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「実態解明に期待」「大きな警鐘」 電通違法残業、裁判で審理

2017-07-13 08:26:21 | 労働
 政府の働き方改革の議論に大きな影響を与えた電通の違法残業事件は、公開の法廷で審理されることになった。東京簡裁は12日、同社への略式命令を不相当と判断。労働問題に取り組む関係者らは正式裁判を通じた実態解明に注目する。企業にとって長時間労働の是正は喫緊の課題で「先例として警鐘を鳴らす意義も大きい」との声も上がる。

 正式裁判になれば、略式の手続きとは異なり、公開の法廷で電通幹部が供述したり証人が証言したりすることで、同社の労務管理の実態がより明らかになる可能性がある。

 労働事件を数多く手がける松丸正弁護士(大阪弁護士会)は「電通は過去にも過労自殺問題を起こしながら長年是正されなかった。問題の根は深く略式不相当とした裁判所の判断は当然。法廷で違法残業の実態が明らかにされる意義も大きい」と指摘する。

 「労働基準法違反は軽微な事件として処理されてきたが、長時間労働への社会の目は厳しさを増している。個人責任の追及を含め厳格な態度が求められる」と訴える。

 厚生労働省によると、今回と同様に東京・大阪両労働局にある過重労働撲滅特別対策班(通称かとく)が書類送検した事案では今年に入り、ファミリーレストラン「和食さと」などの運営会社「サトレストランシステムズ」(大阪市)とスーパー運営の「コノミヤ」(同市)に対する略式命令を不相当とする判断が出ている。

 これまでの違法残業事件は企業だけを略式起訴し、業務を指示していた幹部など個人は起訴猶予とする処分が大半だった。だが最近は検察と裁判所の判断にズレが生じている。

 今回も検察は「労働時間の長さや被害労働者の人数を考慮」するなど前例に従って処分を決めたが、この判断に対して裁判所が待ったをかけたといえる。厚労省幹部は「事件としての重大性や社会的な関心の高さを考えれば、驚きはない」と評価。「違法残業を許さない社会的な風潮が裁判所の判断に影響を与えたのかもしれない」とみる。

 ベテラン裁判官も「電通事件は関係者が多く、書面の審理だけの略式処分では不十分と判断した可能性もある」としたうえで「必要に応じて証人尋問もできる公判が必要と考えても不思議ではない」と指摘する。

 幹部が出廷しなければならず、電通にとっては重い判断ともいえるが、今後の刑事処分の指標となるとの声もある。元労働基準監督官の社会保険労務士、北岡大介氏は「労基法違反に関する刑事事件の判例はほとんど蓄積されておらず、社会的な意義は大きい。企業の担当者も今回の裁判を参考に労務管理のあり方を再構築できる」と指摘する。

 さいたま市の社会保険労務士法人の榊裕葵共同代表は「長時間労働を美徳とする企業風土は日本には依然根強いが、経営者は従業員の働き方を率先して正さなければ刑事責任を問われかねないと肝に銘じるべきだ」と訴える。

(2017/7/13 0:48 日経新聞)
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