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【正論】政策研究大学院大学副学長・大田弘子 「増税しても成長」の根拠を示せ

2010-06-29 23:15:16 | Weblog
 「強い経済、強い財政、強い社会保障」という立派なスローガンが登場した。未曾有の高齢化を迎えるわが国が、これを現実のものにできれば、今後高齢化が急速に進むアジア諸国に対して先例となるモデルを提供できる。

 しかし、問題はいかにして実現するかだ。自信をもって掲げる菅首相には、どんな道筋が見えているのだろうか。「成長も実現し、社会保障もより強いものにし、財政も健全化していく」ということは、現実にどうすればいいのか。

 ≪来年度予算は組めるのか≫

 これがあり得ないほど難しいことは、最近発表された財政運営戦略と新成長戦略を見ただけでもよく分かる。

 財政運営戦略では、10年先にようやくプライマリー(基礎的)収支を黒字化させる目標になっており、決して「強い財政」ではない。しかも、当面3年間は、非現実的とすら言える前提にたっての推計だから、実現はあやうい。この戦略からは、来年度予算が組めるかどうかさえ見えてこない。「強い社会保障」の具体像は示されていないが、民主党のマニフェストに掲げられている最低保障年金の創設だけでも、大幅な歳出増になる。このことを加味しただけで、財政は一段と厳しいものになるだろう。

 そして、「強い経済」との関係では、医療・介護という社会保障分野で需要と雇用をつくることが、成長の重要な柱になっている。10年間で、新規市場50兆円、新規雇用284万人が生まれるという。高齢化が進めば医療と介護の需要が増えるのは当然だし、ここが成長分野になり得ることはたしかだが、それにしても社会保障が成長のエンジンになるということがあり得るだろうか。

 ≪社会保障でさらに難易度増≫

 それには、両分野に参入する民間企業が高い収益をあげ、高い賃金を払えるようにならねばならない。

 強い経済と強い財政の両立だけでも相当に難しい課題なのだが、まだ、ここまでなら多くの国が目指していることだ。しかし、ここに社会保障の充実という第三の軸が加わったとたんに、難易度は一挙に上昇し、「超」がつくほどむずかしくなる。はたして解は存在するのだろうか。

 首相の発言や民主党のマニフェストからその答えのありかを探ってみると、経済・財政・社会保障をともに強くするという三元連立方程式を解くカギは、「増税をすることで経済が成長する」という理論にあるようだ。

 増税をして強い財政をつくり、さらに増税を財源として社会保障サービスを増やせば、国民は安心してお金を消費に回すことができるようになり、経済が成長する、というシナリオである。「増税をしても使い道を間違えなければ経済は成長する」と、菅首相はたびたび口にしている。

 安定的な社会保障制度をつくることは、重要だ。毎年1兆円以上増えている社会保障費を賄うには、増税も必要だろう。しかし、社会保障費を増やすことで成長する、という甘いシナリオを信じることは、私には到底できない。

 社会保障分野で民間部門がよほど成長するのでない限り、増税分を政府がみずから支出して、それが経済成長に大きく貢献するなどということがあるのだろうか。医療や介護で、潜在的な需要が満たされずにいるのは、さまざまな規制や制度がじゃましているからであって、その改革が先決だ。

 今回示された試算では、新成長戦略どおり名目成長率3%で推移したとき、前述の財政目標を達成するには、2020年度で約14兆円の赤字を埋める必要があり、仮に消費税で増税すれば税率11%弱になることが示されている。

 ≪消費税10%の前提もあいまい≫

 しかし、この推計は、増税をして社会保障給付費を拡大させるという前提には立っていない。どういうメカニズムで、増税と社会保障費拡大のセットが成長に結びつくのか、モデルでも示してほしいものである。

 増税が成長につながることを前提にシナリオを描くのなら、まずは、どんな社会保障制度であれば成長にプラスになるのかを具体的に示すべきだ。若い世代にとっても負担が過重にならず、かつ将来の給付を確実に約束できる社会保障制度の姿を示すべきだ。

