と時給でこんなに違うなんて…」。弁護士から説明を聞いた香織さんは言葉を失った。
 ブラック企業の最大の特徴は、異常な長時間労働を強いながら法律で決められた残業代の支払いを無視することにある。手口は巧妙化しており、その代表格が残業代を最初から固定する「固定残業代」。違法ではないが、悪用されやすい仕組みだ。
 北九州市の運送会社で正社員だった亮太さん(21)は、ハローワークの求人票で目に留まった「初任給21万円」にひかれ入社した。しかし、入社後に21万円の内訳は「基本給16万円+固定残業代5万円」と説明を受けた。「そんなものかな」と働き始めたが、月100時間を超える過酷な残業が続いた。いくら働いても3年間、月給21万円から1円も上がることはなかった。
 「残業代をしっかり払ってほしい」。上司に懇願すると、固定残業代が5万円から11万円に増額すると告げられた。「これで報われる」。歯を食いしばって残業をこなしたが、翌月振り込まれた月給は21万円のまま。何と給与明細に記された基本給は10万円に減額されていた。固定残業代を増やし基本給を減額することで、月給21万円を超えないよう調整していたのだ。
 「こんなばかばかしいことがまかり通るのか。正社員は怖い」。会社を辞めた亮太さんは今、アルバイトを転々とする。
 (文中仮名)
 【チェック】 固定制が抜け道に
 使用者は原則、1日8時間、週40時間を超えて労働者を働かせてはいけない。これを超える時間外労働(残業)には25%以上の割増賃金を支払わなければならない。月給の基本給にあらかじめ残業代を含めたり、営業手当などを残業代の代わりにしたりする「固定残業代」は、実際の残業時間に見合った額が支払われる限り違法ではない。ただ、残業時間が少なければ実際の残業代を払った方が安い。固定残業代を導入する会社は相当な残業があると警戒した方がいい。残業代は2年前までさかのぼって請求できる。基本給を一方的に引き下げるなど労働者の合意がない労働条件の不利益な変更は労働契約法に違反する。厳然と拒否しよう。

=2015/06/25付 西日本新聞朝刊=
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【生きる 働く 第6部】ブラック企業 現場の叫び<1>求人情報 数々のわな

2015-06-27 08:50:24 | 労働
 今なら理解できる。そのときは意味が分からなかった。
 3年前、不動産会社に転職した貴弘さん(42)=仮名=は、入社1週間後に開かれた退職者4人の「合同送別会」の席上、自分を面接した当時の男性上司からひたすら謝られた。
 「ごめんね、ごめんね。僕が辞めることができる条件が、同業他社から5人引き抜くことだったから…」
 妻と幼い子ども3人を養うため、より良い条件を求めて10年以上勤めた不動産会社を依願退職。当時の年収は約580万円。「条件を満たす求人はハローワークにはないだろう」。キャリアを生かせる同業で給与水準が下がらないことを条件にインターネットで検索した。「スタートは月給25万円だが、力を発揮すればどんどん上がる」。面接での誘い文句を信じ、転職先を選んだはずだったが…。
 配属された支店には約50人の営業マンがいたが、机は30席ほどしかなかった。業務で使うパソコンは当初は支給されなかったが、離職者が出ると回ってきた。最初は不思議だったが、次々に誰かが辞めて誰かが入社してくる。出入りが激しいのでこれで事足りることが次第に分かってきた。
 仕事は過酷だった。深夜、未明までの残業は当たり前。たまに午後9時ごろ帰ろうとすると上司から「みんながいるのに何で帰るんだ! 仕事がなくてもみんなと一緒にいろ!」と叱責(しっせき)された。休日も「公休だから昼から出てきていいよ」と平気で言われた。なのに、勤務表は定時の午前9時~午後6時に入力しないとはねつけられた。
 営業車は4台しかなかった。私用のミニバイクで営業に回っていたとき車との接触事故を起こした。救急車で搬送された病院で、鎖骨を折っていると診断された。上司に報告すると「休みの日にプライベートで事故したことにしといて。まさか労災って言い出すんじゃないよね」。辞職を決意した。
 異常な長時間労働や残業代未払いなどで、主に若者を使いつぶす「ブラック企業」。大量に採用し、大量の離職者を出すのが典型パターンだ。入社の際には、月収の誇張や虚偽の条件での募集など、わなが仕掛けられている。
 貴弘さんの場合も正社員で募集されながら、実は契約社員だった。「半年の試用期間が終われば正社員になる」と言われたが辞めるまでの2年間、契約社員のままだった。月給25万円には月30時間の残業代が含まれていることも後で知らされた。「残業は30時間を超えることはない」と説明されたが、ゆうに月100時間は残業させられた。
 「募集内容は何もかもがうそだった。なぜ、気付くことができなかったのか。歯がゆい」。貴弘さんは今、自分を責める毎日を送っている。
    ◇    ◇
 人口減少や少子高齢化で人手不足が深刻化する中、過酷な労働条件で働く人を使い捨てるブラック企業が、法の網をかいくぐり、はびこっている。その巧妙な手口を紹介しながら、今後も登場するであろう新たな手法への防衛策を考えたい。
 【チェック】 大量採用には注意
 インターネットでの求人サイトは、求人する企業が広告料を払っているのがほとんど。いわゆる「求人広告」のため、企業に不利な情報は載りにくい。現状の社員数に対し明らかに多い採用計画には注意したい。職種や地域によって異なるが、大学新卒の初任給の相場は基本給17万~20万円。学者や弁護士らでつくる市民団体「ブラック企業対策プロジェクト」は、「27万円以上の提示には用心しよう」と呼び掛けている。採用後の試用期間は、面接だけではその人の性格、能力などが分からないため観察を行う期間。勤務態度が悪いなど合理的な理由があれば労働契約を解除できるが、一般的に半年間を超える長期の試用期間は認められず、原則延長もできない。契約した初任給を支払う義務があり、減額は許されない。

