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管理職が守るべき会議の原則

2017年08月20日 | コンサルティング

あなたの会社では会議が多いですか?「わざわざ集まる必要あるかなあ・・・」、「時間が無駄だなあ・・・」と思ったことはありませんか?それはあなただけではありません。日本中の会社のすべての人々が無駄な会議をなくしたいと思っています。ある調査によれば、5,000人以上の企業では48.5%が「無駄な会議等が多い」ことを問題としています※1。もちろん会議が好きな人(その多くは管理職です)は多くいますが、少なくとも無駄な会議で時間を浪費することに賛成する人はいないでしょう。

・・・それなのになぜ日本から無駄な会議がなくならないのでしょう。

その原因は、日本人に「刷り込まれた」会議に対する考え方にあると思います。

自治体のホームページには「会議運営の規則(会議原則)」が必ず載っています。この場合の「会議」とは、議会(都府県市町村議会)で行う様々な会議を指しています。こうした「会議原則」は「経験則から(中略)形成された自然共通の原則(Wikipedia)※2」になっています。「会議原則」は、民主的な意思決定の在り方を実現するために守るべきものです。また、私たちが小学校で習った「学級会の進め方」もこれに近い原則から成り立っています。

十分に調べたわけではありませんが、「会議の原則と運営:寺光 忠 (著)、毎日新聞社、1948年」あたりがこの原則の元になっていると推測しています。1948年(昭和23年)は太平洋戦争終結から3年目です。この頃に、民主的な会議の考え方が広く一般に受け入れられたのだと思います。それに伴って「会議とは原則に従って行われるべき崇高な行為である」という暗黙の了解が生まれたのではないでしょうか。

現代に至っても、管理職以上の人たちはこの崇高さが気になってか(気に入ってか)、自分がこの場を仕切らなければならない、効率化など後回しだ、と知らず知らずに思い込んでしまい、それが会議を無駄に長くしてしまう原因になっているのだと思います。

私の体験でも、ある時会議がかなり長引いたので「そろそろ終わりにしませんか」と私が発言したところ、会議を仕切っていた役員「大事なことを話しているんだ!時間なんか気にするな!」と怒られたことがあります。

企業の中で行われる会議は、国や自治体の会議とは質が違います。経営者が企業の進路を決定するような場合を除けば、社内のほとんどの会議は「今決めて、すぐに実行」するためのものです。「在り方」に関する原則も大事ですが、それよりも効率を重視しなければなりません。

かつて土光敏夫氏(元経団連会長)が作った「会議の5原則」を次に示します。これこそ無駄な会議を無くし、企業の効率アップに真に貢献する「会議原則」です。

1.会議では論争せよ。会議は報告や説明の場ではない。資料として、事前に配っておけばよい。会議は議論の場であり、対立を恐れてはならぬ。

2.会議は真剣勝負の場である。一対一の立合いであり、一人で出よ。助太刀を求めてはならぬ。

3.会議では全員発言せよ。参加者はみな対等である。肩書きの上下など気にするな。遠慮は無用。全員発言すべきで、発言せざる者は、参加の資格なし。

4.会議は一時間単位でやれ。会議の効果と時間の長さは、何の関係もない。肝心要の急所を押さえれば、そんなに時間はかかるはずがない。幹部が職場のイスを長くあけるのは罪悪だ。

5.会議は立ったままやれ。会議の要諦は、気軽にやることだ。立ったままでも会議はやれる。

経営者、管理職の皆さん、是非この5原則を会議室の壁に貼り付けておいてください。

人材育成のホームページ) 

※1 NTTデータ経営研究所が2012年に実施した「会議、ミーティング、打ち合わせの実態調査」による。
※2 会議原則 - Wikipedia


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