 スローガンは、力強いほうがいい。経済と財政と社会保障を一体で改革することも大賛成だ。しかし、税率の根拠も曖昧(あいまい)なまま、消費税率を10%にすることで全体の帳尻があい、三元連立方程式の答えが見つかるような議論には無理がある。

 高らかなスローガンと消費税率10%の関係は、いまだ説明されていない。

 せっかく消費税を選挙の争点にすえるなら、せめて年金制度ひとつでいいから、現実的な公約がほしい。衆議院任期満了までのこの3年間に、団塊世代は65歳を超し、本格的な年金受給層になる。社会保障制度改革にはきわめて重要な3年間なのである。(おおた ひろこ)

(2010.6.29 03:11 産経)
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日航、定年後の再雇用凍結 事業の大幅縮小で

2010-06-29 23:09:30 | Weblog
 会社更生手続き中の日本航空は、60歳以上の定年退職者を契約社員として再雇用する制度を当面凍結する方針を固めた。今秋以降に国内外45路線を廃止するなど事業規模を大幅に縮小するため、退職者に就業機会を提供するのは困難と判断した。労働組合と調整し、策定中の更生計画案に盛り込む。

 現在、子会社のJALグループシニアセンター(JGSC、東京・品川)を通じて高齢再雇用者330人を各職場に派遣している。7月以降の退職者はJGSCで再雇用せず、再雇用中の330人も契約が終わり次第、雇い止めにする方針。

 また、現在は55歳の時に定年後の意向を確認し、再雇用希望者には賃金を減額する措置を取っている。再雇用制度の凍結に合わせて、減額分を一部払い戻す。

 JGSCは2005年11月の設立。運航トラブルや整備ミスが多発した時期で、再発防止策としてベテラン整備士の再雇用が目的だった。65歳までの安定した雇用機会の提供を企業に義務付ける「改正高年齢者雇用安定法」が06年に施行されたのを受け、対象職種を全分野に広げた。

 一部の労組からはコンプライアンス(法令順守)の観点から制度凍結を懸念する声が出ているが、管財人の企業再生支援機構は「関係省庁からは一定の理解を得ている」としている。経営再建が軌道に乗り次第、凍結措置を解除する方針だ。

(2010/6/29 2:00 日経)
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ワーク・ライフ・バランス:わが社の場合 サッポロビール

2010-06-29 01:26:49 | Weblog
 <WORK LIFE>

 ◇「違い」認め社業を活性化
 サッポロビールは、女性の活用を含むダイバーシティーを推進するため、今年1月に社内に役員をトップとする「ダイバーシティ推進ボード」を設置した。ダイバーシティーを「お互いの違いを認め、それを生かすこと」と定義。女性の活用だけではなく、世代や部門、職種や職歴の違いから来る多様な考え方を最大限に生かし、製品開発や営業など社業の活性化につなげるのが目的だ。福原真弓ダイバーシティ推進グループリーダーは「女性の活用だけでなく、性別や世代を問わず社員一人一人の成長を目指す」と話す。そのため、四つの部会を設け業務や制度の見直しに取り組み始めた。

 各部会は最大9人程度で、地方勤務や共働きなどさまざまな境遇の社員をピックアップ。数カ月から1年で提言をまとめる。すでに提言をまとめた「新入社員育成部会」では、若手社員が新入社員の相談相手になる「新入社員サポーターズ」制度を提言。今年4月から導入した。若手社員へのアンケートで、「もっとかまってほしい」という声が多く、上の世代が想像していた以上に若手社員がコミュニケーションを求めていたことに着目。志願した若手先輩社員が新入社員の相談に乗ったり、飲み会を開いたりするシステムを作った。

 サッポロの今年4月入社の事務系大卒の新入社員は、初めて女性の数が男性を上回った。女性が過半数を占めたことで、研修などでも積極的に女性がリーダーになるなど以前と雰囲気が変わったという。女性の開発チーム、「華☆プロジェクト」がチョコレート風味の発泡酒を開発するなど、ダイバーシティーの視点を生かすことが、結果的に女性の活用につながっている。【井出晋平】