=2015/06/24付 西日本新聞朝刊=
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大阪市労組に2審は「退去命令」 大阪市処分は一部「適法」

2015-06-27 08:49:44 | 労働
 大阪市が職員労働組合に市庁舎からの事務所退去を求めたのは違法として、全労連系労組2団体が、橋下徹市長による平成24~26年度の庁舎使用不許可処分の取り消しなどを求めた訴訟の控訴審判決が26日、大阪高裁であった。志田博文裁判長は、組合への便宜供与廃止を定めた労使関係条例施行後の25、26年度の処分を適法と判断。市の全面敗訴となった昨年9月の1審大阪地裁判決を変更し、現在も庁舎に残っている2団体に事務所の明け渡しを命じるとともに、計66万円だった市の賠償額を計22万円に減額した。

 全労連系2団体は「事務所の明け渡しには到底納得できない」として上告する方針。

 志田裁判長は判決理由で、市では長年、現業部門を中心に労使の癒着や職員による違法な政治活動が続いていたと指摘。「労使関係条例(24年施行)の制定には十分な理由があり、憲法にも違反しない」として、条例に基づく25、26年度の市の処分を適法とした。24年度の処分については退去要請が急だったことなどを理由に違法とした。

 1審判決は労使関係条例を「適用すれば違憲」と判示し、24~26年度のすべての処分を違法としていた。

 事務所退去をめぐっては、すでに事務所を移転している連合系労組6団体も訴訟を起こしていたが、今回と同様に25、26年度の処分を適法とし、市に計250万円の賠償を命じた今月2日の大阪高裁判決が確定している。

(2015.6.26 17:31 産経新聞)
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雇用保険 労使と国の税金で財源賄う

2015-06-27 08:48:15 | 労働
 ▼雇用保険 労働者の安定した雇用や、失業者の再就職を促すために国が運営する公的な保険制度。「失業等給付」と「雇用保険2事業」の2つに分かれる。失業等給付は失業者の求職中の生活を支える手当のほか、教育訓練を受講した場合にその費用の一部を支援する給付などがある。雇用保険2事業では中高年の再就職支援などにより、失業の予防に努める企業を助成金で支援している。

 労働者を一人でも雇う企業は原則として強制加入となる。財源は企業と労働者が納める保険料と、国の税金で賄っている。失業等給付の財源は労使で折半し、2事業は企業が負担する。徴収した保険料や手当の支払いといった資金の管理は、国の特別会計で行われている。

