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次世代リーダーの転職学 転職で年収が上がる人・下がる人 アップの秘訣は?

2017-02-13 12:58:09 | 労働
リクルートエグゼクティブエージェント社長 波戸内啓介
 
シェアツイートクリップ2017/2/10

(画像=PIXTA)
 皆さん、今得ている収入は、ご自身の働きや能力に対して適正であると断言できますか? 仕事内容は変わらなくても、どこで働くかによって給与額が変わるという事実があります。今回は転職によって給与アップするケース、ダウンするケースについてお話しします。

同じ仕事をしていても、企業によって数百万円の年収差

 転職を考えるにあたり、やはり「収入の変化」は気になるところです。多くの方、特にこれまで転職活動経験がない方からは、「世の中の給与相場というものがよくわからない」という声が聞こえてきます。実際、転職活動をした方の中には、応募企業から給与提示を受け「こんなにもらえるの!?」、逆に「前職よりこんなに下がるの!?」と衝撃を受けるケースもしばしば見られます。

 もともと給与水準に大きな差がある業界間の異動、外資系企業と日本企業間の異動、大手企業と中小企業間の異動などは、ある程度給与のアップダウンの予測がつくでしょう。しかし、中には、能力に対して適正とはいえない給与額が設定されているケースもあります。そして、転職を機に、前職とほぼ同じ業務内容・ポジションであるにもかかわらず、大幅な年収アップを果たす方もいます。

 次の例はエグゼクティブ層ではありませんが、ある転職コンサルタントは「特に就職氷河期の世代には、最初の就職活動がうまくいかなかったのが原因で、給与額設定が適正ではないと思われる状況で働いている人がいる」と言います。

●40代で年収500万円台。仕事内容を聞くと、管理部門で幅広い業務、難易度の高い業務も担当されている。別の会社に移ってそのスキルをそのまま発揮すれば、すぐには無理でも、そう遠くない将来800万~1000万円レベルに到達するレベルだと思われた。

 このように、同じキャリアでも、会社によって評価額が異なるケースは多々あります。また、こんな転職事例も耳にしました。

●メーカーで年収1000万円以上だった方が、異業界に転職。年収は400万~500万円ほどに減ったが、「未経験だから」「やりたいことだから」と受け入れた。その後、3年間で年収600万円にアップ。しかし、実際には600万円以上の価値のある経験を積んでいた。そして、その分野のビジネスを新規事業として立ち上げようとしていた会社からオファーを受け、取締役として年収900万円で迎えられた。前の会社は昇給のスピードが遅かったが、新たな会社では、実績を上げれば1、2年で倍増も可能と予測される。

 報酬に対する考え方・方針は当然ながら企業によってまちまちです。特にオーナー企業などでは、社長の腹一つで評価が決まり、報酬に反映されるもの。今のキャリアが、会社が変われば大きく評価アップ、あるいはダウンする可能性もあるというわけです。

大手企業の給与体系から外れることで年収が上がる人も

 転職コンサルタントの春日国さんは、「日本の大手企業で経験を積んだ方の中には、外に踏み出すことで年収が上がる人も一定数いる」と言います。

 「日本の大手企業では、実績を上げた社員でも、給与テーブルの範囲内でしか報酬に反映させることができません。他の社員と比べて能力が突出していても、給与額の突出にはつながらないのです。そうした働き盛りの年収800万~1000万円ゾーンの方々は、転職市場に出ると年収アップするケースが見られます。とはいえ大幅に上がるわけではなく、2~3割アップするケースが多いですね。もちろん、大手出身のこのゾーンの方々がすべて年収アップできるわけではありません。感触としては、転職活動する人のうち2~3割といったところでしょうか」(春日さん)

 そうした傾向が強い中、自身のキャリアをピンポイントで求めている企業にタイミングよく出合い、大幅な年収アップを実現する方もいます。

 「外資系企業の日本法人から新規事業部の責任者の採用依頼を受け、国内企業で転職歴がない40歳前半の方が候補になっています。今の年収は1000万円台半ばほど。おそらく採用側は2000万円近く出す用意があると思います。少なくとも数百万円はアップされるでしょう」(転職コンサルタントの渡部洋子さん)といった事例もあるようです。

給与ダウン覚悟で、やりたい仕事を選ぶ人が増えている

 一方、転職によって年収が大幅に下がるケースもあります。

 「年収ダウンとなるケースとして顕著なのは、金融機関から事業会社に移るケース、外資系企業から国内企業に移るケースです。ある程度の予測はしているものの、下げ幅の大きさに躊躇(ちゅうちょ)して、転職をとりやめる方も」(春日さん)

 「それでも、やりたいことを優先し、年収ダウン覚悟で転職する方ももちろんいらっしゃいます。少し前には、外資系金融機関に勤務していた20代後半の方が、年収が3分の1になるのもいとわず、消費財メーカーに転職されました。海外展開を担う仕事にやりがいを感じて決意し、家賃が安い家に住み替えて新たなスタートを切ったのです。今も生き生きと活躍されています。このようにコミットして取り組める方は、新たなステージでも成功されると思います」(同)

 給与が下がってもやりたい仕事をしたいという人はここ4、5年で増えてきたと、春日さんは言います。

 「給与アップを目的に転職に臨む人は、最近では少なくなっているように思います。実際、『Aの案件は将来性もやりがいもあるが、給与額は今よりも下がる』『B、C、Dの案件は給与が上がるが、これまでの仕事と代わり映えがしない』という選択肢があった場合、Aを選ぶ方が圧倒的に多いと感じますね」

 高収入を得た先にあるもの、やりがいある仕事を得た先にあるもの。それらへのイメージを広げることで、自分が本当に優先したい選択肢が見えてくるのではないでしょうか。

 さて、金融機関から事業会社、外資系から国内系への転職では給与ダウンするケースが多いとお伝えしましたが、エグゼクティブクラスの採用となると、それが当てはまらなくなっているのも事実です。各社、グローバルでの競争力強化を図る中、従来の給与体系の枠にとらわれていたのでは、必要な人材を確保できなくなっているからです。既存の給与テーブルにとらわれず「異例」の処遇を工夫する企業も増えています。

 次回は、エグゼクティブの採用における報酬決定の裏側について、最近の事情をお伝えします。

 「次世代リーダーの転職学」は金曜更新です。次回は2月17日の予定です。
 連載は3人が交代で担当します。
 *黒田真行 ミドル世代専門転職コンサルタント
 *森本千賀子 エグゼクティブ専門の転職エージェント
 *波戸内啓介 リクルートエグゼクティブエージェント社長


波戸内啓介(はとうち・けいすけ)
リクルートエグゼクティブエージェント社長
 1989年リクルート入社。営業部門、企画部門責任者を経て、リクルートHRマーケティング関西など、リクルートグループの社長を歴任。2011年リクルートエグゼクティブエージェント社長に就任。
 リクルートエグゼクティブエージェント(http://www.recruit-ex.co.jp/)

(2017/2/10 日経電子版)
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