(毎日新聞 2010年6月28日 東京朝刊)
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JR不採用:最高裁で和解 機構側200億円払い

2010-06-29 01:21:59 | Weblog
 1987年の国鉄分割・民営化に伴う国労組合員ら1047人のJRへの不採用問題で、国労などが旧国鉄の債権、債務を引き継いだ鉄道建設・運輸施設整備支援機構に損害賠償などを求めた計5件の訴訟は28日、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)で、機構側が約200億円を支払うことなどで和解が成立した。

 「戦後最大の労働問題」は4月の政治決着を経て、23年ぶりに裁判上も解決。今後は組合員らが求めているJRへの雇用が焦点となる。

 原告側の代理人などによると和解条項は(1)機構側が原告側に対し、政治決着で合意した約200億円を30日に支払う。ただ、関連訴訟で既に支払った約29億円は差し引く(2)原告側は東京地、高裁で係争中の訴訟を同日、取り下げる--ことが柱。

 国労によると、910人の原告のうち6人は和解に応じず、裁判を継続するという。

 政治決着にあたり、政府は組合員らのJRへの雇用について「努力する」としたが、JR各社は厳しい姿勢を示している。国労によると、原告904人のうち322人がJR各社や関連会社、自治体などへの再雇用を希望している。

 係争中の訴訟は、解雇された国労組合員らが2002年以降、地位確認や損害賠償を求めて起こした。東京高裁が昨年3月、機構側に約15億円の支払いを命じるなど、うち2件で組合差別を認める判決が出ていた。

(毎日新聞 2010年6月28日 10時16分)
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2010参院選 どうする子育て支援(3) 母子家庭対策  低所得、子の進学にも影響

2010-06-27 22:56:31 | Weblog
 佐藤友子さん(36)=仮名、名古屋市=は、小中学生三児の母。二年前に離婚し、その後、ヘルパーの資格を取得。パート職員として、高齢者のデイサービスセンターで働いている。

 三月までは、一日八時間、週四日の勤務で、給料は月十二万円ほど。賃貸住宅の家賃だけで約七万円かかる。所得と子どもの数に応じ、国から支給される児童扶養手当などの公的支援が不可欠だ。

 一般に母子家庭は、所得が少なくなりがちだ。厚生労働省調査では、二〇〇五年の母子家庭の平均所得(総所得)は二百十三万円で、全世帯平均の四割にも満たない。八割以上が就労しているものの、生活保護や児童扶養手当を除く就労収入は百七十一万円にすぎない。

 神戸学院大の神原(かんばら)文子(ふみこ)教授(社会科学)によると、雇用慣行のために結婚、出産で仕事を辞める女性が多いのが原因だ。

 「その後の就職先は、低賃金で不安定な非正規雇用が多くなる。保育環境が不十分なため、ひとり親の働ける職場の選択肢は狭まり、賃金がさらに低くなる傾向がある」と同教授は言う。

 日本家族社会学会による〇四年の全国調査では、十九~二十四歳の第一子が大学に進学した割合は、全体で39%だったのに、母子家庭は12%。同教授は、余裕のない経済状況が子の進学にも影響を及ぼしていると指摘。「児童扶養手当は子が十八歳になった年度で打ち切り。安いはずの国立大の授業料も今は年約五十三万円になるなど、厳しい環境」と話す。

 「子どもが成長して、お金がかかるようになってからの支援が手薄なので心配」。今は生活が成り立っている佐藤さんも将来への不安を感じ、より高い時給が得られる看護師の資格を取ろうと、四月から平日の午後、看護学校に通い始めた。

 平日は勤務を短縮したため、収入が半減。初年度で七十万円かかる学費も負担だ。それでも生活が成り立つのは、学校に通う間の生活費・学費として、毎月最大で十四万一千円(住民税非課税世帯)が国から支給される「高等技能訓練促進費」のおかげ。

 この制度は、ひとり親がより高い収入を得るため、資格の取得を促す制度。児童扶養手当の削減策と引き換えに、小泉政権時代の〇三年に始まった。

 当初は、修学期間のうち最後の三分の一しか給付金が出ないなど、使い勝手が悪かった。昨年の麻生内閣で、全通学期間、支給されるよう改められた。保育士、作業療法士なども対象。自治体によっては、栄養士なども対象になる。

