知命日記

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<首相改憲発言>自民党内議論難航も「自衛隊違憲」解消せず

2017-05-11 03:05:21 | ☆時事問題

 安倍晋三首相は、憲法9条に自衛隊の存在を明記する自民党の改憲案策定を急ぐ方針を示した。首相は与野党の合意を優先し、戦争放棄を掲げる9条1項、戦力不保持と交戦権の否認を定めた9条2項は維持すると主張するが、自衛隊の明記と現条文の両立には多くの課題があり、自民党内の議論が難航する可能性もある。

 「国民的な議論の深まりを期待する。憲法審査会で政党間の議論を大いに深めたい」。首相は10日、首相官邸での政府・与党連絡会議で自身の9条改正案への理解を求めた。

 首相は9日の参院予算委員会で「9条1、2項はそのまま」と明言し、3項を新設して自衛隊を明記する考えを説明。「憲法学者の7、8割が違憲と言っている状況を変える」ためだと訴えた。

 ただ自衛隊を巡っては長年、「わが国を防衛するための必要最小限度の実力組織」で、2項が禁止する「戦力」に当たらないという政府見解が定着。現憲法下で自衛隊の運用に支障はなく、最高裁が自衛隊の存在を違憲と判断したこともない。

 このため、1、2項の範囲内で存在を憲法に記すだけなら、自衛隊の実態は特に変わらない。ある公明党幹部は「国民の大多数は自衛隊が違憲とも思っておらず、首相案は必要性がないのでは」と困惑する。

 一方、自衛隊の存在に対する違憲論は、自衛隊がやはり2項の戦力に当たるとする学説だ。2項がそのまま残ればこうした主張の根拠も保たれ、「自衛隊を3項に書き込んでも解決にならない」(内閣法制局関係者)との指摘も出ている。

 逆に2項と矛盾せずに自衛隊の存在を明記しようとすると、3項の条文をどう書くのかが課題。首相は自らの案でも「現在の憲法上の制約は受ける」と答弁したが、自衛隊と2項の整合性をどう確保するかは大きな論点となりそうだ。

 さらに、安倍政権が2014年に閣議決定した集団的自衛権の行使を容認する9条解釈変更に対しては、憲法学界から「違憲だ」と批判が根強い。1、2項を維持する首相案では、安全保障法制を巡るこうした違憲論の解消にはつながらない可能性がある。

 また首相は予算委で自衛隊のシビリアンコントロール(文民統制)に関する条項についても問題提起しており、議論を複雑にしそうだ。

 ただ、首相の狙い通りに改憲議論が加速すれば、将来的に9条の抜本改正論が浮上する可能性もある。政府内には「首相はひとまず9条を変えたという実績を作り、次につなげる『2段構え』かもしれない」との声も出ている
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