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正社員、5年でなれる!? 契約社員やパート、心の準備を

2016-10-18 08:15:20 | 労働
18年4月に権利、企業も相次ぎ転換ルート

 非正規社員のうち、期限つきの労働契約で働くパート社員や契約社員1485万人にとって、今から2018年4月までは、将来の働き方を考える特別な時期になるだろう。18年4月には労働契約法の5年転換ルール(無期転換ルール)により、無期転換権を手にする人が大量に出るからだ。働き方改革に敏感な企業は前倒しで「単純無期化」や「限定正社員化」などの転換ルートを設け始めた。

SMBC日興証券は契約オペレーターの高い技量を買い専門社員制度を設けた(東京都豊島区の池袋サービスセンターで)
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SMBC日興証券は契約オペレーターの高い技量を買い専門社員制度を設けた(東京都豊島区の池袋サービスセンターで)
アルバイトから職務限定正社員に転換した安藤正男さん(右)(東京都中央区の建設技術研究所)
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アルバイトから職務限定正社員に転換した安藤正男さん(右)(東京都中央区の建設技術研究所)

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 「会社から『専門社員にならないか』と打診されたのは今年初め。契約更新の心配がなくなり電話応対の技術を究められるなど、私にはメリットが大きい働き方だと思った」。SMBC日興証券の「コンタクトセンター」で、10年以上、全国124支店に入る電話に応対してきた中村陽子さん(46)はそう話す。

 中村さんは、全国に62人いた1年契約のオペレーター全員と共にこの7月、無期雇用で職務や居住地の変更がない専門社員(限定正社員)に転換したばかり。第1人事課長の芝聡太郎さんは「転換者の年収は300万~400万円。年1カ月分を基本に業績に応じた賞与と、交通費も出すようにした」と話す。

 中村さんの転換は、労働契約法18条の5年転換ルールの先取りによるもの。18条は有期雇用の不安定さを改善するため13年に施行された条文で、同じ事業主と契約を更新し続け、期間が5年を超えると無期転換権が発生する。その人が転換の意思を示すだけで、契約が原則的に無期になる強力な権利だ。

 5年以前に契約を打ち切る雇い止めも懸念されたが、15年の労働政策研究・研修機構の調査では「契約が5年を超えないようにする」と答えた企業は6%。逆に「5年を超える前に無期化する」とした企業が19.6%だった。

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 実は5年転換ルールは、転換時の処遇改善までは求めていないのだが、SMBC日興証券のように、これを機に限定正社員制度を導入する企業が目立つ。それらを見渡すと、前倒しで無期化を考慮中の企業が提示できる転換ルートは主に(1)単純無期化(2)限定正社員化(3)一気に総合職正社員化――の3通り。さらに(4)として転換を希望しない人の処遇も示す必要がある。

 複数ルートを組み合わせる企業もある。主婦を中心に1万人のパート社員を雇用するコープみらい(さいたま市)は、地域限定正職員と単純無期の2つのルートを用意した。まず、1日7時間半働き小型店の店長などをしていた約400人を14年、地域限定正職員にした。次いで6月、1日4時間就業が多い9600人のパートのうち、2年以上勤務し、評価が基準以上の5800人を無期転換した。

 この2社が法の規定よりハードルが高い限定正社員化や前倒しでの無期化に動いた背景には、人手不足と労働市場での競争がある。

 SMBC日興証券の芝聡太郎さんは「沖縄県のセンターでベテランが無期雇用の他社に転職する例があった。当社の電話応対は500社近くが参加する全国コンテストで5年連続トップ4に入る実力がある。人材流出による質の低下を避けたかった」と話す。

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 技術系企業では高度な職能に焦点を当てた転換ルートの新設が始まった。土木コンサルタントの建設技術研究所は昨年、有期雇用から「多様な正社員」へのルートを新設し、その一類型として「職務限定正社員」をつくった。

 アルバイトとして6年、通信鉄塔などの構造計算をしてきた安藤正男さん(35)は9月に職務限定正社員に転換したばかり。「音楽で生きる夢があり有期で働いてきた。しかし将来などを考え、転換の話に『お願いします』と答えた」と明かす。今の肩書は情報部技師。固定給制で手当が支給されるなど変化を実感し、「上の職務等級を目指す」気持ちが強まった。

 建設技術研究所は12年にも、事務担当の契約社員77人を地域一般職として正社員化した。執行役員の広沢遵さんは「職務限定正社員はまだ2人だが、契約社員などから技術を持った人材を転換させたい」と話す。同社はさらに、職能に合わせて有期社員から無限定正社員、限定正社員、無期に転換、有期のまま――のどれかに進める制度を検討中だ(図参照)。

 労働基準法が認める最長の有期労働契約の期間は原則3年。13年4月に3年契約を結び、この4月に同条件で更新した人は契約期間が5年を超え、すでに転換権が発生している。1年以下の契約を結んでいる大多数の人は、18年4月に転換権が発生する。

 該当する人にとっては、今後は勤務先企業などが、どんな転換ルートを提示するかに注意が必要だ。転職先や就職先探しの重要な目安になる。

(礒哲司)

(2016/10/17付日本経済新聞 夕刊)
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