 「全期間、給付されない以前の仕組みでは利用できなかった。頑張れば自立できるようなバックアップを充実させてほしい」と佐藤さんは考える。

 ただ、同制度に対しては、女性の失業中の場合などに生活費など支援の上積みが必要との指摘もある。全期間で給付金が受け取れる措置も当面、一二年三月の入学者まで。その後どうなるかは国の判断にかかっている。

 神原教授は「もう少し支援対象となる資格に幅があれば」としつつ、同制度を評価する。その一方で、「普通に働いて生活が成り立たない状態や、働けない状況を解消しないと」と指摘、キャリアアップ支援策と並行して、最低賃金の引き上げや、ボランティアも活用した保育環境の整備などを求める。

     ◇

 参院選マニフェストでは、民主党が雇用格差是正やワークライフバランス(仕事と生活の調和)への取り組みを挙げ、自民党は母子家庭などが子育てと就業を両立できるような環境整備を主張。公明党や共産党、社民党なども子育ての環境整備と、最低賃金引き上げに触れるなど、ひとり親家庭の支援に関する政策を掲げている。 (佐橋大)

(2010年6月26日 東京新聞)
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「参院選に関心」83%

2010-06-27 22:55:34 | Weblog
 グラフの数値は、小数点以下四捨五入のため、合計が100%にならないことがある。0は0・5未満。 読売新聞社の全国世論調査で、参院選に「関心がある」とした県内の有権者は83%に上り、前回の2007年参院選調査の76%を7ポイント上回った。ただ、「必ず投票に行く」は72%と前回より1ポイントの微減で、関心の高さがどこまで投票率に結びつくのか不透明だ。政党支持率は民主41%、自民20%、みんなの党6%と続いた。重視する政策で多かったのは「景気や雇用」30%、「年金など社会保障」26%で、「消費税など税制改正」は3番目の12%にとどまった。

■関心度

 山梨選挙区が「民主・自民対決」の象徴として全国的に注目されていることが参院選への「関心度」を高めたと見られる。

 だが、関心度の内訳を見ると、「大いにある」は45%で、前回の07年調査(59%)を下回った。一方、「多少はある」は38%で、前回(17%)の倍以上に増えた。

■投票行動

 山梨選挙区の投票率は、前回07年参院選が63・65%、前々回04年参院選が61・81%だった。

 投票に「必ず行く」72%は前々回(76%)と比べても低めだ。年代別では、「60代」「70代以上」は8割以上が「必ず行く」とした。逆に「20代」「30代」は5割未満だった。

■政党支持率

 民主支持層を年代別で見ると、「60代」が49%と最も高い。職業別では、「農林水産業」が6割近くと突出し、「商工自営」「給与所得者」「専業主婦」も4割台と高い。甲府市など都市部で高く、町村部で低い傾向も見られた。

 自民支持層は、職業別では「無職」が3割弱と最も高く、「給与所得者」は15%と低め。年代別では「70代以上」は31%だが、「40代」はほぼ1割と低かった。また、「支持政党なし」の無党派層は15%だった。

 一方、菅内閣支持率は、「支持する」が50%で、「支持しない」の31%を上回った。

■政策

 最も重視する政策は、民主支持層が「景気や雇用」37%、自民支持層は「年金など社会保障」35%、みんなの党支持層は「中央省庁の改革」がおよそ4割を占め、トップだった。「消費税など税制改革」は民主、自民支持層ともに10%程度だった。

 鳩山首相退陣の一因になった「政治とカネ」は民主支持層が5%、自民支持層が4%にとどまった。

     ◇

 調査は24、25日、県内有権者を対象に無作為で作成した番号に電話をかける方法で行った。有権者の在住が判明した854世帯のうち、514人から回答を得た(回答率60%)。

(2010年6月27日 読売新聞)
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疑問多い一律の最低賃金

