人材育成社のブログ

 人粒を実らす人材育成の日々
(一粒=ひとつぶ)

研修はどの階層から行うと良いのか

2017年02月22日 | コンサルティング

研修は若手から始めるのが良いのか、それとも管理者から始めるのが良いのか。

どちらを先に行うとより良いのか?

これは古くて新しい議論です。私が人材育成の仕事に関わるようになって、既に24年が過ぎていますが、思えばその頃から現在に至るまで、度々議論されているテーマだと思います。

どちらを先に行うと良いのかは、研修テーマや成果をどこに求めるのかなどによっても異なってきますので、一概にどちらが良いと言えるものではないかと思います。それでも私は総じて管理者などの上層部から行う方がよいと考えています。

もちろん、パソコンスキルのようなテクニカルスキルであれば、上層部から行うべきものとは異なります。しかし、たとえば最近では至上命題になっている感もある「働き方改革」や「女性管理者を増やす」といったテーマに対して、「特に若手の残業時間が長いから若手に対して優先的に実施する」。また、「女性管理職を増やすためには女性の意識変革をしてもらわなければならないから女性限定の研修を行う」というのでは、効果を得ることはなかなか難しいでしょう。

組織として働き方改革を目指すのであれば、その中で個人の努力で改善できる部分は意外と限定的です。仕事のムダや問題を解決するためには、個人の努力で解決できる部分はそれほどないです。多くの場合はチーム単位で対策を練ったり、ときには他部署に働きかけたり、状況によってはお客様に仕事の発注方法について相談したり、依頼したりすることが必要になります。

そして、これらのことは権限を持っている人でなければできません。つまりは管理者が動いて、初めて達成できることなのです。

また、女性の管理職を増やそうとする取り組みについても、女性に意識の改革を迫るだけでは行えるものではありません。管理者が女性のキャリアについてのきちんとした知識を得ることから始めて、個々人のライフステージや本人の希望に応じて仕事を任せたり、経験させたりということをしないと、目的を達成することはかなわないはずです。

逆に、「研修は若手から始めた方がよい」と考える会社であっても、まずは若手に行った後に徐々に階層を上げて、最終的には全階層が研修を受けるというのであればそれも一つの方法だとは思います。しかし、実際には若手から行なおうとする会社の多くは、管理者には研修を行っても無駄だと考えているところがなぜか多いようです。

ためしに、そのような会社の一つに、管理者に研修を行うのは無駄だと感じている理由を尋ねてみると、「年寄りは頭が固くなっているので、今さらやっても仕方がない」との答えが返ってきました。

そこで、「年寄りとは何歳くらいのことを言うのですか?」と確認すると、「50歳以上は年寄り」とのことでした。しかし、最近の雇用延長によって多くは65歳まで組織にいることを考えると、50歳はあと15年も組織にいる人であり、「今後何をやっても仕方がない」と考えるのはいかがなものかと思わざるをえません。

そして、このような考え方の方が組織の中で大きな権限を持って仕事をしていることを考えると、これはやはり少々問題なのではないかと思ってしまいます。

組織は共通言語があって初めて「事」が動きます。そしてその「事」を動かすための「はじめの一手」を出すのは、何と言っても権限を持っている管理者です。

これを踏まえて、弊社で研修を始めるときは、今後も管理者から優先的に行っていく必要性をお伝えし続けていくつもりです。

人材育成のホームページ

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 魚は頭から腐る | トップ | アンケートは何人から取れば... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

コンサルティング」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL