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スーツ代もOK!? サラリーマンの「経費扱い」はどこまで拡がるか

2017-01-03 18:55:25 | 労働
ベビーシッター代も将来的には可能か

 マイナンバーの導入で、将来的には「確定申告」の手続きはより手軽になると見込まれています。いまだに確定申告をしないサラリーマンが大多数ですが、所得控除という「経費」を使いこなせているでしょうか。

 所得控除とは、所得税の課税対象額から一定金額を差し引く仕組み。専業主婦や子供など被扶養者がいる場合には「扶養控除」、生命保険料を支払っている場合には「生命保険料控除」が受けられます。

 サラリーマンにとって最も大きいのは「給与所得控除」。年収600万円の場合、「収入金額×20%+54万円」で174万円の控除が受けられます。サラリーマンに認められた「みなし経費」です。

 さらに2013年度の改正で「特定支出控除」の対象範囲と金額が拡大しました。これは「仕事をするうえで必要」と認められた支出が、「給与所得控除の2分の1」を超えた場合に利用できるものです。年収600万円の場合、174万円の2分の1となる87万円を超えた特定支出について課税額から差し引けます。

 特定支出として認められる範囲は、通勤費、転居費、研修費、資格取得費、帰宅旅費、勤務必要経費の6種類。このうち勤務必要経費には、書籍や雑誌などの図書費、制服やスーツなどの衣服費、飲食費やお歳暮代などの交際費も含まれます。

 便利にみえる制度ですが、14年度の給与所得者のうち、確定申告で特定支出控除を適用した人は全国で約2000人。給与所得者は約5500万人ですからごくわずかです。

 原因はいくつか考えられます。ひとつは最も用途が広い勤務必要経費に「65万円」という上限があること。スーツ代や交際費で多額の支出があってもそれだけでは不十分。通勤費や研修費などとの合計が給与所得控除額の2分の1を超えている必要があります。サラリーマンの場合、通勤費や研修費などは会社から支給されることも多いはずです。

 また、特定支出として認められるためには、給与の支払者の証明書を提示する必要があります。転職のために資格取得を目指している場合、資格学校に通っている事実は隠したいわけで、資格取得費を会社に届けるのは現実的ではありません。

 適用できる人を増やすには勤務必要経費の「65万円」という上限枠を撤廃すべきです。そのうえで特定支出の範囲を拡大する必要があるでしょう。政府内でも動きが拡がっています。今夏、厚生労働省は自民党への税制改正要望に、特定支出にベビーシッター費用を加えることを盛り込みました。16年度の税制改正では実現しない見通しとなりましたが、注目すべき動きです。

 ほかにもお得な所得控除の制度はあります。まず調べてほしいのが「医療費控除」。生計をともにする家族の医療費の合計が年間10万円以上(もしくは年収200万円未満の場合は総所得金額等の5%以上)の場合、超過分を所得から控除できます。医療費といっても入院費用や薬代だけでなく、病院に行くタクシー代などの交通費も対象です。また「ふるさと納税」もお得な制度です。自分が選んだ自治体に寄付をすると一定範囲で控除が受けられ、寄付額の3~5割程度に相当する「特産品」を送る自治体が増えています。

 手間はかかりますが、サラリーマンでも確定申告するメリットはあります。特にふるさと納税は、利用者が急増すれば制度が見直される恐れもあります。面倒に思わず、いまのうちに利用しましょう。

 藤川 太

 生活デザイン代表。CFP。1968年生まれ。慶應義塾大学大学院理工学研究科修了。自動車メーカー勤務を経て独立。運営する「家計の見直し相談センター」では2万世帯を超える家計診断を行っている『やっぱりサラリーマンは2度破産する』など著書多数。

 (生活デザイン代表 藤川 太 構成=呉 承鎬)

(2017.1.2 06:25 SankeiBiz)
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