2010-06-26 22:53:38 | Weblog
 政府は新成長戦略に、働けば少なくともこの額はもらえるという最低賃金の引き上げを明記した。2020年までのできる限り早い時期に、最低賃金を時間あたり800円まで上げ、全国平均で1000円をめざすとしている。

 だが、都道府県ごとに決めている最低賃金に全国一律の基準を設けると、地域によっては中小企業が大幅な賃上げを強いられる。

 最低賃金を上げて生活不安を和らげることは必要だ。ただし、人件費が急に増えて企業の経営が悪化し、雇用が減っては本末転倒だ。政府の目標にはそうした心配がある。

 現在、全国平均で時間あたり713円の最低賃金は、地域によって開きが大きい。最も高い東京都は791円、最も低い沖縄、宮崎、長崎、佐賀の4県は629円だ。

 これが800円になった場合、その水準まで賃金が上がる労働者は沖縄県で3割強、宮崎など3県でも2割を超える。雇う側の人件費負担は重くなる。

 「最低800円」や「全国平均1000円」への引き上げの前提として新成長戦略は、20年度までの平均で名目3%、実質2%を上回る経済成長を挙げた。だが、その通り成長できても、下請けなどの中小企業は利益があがらない恐れがある。

 それでも賃上げを義務づけられると中小企業の経営は苦しくなる。800円という基準ありきでは、地域経済を悪化させかねない。

 日本の最低賃金の水準は、働く人全体の平均賃金に対し3割にとどまる。ニュージーランドやフランスは5割あり、英国も4割近い。日本は先進諸国のなかで低く、最低賃金の引き上げは必要だ。ただ、経済への影響を抑え国内の生産基盤を守りながら、無理なく進めるべきだ。

 最低賃金をめぐっては一律の基準を掲げるより急ぐべきことがある。最低賃金が生活保護費を下回る東京、神奈川、大阪など10都道府県について、着実に引き上げることだ。

 生活保護費が最低賃金より高いと、受給者の職に就く意欲をそぐ。10都道府県の地方最低賃金審議会は800円という金額にとらわれず、まず生活保護費との格差の解消に努めてもらいたい。

(2010/6/26付 日経)
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2010参院選 どうする子育て支援(3) 母子家庭対策  低所得、子の進学にも影響

2010-06-26 22:50:32 | Weblog
 佐藤友子さん(36)=仮名、名古屋市=は、小中学生三児の母。二年前に離婚し、その後、ヘルパーの資格を取得。パート職員として、高齢者のデイサービスセンターで働いている。

 三月までは、一日八時間、週四日の勤務で、給料は月十二万円ほど。賃貸住宅の家賃だけで約七万円かかる。所得と子どもの数に応じ、国から支給される児童扶養手当などの公的支援が不可欠だ。

 一般に母子家庭は、所得が少なくなりがちだ。厚生労働省調査では、二〇〇五年の母子家庭の平均所得(総所得)は二百十三万円で、全世帯平均の四割にも満たない。八割以上が就労しているものの、生活保護や児童扶養手当を除く就労収入は百七十一万円にすぎない。

 神戸学院大の神原(かんばら)文子(ふみこ)教授(社会科学)によると、雇用慣行のために結婚、出産で仕事を辞める女性が多いのが原因だ。

 「その後の就職先は、低賃金で不安定な非正規雇用が多くなる。保育環境が不十分なため、ひとり親の働ける職場の選択肢は狭まり、賃金がさらに低くなる傾向がある」と同教授は言う。

 日本家族社会学会による〇四年の全国調査では、十九~二十四歳の第一子が大学に進学した割合は、全体で39%だったのに、母子家庭は12%。同教授は、余裕のない経済状況が子の進学にも影響を及ぼしていると指摘。「児童扶養手当は子が十八歳になった年度で打ち切り。安いはずの国立大の授業料も今は年約五十三万円になるなど、厳しい環境」と話す。

(2010年6月26日 東京新聞)
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道:雇用事業の財産、廃業事業者に未承認で処分 補助金返還請求へ /北海道