 離職した人は公共職業安定所(ハローワーク)で手続きを行い、受給資格などが確認されると手当が支払われる。昨年10月からは労働者の中長期的なキャリア形成を促すため、教育訓練に費やした費用の一部に支払われる給付金が拡充された。

(2015/6/27 2:00日本経済新聞 電子版)
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労組事務所退去、2審「大阪市処分は一部適法」

2015-06-27 08:47:27 | 労働
 大阪市が市役所庁舎から職員労働組合の事務所を退去させようとしたことの是非が争われた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は26日、2012~14年度の庁舎使用を不許可とした市の処分を違法とした1審・大阪地裁判決を変更し、組合への便宜供与を禁じた市条例施行後の13、14年度分は適法と判断した。

 志田博文裁判長は「行政事務スペースが必要だった」とし、現在も庁舎を使っている原告の市役所労働組合など2組合に明け渡しを命じた。2組合は上告する方針。

 組合事務所の庁舎使用では、既に退去している別の6組合が起こした訴訟の控訴審判決で、大阪高裁の別の裁判長が2日、今回と同様に市の処分を一部適法として1審判決を変更する判断を示し、確定している。

 2組合は訴訟で、市の不許可処分取り消しなどを請求。市側も2組合に部屋(約45平方メートル)の明け渡しなどを求めたが、昨年9月の1審判決は「団結権の侵害があった」として市の処分をいずれも違法と判断し、市側が控訴していた。

 志田裁判長は12年度分について、市側が不許可の方針を明らかにしたのは退去期限の3か月前だったとし、「あまりに性急で、著しく妥当性を欠き違法」として市に22万円の賠償を命じた。一方、市条例に基づく13、14年度分は適法とし、13年4月以降の使用料に相当する月約17万円を支払うよう、2組合に命じた。

 判決後の記者会見で、2組合は「判決には納得できず、退去しない」と強調。大阪市は「主張が一定認められた。判決を精査し、今後の対応を検討する」とのコメントを出した。

(2015年06月26日 20時01分 読売新聞)
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マタハラ相談1.5倍

2015-06-27 08:46:38 | 労働
◆年々増加、昨年度59件 来月、初の強化週間

 妊娠や出産、育児休暇を理由に職場で不利益を受ける「マタニティー・ハラスメント(マタハラ)」について、秋田労働局への相談が年々増加している。2014年度は前年度の約1・5倍、19件増の59件の相談があり、労働局長の指導で改善されたケースもあった。労働局は7月、初の強化週間を設け、より多くの相談を受けられる態勢を作る。

 秋田労働局雇用均等室によると、マタハラに関する相談は、09年度は21件だったが、年々増え続け、14年度は59件に上った。このうち妊娠や出産、産休を理由に不利益を受けたとの相談が31件で、前年度の16件から倍増した。育児休暇についての相談は28件だった。

 相談の内容は「妊娠を報告したら管理職の役職を解かれた」「産休から復職する際、以前勤めていた店舗から、自宅や保育園から遠い店舗に異動させられた」「正職員からパートにさせられた」などだった。

 ある介護施設では、20歳代のパート職員が妊娠を事業主に報告したところ、退職願を書くよう言われたという。出産後も勤務を希望していた女性が同室に相談し、同室が事業主に事情聴取。退職強要が男女雇用機会均等法に違反するため、働かせるよう助言したところ、出産後も働けることになったという。

 同室は「事業主は聴取に『つわりによる体調不良があり、仕事に対するやる気も感じられなかったから退職を勧めた』と答えたが、やる気がないと感じたらその段階で指導すべきだ。妊娠は理由にならない」と指摘している。

 相談が増えたことについて、同室は「マタハラが報道などで取り上げられるようになり、今までもあったものが顕在化してきた」と分析。さらに相談を受けるため、7月6~10日に相談強化週間を実施し、受け付け時間を通常の午前8時30分~午後5時15分から、午後6時30分まで延長する。

 富塚リエ室長は「仕事があって今まで相談できなかった人も、この機会にためらわず電話してほしい」と話している。相談は秋田労働局雇用均等室(018・862・6684)へ。

(2015年06月27日 読売新)
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求人倍率/22年3か月ぶり1.2倍/県内5月

