知命日記

歯科医、現在 休養中、「木偶庵」庵主、メインサイト http://www.jiro-taniguchi-fan.com/

大岡信さん死去、86歳 

2017-04-06 02:23:17 | ☆時事問題
 この代表作「春のために」がもつ向日性は、人間・大岡信のものでもあった。幅広い領域の人々と交友し得たその人柄は、「うたげ」の重視や、連句、連詩の創作といった彼の文学の核を成す理論・実践にも関わっていたはずだ。1980年代に話題を呼んだ「へるめす」などジャンル横断的な雑誌の編集にも熱心に取り組んだ。

 2002年に取材した山口・秋吉台の現代詩セミナーでも、谷川俊太郎さんとの対談で大岡さんは、連詩の「人と人をつなぎとめる力」を強調していた。一方で、連詩に必要なのはなれ合いではなく、詩人同士が互いの異質性を尊重することだとも常々力説していた。

 「詩への架橋」「折々のうた」「私の万葉集」など、大岡さんの本に導かれて詩の魅力に触れた読者は多いだろう。しかし、それは単に紹介や鑑賞の巧みさによるのではない。昭和1桁(6年)生まれで戦時中に少年期を送った詩人は、戦中・戦後に横行したイデオロギー先行の文学に左右を問わず反発した。そして膨大な読書の末に、独自の「開かれた視野」を築いたのだ。

 だからこそ、柿本人麻呂であれランボーであれ、万葉や古代メソポタミアの名もなき詩人であれ、大岡さんは彼らの言葉を、現代人のものと同じように理解し、笑い、感動することができた。日々の暮らしとともにある「生きたことば」の芸術として詩の意味を語り続けた功績は、極めて大きい。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170405-00000127-mai-soci
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