2010-06-25 04:05:50 | Weblog
 新規事業で雇用拡大を目指す事業者に補助金を支給する道の「一村一雇用おこし事業」を巡り、09年度までに営業譲渡や廃業などに追い込まれた38事業者のうち、18事業者が補助金で購入した備品などの財産を道に無断で処分していたことが分かった。総額は数千万円に上るとみられ、道が補助金の返還請求を検討している。

 道雇用労政課によると、同事業は新規事業について、250万円を上限に補助するほか、新規雇用分の賃金として1人当たり年間30万円まで助成する。03年度の制度開始以降7年間で164市町村の359事業者に総額13億5000万円が支払われ、このうち財産を処分した18事業者には計約8200万円を補助していた。

 単年度補助のため、翌年度以降に廃業するのは自由だが、道は原則5年間、事業者に営業状況の報告を求めている。廃業などで50万円以上の財産を処分する場合、道の承認が必要となるが、こうした手続きはマニュアルに書かれておらず、総合振興局や振興局の担当者は勝手に財産を処分されたことに気付かなかったという。

 また、補助を受けながら、現在は全く新規雇用していないケースも7事業者で確認された。これもマニュアル化されていないため、道は事業者側から報告を受けていたにもかかわらず具体的対応を取っていなかった。

 23日の道議会予算特別委員会で質問した小野寺秀議員(自民党・道民会議)に対し、坂口収・道経済部長は、「不適切な事務処理が明らかとなり、遺憾。今後は適切なフォローアップが行われるよう徹底したい」と述べた。【和田浩幸】

(毎日新聞 2010年6月24日 地方版)
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非正規雇用の電話相談開始 25日から

2010-06-25 03:59:05 | Weblog
 連合福岡ユニオンは25日から27日まで、非正規雇用者の無料相談電話を開設する。不当な雇い止めや賃金の相談、暮らしの悩みにスタッフが対応する。25日と26日は午後1-8時、27日は午後1-6時。電話=092(273)2114、2161。

 連合福岡ユニオンの事務所(福岡市博多区店屋町)での訪問相談も受け付ける。

(2010/06/25付 西日本新聞朝刊)
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くらしと政治:’10参院選/2 30代の苦悩 雇用改善、託したのに

2010-06-24 00:23:05 | Weblog
 ◇先見えぬ求職活動 結婚おろか生活危うく
 「結局、できもしない理想ばかりだった。与党になったらどこも同じなんでしょうか」

 民主党が現実路線に転換した参院選マニフェスト(政権公約)を発表した17日、東京都墨田区の優子さん(39)はため息をついた。昨年衆院選では「雇用が良くなるかも」と民主党を支持したが、期待はしぼんだ。

 派遣社員としてIT企業で12年余り働いた。退職を促されたのは、歴史的な政権交代から半年が過ぎた今年3月だった。ITバブル時代は正社員への道も開かれていたがかなわず、08年秋のリーマン・ショック以降は派遣切りが続いていた。

 「いつ仕事がなくなるか分からない緊張と不安はもうたくさん」。正社員を目指し、ハローワーク通いが続く。借家で父と2人暮らし。家賃を払ってくれている父も、もうじき70歳になる。

 毎日新聞の参院選アンケートには、一歩先のくらしさえ見えない30代の切実な声が次々と寄せられた。バブル崩壊後の就職氷河期に社会に出た世代。不安定雇用でリーマン・ショックに直撃され、独身で実家に身を寄せるパラサイトシングルも少なくない。

 そんな彼らが政権交代には強い期待を抱いた。03年に50・72%まで落ち込んだ30代の衆院選投票率が昨年は63・87%に急回復。だが、袋小路の中で芽生えた願いは、あきらめに戻りつつもある。

    *

 「早く仕事を探せ」。年金生活の父が毎日口にする一言が、呪文のように頭の中で渦を巻く。岐阜県の男性(34)は実家からハローワークに通って1年半。無職の30代が親を殺す。親に殺される。そんなニュースを聞くたびに自分が怖くなる。