2015-06-27 08:45:46 | 労働
 山口労働局は26日、5月の有効求人倍率を発表した。受理地ごとにみた従来方式の倍率は1・20倍で前月を0・06ポイント上回り、22年3か月ぶりに1・2倍台に達した。同労働局は「バブル経済が崩壊した直後のレベルまで回復しており、リーマンショックの影響は完全に脱した」と説明している。

 労働局によると、有効求職者が1・6%減少して2万2052人となる一方、有効求人数は4・1%増の2万6546人となった。労働市場の改善で求職者が減る中、景気回復で企業側の採用意欲は高止まりして人手が不足している。

 県内はリーマンショック後、一時は0・53倍(2009年7月)まで低下したが、アベノミクスなどの効果で改善。基調判断も今回、5か月ぶりに上方修正し「一部に弱さが残るものの、着実に改善が進んでいる」とした。

 また、より実態に近い勤務地別の「試算値」(季節調整値)は1・33倍で、初の1・3倍台に達した。

 ただ、好調時特有の傾向も見られ、よりよい条件を求めた転職が出始めている。5月の新規求職者のうち、在職者は前年同期比3・3%増、自らの都合で退職した人も1・4%増だった。

 小松原正俊局長は「企業は、労働環境を良くしたり待遇面を改善したりしないと、人材確保が難しくなりつつある」と述べた。

(2015年06月27日 読売新聞)
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「将来的に過労死ゼロ」明記 防止対策推進法大綱案

2015-06-27 08:37:48 | 労働
 昨年11月に施行された過労死等防止対策推進法を具体的に推し進める大綱案が明らかになった。「将来的に過労死ゼロ」と明記し、2020年までに週労働時間60時間以上の労働者の割合を5%以下にすることや年次有給休暇取得率を70%以上に引き上げることなどが盛り込まれた。閣議決定を経て国の取り組みが本格化。同法を求めてきた兵庫県内の過労死遺族らも注視している。(中部 剛)

 仕事が原因で脳・心臓疾患を発症し、労災請求したのは2013年度に784件(兵庫県=31件)、精神障害を発症したとして労災請求したのは1409件(同=73件)。年間の自殺者約2万7千人のうち、勤務問題を原因とするのは約2300人(13年、警察庁調べ)いる。いずれも労働者の現状を示唆するが、過労死の実態はつかめていない。

 労働時間は正社員に限って言えば減少しておらず、非正規の短時間化と正規の長時間化の二極化が指摘されている。5月に東京都内で開催された過労死防止学会に出席した厚生労働省の鈴木英二郎・過労死等防止対策推進室長が、長時間労働対策について「国の取り組みはまだまだ不十分」との認識を示した。

     □

 大綱案は、労働者代表、使用者代表、過労死遺族、識者ら20人でつくる協議会が5回の議論を経てまとめた。「背景要因を探り、過労死の全体像を明らかにする」とし、国や自治体の啓発や相談体制の整備を強調する。

 過労死遺族らの強い要望で「過労死ゼロ」の文言が明記されたが、目標年次までは示されなかった。遺族や弁護士らが「週労働時間が60時間以上の労働者をゼロにすること」「終業から次の始業までの時間を確保する『インターバル休息制度』の導入の数値目標」なども求めたが、盛り込まれなかった。

 遺族として協議会に臨んだ西垣迪世(みちよ)さん=神戸市=は「不満な点は残るものの、この大綱案が完全に実施されれば、日本の過労死の現状はかなり変わる」と期待を寄せる。

     □

 防止法は11月を啓発月間として定めており、全国各地でシンポジウムなどの啓発活動が取り組まれる。兵庫でも市民団体「過労死等防止対策推進兵庫センター」が取り組みを検討。高校や大学に出向き、労働法令やワークライフバランス(仕事と生活の調和)を訴えていくほか、シンポを開催するなどして、過労死のない社会を呼び掛ける。

 厚労省は大綱案について7月10日までパブリックコメントを受け付けている。

 <過労死等防止対策推進法> 全国の過労死遺族や弁護士らが立法化を提案。兵庫県や神戸市など全国143地方議会で過労死対策を求める意見書が可決された。遺族らは国会議員に積極的に働きかけ、昨年6月に成立した。過労死防止に向け、国の責務や自治体の役割などを明記する。

