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営業心理学は役に立つ

2016年10月09日 | コンサルティング

「返報性」「一貫性」「社会的証明」「好意」「権威」「希少性」・・・セールスの研修を受けたことがある人なら一度は聞いたことがあると思います。これは「影響力の武器」(ロバート・チャルディーニ著)という、営業心理学としては古典の地位を獲得している本で紹介されている言葉です。

それぞれの意味を知りたい方は、チャルディーニ先生の本読むなり「営業心理学」といったキーワードで検索するなりしてください。

さて、こうした営業心理学(セールスサイコロジー?)は実戦で使えるのでしょうか。

私は使えると思っています。たとえば「返報性の原理」です。それは、「人は他人から何らかの施しや好意を受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱く」というものです。

営業 「今日は、前回お会いしたときに話題になりましたシステムのセキュリティについて、最新の情報をお持ちしました。
顧客 「ああ、ちょっと気になっていたやつね。調べてくれたんだ。」
営業 「はい、データを集めてこのような資料にまとめてみました(と言いながら100ページほどある書類をカバンから出す)。」
顧客 「ちょっと見せてもらえる?・・・おお、見やすいね。まあ、知っている情報も多いけど・・・これだけの内容を整理してあると便利だね。」
営業 「そう言っていただけるとうれしいです。苦労した甲斐がありました。」
顧客 「たしかに、ここまでまとめるのは大変だったでしょう。」
営業 「はい。お役に立てればと思って作りました。どうぞ、お使いください。」
顧客 「え!いいの?これ貰っちゃって。いやあ、助かるなあ。」
営業 「それで、前回ご紹介いたしました当社の新しいシステムの具体的な提案をさせていただきたいと思うのですがいかがでしょうか。」
顧客 「ああ、良いですよ。お願いします。せっかくだから上司も呼んできますね。ちょっと待っていてください。」
営業 「はい!ありがとうございます。」

営業経験のある方は「そんなに簡単にはいかないよ」と思われたかもしれません。それでも、お客様は営業担当者の努力に対して好意を持ち、なんらかの「お返し」をしたいと思うことは間違いないと思います。このように営業心理学をしっかり学んで実戦で使えば、営業成績が大きくアップすることでしょう。

ただし、1つだけ営業心理学が役に立たない場合があります。それはお客様に悪意があるときです。たとえば、前述の例で言えば、はじめから買う気が全くないのに営業担当者に無理難題を押し付けて、貰うものだけ貰ったらあとは無視するというやり方です。

しかも、貰った資料を競合他社に流して恩を売ったり、無理な値引きを迫ったりする人もいないわけではありません。

営業心理学は「あくどい客」には効果がありません。営業担当者は、まずお客様という人間をしっかり見抜く目を持たなければなりません。

そのためには人に興味を持ち、常日頃人間観察を心がけることが必要ではないでしょうか。

(人材育成社)

 

 


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