 高校を卒業し地元中小企業に採用された。2年前の秋、工場長に突然解雇を告げられた。「業績不振は知っていたが、まさか自分がリストラなんて」

 ハローワークで面接先を紹介されても、数十倍の狭き門ばかり。条件を落としパートに応募すると「欲しいのは女性」と断られた。「取りあえず生きていけるだけの仕事でいい。このままでは生活保護のお世話になってしまう」。焦りが募る。

 「自分の1票で政治は変わらない」と思ってきた。でも職を失った昨年は衆院選の投票に足が向いた。選挙区は民主に、比例は最低賃金アップや消費税増税反対を掲げる共産党に託した。

 それから9カ月。政権交代して良かったと思うことは、事業仕分けしか見あたらない。

 「最小不幸の社会をつくる」。8日に就任した菅直人首相の発言をニュースで知った。一瞬「いい響き」と思ったが、疑問になった。一人一人が不幸を分け合うというのか。多くが幸せになる中で、取り残される人が現れはしないのか--。

 大企業に就職した同級生は育児の真っ最中。自分も結婚相談所に登録したことがある。学歴、収入、女性たちの希望は高い。「少子化対策というなら、子ども手当より、結婚できる人を増やすべきではないのか」。そう思えてならない。【遠藤和行、清水優子】

==============

 <親世代からの声>

 ■娘がうつ病で入院。3カ月ごとの使い捨てで自信が持てなくなったのだと思う。38歳の長男も50回ほど履歴書を送ったが、面接どまり。私の年金とパート収入で3人の生計を立てている(大阪府・60代女性)

 ■38歳の息子は仕事が見つからず、私の年金を仕送りしています。心中寸前です(埼玉県・70代女性)

 ■自分の老後より子どもたちの将来が見えないことがたまらなく不安。20代、30代に手を差し伸べる国であってほしい(福島県・50代女性)

(毎日新聞 2010年6月23日 東京朝刊)
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四国4県企業の景況感、復調鮮明

2010-06-24 00:21:32 | Weblog
 四国4県の企業の景況感が改善している。四国経済連合会が22日発表した6月の景気動向調査によると、景気が「既に回復・回復傾向」にあると答えた企業の割合が30%に達し、2007年12月(32%)以来の高い水準となった。アジア需要の高まりで生産が上向き、波及効果が賃金や雇用面にも表れ始めた。

 調査は5月25日~6月8日、四経連会員企業を中心に425社を対象に実施。278社から回答を得た。景気が「回復・回復傾向」とする企業の割合は3月の前回調査を17ポイント上回り、2期連続の改善となった。

 景況感の改善を支えているのはアジアの新興国需要の高まり。中国向けは、四国化成工業など化学メーカーが生産するラジアルタイヤ原料の不溶性硫黄などの輸出が好調。自動車分野だけでなく、携帯電話用の半導体集積回路や家電向け発光ダイオード(LED)の出荷も伸びている。

 生産が「前年同期に比べ増加」している企業は33%で前回比6ポイント上昇し、07年12月以来2年半ぶりに「減少(26%)」を上回った。3カ月後の予想でも「増加(32%)」が「減少(19%)」を上回る。

 生産の改善は賃金や雇用にも波及しつつあるようだ。今年度のボーナス(予定を含む)を「引き上げる」が30%となり、07年調査以来3年ぶりに「引き下げる(14%)」を上回った。ベースアップも「実施」が40%と、前回調査の35%から上昇した。

 雇用調整を実施している企業の割合は24%と、ピークの09年6月と同9月(36%)から低下傾向。従業員の残業規制などが減り、現状では新卒採用や中途採用の抑制が中心となっている。

 景況感や生産の改善はその他の指標にも広がっている。今年度の「設備投資計画」で「増加する」が24%と前回(23%)を上回り、「減少」は28%から27%に低下した。在庫も「過剰・やや過剰」が31%と4期連続で低下した。

 ただし景気や業績の先行きには警戒感も残る。景気が回復すると予想する時期は「1年より先」が78%で前回(76%)、前々回(77%)とほぼ横ばい。企業業績は「大変良い・良い」の比率が増えているものの、なお全体の18%にとどまる。