(2015/6/26 12:32 神戸新聞)
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<社説>介護職員不足 待遇・評価の仕組み改善を

2015-06-26 08:02:42 | 労働
 将来への不安にさいなまれては、人は幸福を実感できまい。超高齢社会に突入した日本では老後を支える施策は不可欠である。
 その意味でこれは最優先で対処すべき課題だ。2025年に必要な介護職員は全国で253万人に達し、現状の増員ペースでは38万人不足することが厚生労働省の推計で分かった。対策が急がれる。
 15年前に55万人だった全国の介護職員は今、171万人と3倍に増えている。それでも不足感がある理由は、離職率の高さよりむしろ新採用が難しい点にある。離職率は確かに高かったが近年は低下し、13年度は全産業平均と大差なくなっている。
 介護関連団体の調査によると、それでも人手不足である理由として事業所側が挙げるのは「採用難」が最も多い。有効求人倍率が14年7月時点で2・18倍に達したことがそれを裏付ける。2人を募集しても1人集まるかどうか、という数字だ。新規採用をいかにして増やすかが最大の課題なのである。
 人材確保策として厚労省は本年度、介護報酬を改定し、賃金が平均で月1万2千円上がるよう手当てした。だが他の職種との平均給与の開きはなお大きい。
 沖縄県の調査では仕事への不満として「賃金が低い」の次に「精神的負担」や「休暇が取りにくい」が上位に並んだ。だとすれば休暇や休憩が取りやすい職場環境の改善が必要だ。事業所の経営努力が求められるが、それだけでは限界があろう。賃金も含めた介護報酬のさらなる改善が求められる。
 介護関連団体の調査では採用難の理由に「社会的評価が低い」の声もあった。介護の分野では資格と給与に相関関係がある。それなら従来以上の資格を創設するのも一案だ。資質や技能の向上が賃金や社会的評価の上昇につながる仕組みを構築し、やる気を引き出して将来設計を描けるようにしたい。
 人手不足は失業率が高い沖縄でも例外ではない。10年後には充足率が8割程度に落ち、4343人が不足する。
 特に離島の対策が急務だ。離島での介護サービスは15%の報酬加算の仕組みがあるが、人員確保はそれでも難しい。報酬加算は被保険者や市町村の財政負担にもなっている。持続可能性を考えた新たな施策が不可欠だ。
 やはり介護の制度設計をやり直すべきではないか。国の財政支出全体を大胆に見直していい。

(2015年6月26日 6:01 琉球新報)
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【主張】会期大幅延長 議論深め安保法の成立を

2015-06-26 08:01:44 | 労働
 通常国会が9月27日まで95日間延長された。延長幅として戦後最長になったのは、安倍晋三政権として最重要課題である安全保障関連法案の成立に万全を期すためだ。

 日本を取り巻く安保環境の厳しさを考えれば、集団的自衛権の限定行使容認を柱とする安保法制整備を会期内に実現するのは当然である。

 ただし、これまでの議論が法案への国民の理解を大いに深めたかといえば、疑問である。政府、与野党は日数を長くとったことで弛緩(しかん)することなく、内容の濃い審議をめざすべきだ。

 法案審議の序盤では、首相自身が不用意なやじを飛ばし、衆院憲法審査会で自民党の招いた憲法学者による「違憲発言」が飛び出すなど、要らぬ足踏みをした。

 こうしたことが、「戦争法案」とレッテルを貼って成立を阻止しようとする野党を勢いづけた印象はぬぐえない。

 その野党は政府案への批判に終始している。日本の平和と国民の安全をどう守り抜くかの代案を示さねば、論戦は深まらない。

 維新の党は対案を検討しているが、野党第一党の民主党にその動きがないのは問題だ。具体的な対案をまとめられないなら、国の守りを論じる資格はなかろう。

 法案への国民の理解がなかなか深まらない点は、政府与党として反省すべきだ。とくに、日米同盟の抑止力向上が急務であることを国民に訴える上で、具体的な説明が欠かせない。