 業績が良くなる時期についても「1年より先」が66%と、デフレや消費の手控えによる売上高の確保が難しい状況が続くとの見方が多い。設備投資を増やす主な理由・分野は「合理化・省エネ」や「維持・更新」などが中心で、新規分野への投資意欲は依然低い。

 政府に期待する経済政策(複数回答)については「法人税減税」が66%でトップ。前回調査でトップだった「インフラ整備」は51%で3位に下がり、「消費喚起」が52%で2位となった。

(2010/6/23 6:18 日経)
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最低賃金:声からし「引き上げを」 徳島労連組合員、座り込みアピール /徳島

2010-06-24 00:18:59 | Weblog
 最低賃金の引き上げを訴えようと、徳島労連(山本正美議長)の組合員らが22日、徳島市の徳島労働局前の歩道で座り込みアピールを行った。約20人が参加し、現在の県内最低賃金633円(時給)に合わせて午前7時半から633分間にわたってのぼりや横断幕を掲げた。

 「最低賃金デー」と題した全国一斉行動の一環。通勤時間にはチラシを配って理解を呼び掛けたほか、労働局に対して最低賃金引き上げに向けた取り組み強化を要請した。

 3日に開かれた政府、経済団体、労働組合による「雇用戦略対話」では、最低賃金の全国平均を20年までに1000円以上にすることで合意している。森口英昭事務局長は「景気は厳しい状況だが、最低賃金の引き上げは消費拡大にもつながる」と訴えていた。【井上卓也】

(毎日新聞 2010年6月23日 地方版)
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公務員退職管理方針 野党が「天下り容認」と批判

2010-06-23 01:28:04 | Weblog
 政府が22日に決めた国家公務員の退職管理に関する基本方針は、民主党が掲げる「天下りのあっせん禁止」で退職者が出にくくなった実情への改善策だ。中央省庁で同期入省が事務次官になるまでに、ほかの同期が退職するかわりに、役所がその後に配慮してきた長年の慣行を廃止すれば、退職者が出なくなるのは当然でもあるためだ。

 基本方針は希望退職制度の導入検討や幹部職員を対象にした新・専門スタッフ職制度の整備、公益法人や非営利組織(NPO)法人への出向の拡大などをあげている。前政権で公務員制度改革を担当した仙谷由人官房長官は、民主党が提唱する官僚の「天下りあっせん」の根絶について「生活権が公務員にもある」「なかなか容易なことではない」と難しさを認め、今後の進め方については「甘味音交流を大いに行うなどをやっていくしかない」と語った。

 菅直人政権は、官僚が現役のまま独立行政法人などに出向すれば退職金が発生しない利点があると主張するものの、野党は「事実上の天下り容認だ」「民主党の方針転換だ」と批判している。

(2010/6/23 0:58 日経)
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阿久根市長に知事が助言、県議会は市長非難決議

2010-06-23 01:27:38 | Weblog
 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が市議会を招集せず、職員らのボーナス半減や市議の日当制導入などの専決処分をしている問題で、伊藤祐一郎知事は22日、市長に対し、地方自治法に基づき事務処理の適切な運営を求める助言を行った。

 総務省によると、法的拘束力はなく、市長は助言に従わない公算が大きい。

 市長は、6月上旬に開かれていた議会定例会を招集せず、職員、市議、市長のボーナス半減などを専決処分した。これに対し反市長派市議は8日、市長に臨時議会の招集を請求した。同法では請求があった場合、市長は20日以内に臨時議会を招集するよう規定している。

 しかし、招集日を伝える告示期限だった21日までに市長が告示しなかったため、県は助言に踏み切った。

 県の三橋一彦総務部長が22日、市役所を訪れ、「二元代表制や法治国家における地方自治の運営のあり方からみて適正を欠いている」などとした文書を市長に提出。臨時議会を招集することや、職員らのボーナスなどを専決処分前に戻すことを求めた。

 一方、県議会は22日の最終本会議に、竹原市長に対する非難決議を超党派で議員提案し、全会一致で可決した。

(2010年6月22日21時12分 読売新聞)
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