 軍拡や海洋進出の形で現実のものとなっている中国の脅威を、より率直に語ってはどうか。

 会期延長も含め、野党側は与党の国会運営に反発して審議拒否戦術をとりはじめている。根底にあるのは、安保関連法案成立への抵抗だ。憲法解釈変更は政権の独走だと批判して徹底審議を求めておきながら、自ら席を立つというのは理解できない。

 重要課題は他にもある。労働者派遣法改正案、農協法改正案など国民生活や経済に影響するものが安保をめぐる攻防にまぎれ、ないがしろになってはならない。同じく充実した審議が必要だ。

 衆参の選挙制度改革もある。特に、来年夏に通常選挙がある参院は待ったなしである。安保関連法案が衆院にある間に、「一票の格差」是正に向けた見直し案をまとめ、立法化を急ぐべきだ。

(2015.6.25 05:03 産経ニュース)
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延長国会、重要法案仕切り直し 「脱時間給」など焦点に

2015-06-26 07:56:00 | 労働
 24日までの国会会期が9月27日まで大幅延長となったのに伴い、与野党は重要法案の扱いを仕切り直す。自民党内には「脱時間給」制度を導入する労働基準法改正案など、困難とみられていた法案の成立をめざす意見も浮上している。安全保障関連法案を巡る対立がほかの法案の審議に影響する可能性もなお高い。

 与野党は24日の国会対策委員長会談で、22日の延長議決後に空転していた審議の正常化で一致した。安保法案は26日に衆院平和安全法制特別委員会で安倍晋三首相が出席して集中審議する調整に入った。農協法改正案は25日の衆院農林水産委員会での採決で合意した。

 与党は法案の扱いを再検討する。衆院厚生労働委員会はこれまで、派遣社員の受け入れ期間の上限を事実上なくす労働者派遣法改正案の審議を優先してきた。同法案は19日に衆院を通過したため、大幅延長で労基法改正案の審議に入れるとの見方も出ている。政府高官は24日、維新の党幹部に電話し「労基法も今国会でやりたい」と伝えた。

 民主党などは同法案に反対する。与党内にも「欲張りすぎると安保法制などに影響する」という慎重な意見がある。

 自民党内には自民、維新、次世代の党の3党で提出した統合型リゾート(IR)を推進するカジノ法案の成立をはかる声もあがっている。ただ公明党の大口善徳国対委員長は24日に審議入り反対を表明した。

 マイナンバー関連法案は参院内閣委で、年金情報流出問題が収束すれば採決すると与野党が合意している。時間はあるが流出問題の行方次第だ。

 野党側も延長国会の戦略を探る。大幅延長により、審議引き延ばし戦術には限界がある。国会空転が短期にとどまったのも民主党内に「やみくもに審議拒否しているとの批判を受けかねない」という懸念が強いためだ。

 維新は来週にも安保法案の対案を各党に提示する考え。民主党は野党共闘の分断を狙う政府・与党の動きにも警戒感を強める。安保法案については「民主党の考え方を紹介しながら政府をただす」(党幹部)方針だ。

(2015/6/24 23:55日本経済新聞 電子版)
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都労委:大手塾元講師の職場復帰を命令

2015-06-26 07:55:15 | 労働
 東京都労働委員会は25日、大手学習塾「市進学院」を運営する市進(文京区)が、労働組合活動を理由に元講師の男性3人の契約を打ち切るなどしたのは不当労働行為に当たるとして、職場復帰させることなどを命じた。

 救済を申し立てたのは、いずれも50代で労組役員や組合員の男性。都労委によると、2012年12月の労組結成後、3人はストライキをしたり、労使関係について報道機関へ情報提供をしたりした。一方、会社側は13〜14年、「能力不足」などを理由に▽労組委員長の担当授業数を減らし賃金を減額▽書記長の雇い止め−−をした。

 都労委は、組合員に対して労組を脱退すれば再雇用する可能性を示唆していた経緯などを踏まえ、会社側の対応は労組の弱体化を図る不当労働行為と認定した。

 親会社の市進ホールディングス広報宣伝部は「内容を検討して今後対処していく」としている。【飯山太郎】

(毎日新聞 2015年06月26日 東京朝刊)
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延長国会:カジノ法案、波乱要因に

2015-06-26 07:54:22 | 労働
 政府・与党は、今国会の会期を95日間延長したことを踏まえ、戦略を練り直している。会期内成立が困難とみられていた「統合型リゾート(IR)整備推進法案」(カジノ法案)は、推進派の自民党が勢いづく半面、公明党は審議に難色を示し、与党内で波乱要因になりつつある。

 政府は24日までに74本の新規法案を提出し、成立は43本(約58%)にとどまっている。大幅延長で日程的な余裕ができたものの、政府・与党は安全保障関連法案を最優先に成立させる方針で、丁寧な国会運営を印象づけるためにも、与野党が激しく対立する法案の審議は避けたいという思惑がある。

 カジノ法案を巡っては24日、公明党の大口善徳国対委員長が自民党の佐藤勉国対委員長に「ギャンブル依存症の問題があり、この国会で審議することは党として考えていない」と伝えた。公明党が4月、議員立法によるカジノ法案の提出を容認したのは、今国会での成立は難しいと判断していたためだ。

 高度な専門知識を必要とする業務で、労働時間ではなく成果で賃金を決める「高度プロフェッショナル制度」を導入する労働基準法改正案に対しては、野党が「残業代ゼロ法案」と批判を強めている。これまで審議入りの見通しは立っていなかったが、会期延長で局面が変化した。

 最大の焦点の安保関連法案については、政府・与党は7月10〜17日の衆院通過を目指している。鍵を握るのが維新の党との修正協議だ。維新は対案を来週の執行役員会で正式決定する予定だが、実際に国会に提出するかどうかは方針が決まっていない。【水脇友輔、福岡静哉】

 ◇今国会に提出された主な法案

(※は議員立法)

<すでに成立>

・東京五輪・パラリンピック特措法

 2020年東京五輪・パラリンピックに向け専任の五輪担当相を設置

・改正風俗営業法

 店内の明るさに応じてクラブなどの営業時間を設定

・改正防衛省設置法

 防衛官僚(背広組)と自衛官(制服組)が対等に防衛相を補佐することを明確化

・改正公職選挙法※

 選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げ

<審議中または今後審議される法案>

・安全保障関連法案

 集団的自衛権の限定的な行使容認や他国軍への後方支援の拡大

・労働者派遣法改正案

 派遣労働者を企業が受け入れる期間の上限を条件付きで撤廃

・農協法改正案

 全国農業協同組合中央会の地域農協に対する監査・指導権を廃止

・労働基準法改正案

 高度な専門職種で成果に対し賃金を支払う「高度プロフェッショナル制度」を導入

・統合型リゾート(IR)整備推進法案※

 カジノを中心としたIRの整備を推進

(毎日新聞 2015年06月24日 21時41分)
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企業の“正社員化”推進 奈良県が「いい会社拡大プロジェクト」

2015-06-26 07:53:25 | 労働
 「いい会社づくり」を支援します-。若年者の非正規雇用者数が全国でワースト5位、未婚率も同3位となっている状況を改善しようと、県は、企業に専門家を派遣しコンサルティングするなどし“正社員化”を推進する「いい会社拡大プロジェクト」を実施する。30日まで、参加企業を募集している。

 総務省統計局の調査(平成24年)によると、県内の非正規雇用労働者は約21万1200人で、全労働者の約33%。うち35歳未満の若年者は6万3千人で、約30%にも上っている。

 こうした現状を踏まえ、県内企業の正社員数の増加を進めようと、県が県社会保険労務士会にプロジェクトを委託。同会では(1)人が大切にされる(2)利益を上げ継続的に発展(3)地域に貢献-の要件を満たした会社を「いい会社」と定義しており、プロジェクトを通じて「いい会社」化を目指す。

 対象は、常時10人以上の従業員や非正規労働者がいて、過去6カ月以内に解雇していないなどの条件を満たす県内企業。選定した約20社には来年3月まで無料で社会保険労務士を派遣し、ヒアリングなどを通じて課題を洗い出し、改善に取り組む。就業規則など各種規定の見直しのほか研修・キャリアアップ制度、ワークライフバランス推進、助成金の活用など、さまざまな課題が想定されるという。

 申し込みは専用応募フォームで。審査のうえ、7月上旬に結果が通知される。問い合わせは、県社会保険労務士会(電)0742・23・6070。

(2015.6.26 07:02 産経ニュース)
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