人材育成社のブログ

 人粒を実らす人材育成の日々
(一粒=ひとつぶ)

スポーツの監督の指導法はビジネスパーソンの人材育成に応用できるのか

2017年02月08日 | コンサルティング

スポーツでチームが優勝したり、選手が好成績を上げたりすると、その監督の指導法に注目が集まります。

たとえば、元ラグビー日本代表監督のエディー・ジョーンズさんや、シンクロナイズドスイミングの井村雅代監督、最近では箱根駅伝で史上初の3連覇に輝いた青山学院大学陸上部の原監督が脚光を浴びています。

1月31日に放送されたNHKクローズアップでも、原監督の指導法が取り上げられていました。番組の中で、原監督は「任せれば人は鬼になる。練習メニューに口出ししない。自分で課題を見つけ、自分で乗り越える。自分で自分を育てることが大切」とおっしゃっていて、週6日の練習のうち3日は直接には指導せず、選手に練習メニューを考えさせて自ら取り組んでいく指導法を取り入れているとのことでした。

具体的には、1人1人長期的な目標と短期的な目標を設定してシートに記入し、1か月ごとに更新する。目標はぎりぎりのレベルを設定する。立てた目標はチーム全員で共有し、低すぎたり高すぎたりする目標は仲間内でアドバイスしあい、適切なレベルの目標に修正するとのことでした。

目標を紙に書くこと、さらに自分の目標を他の人も知ることで、真剣に目標に取り組まざるを得なくなるとのことです。

この指導法は、ストレッチ目標(簡単すぎず、それでいて到達不能なほどの高い目標にならない)を設定するという点で、企業が目標管理に取り入れているものと同様の手法です。

一方、目標の共有に関しては、本来は企業の目標管理制度においてもメンバー内で共有されることが望ましいわけですが、実態はなかなかそこまで至らず、本人と上司のみで共有されている組織が多いと考えられる中で、青学大陸上部ではチーム内での共有までしているわけです。

あの3連覇は、こうしたち密な目標設定と共有を徹底的に行うことによってもたらされたものだったのだなとあらためて思いました。

原監督だけでなく、スポーツで実績を上げている監督の指導法を講演会や書籍で見聞きすることがこれまで何度かありましたが、それぞれに「さすが」と感じ入るところがあります。

では、スポーツで実績を上げた監督の指導法は、企業の人材育成にも応用できるのでしょうか。もちろん、応用できるところはたくさんありますが、私は1点大きく異なるところがあると考えています。

それは「モチベーション」です。

青学大陸上部の部員数は知りませんが、箱根駅伝の10名の選手枠に入るために、部員は高いモチベーションを持って日々しのぎを削っているはずです。チームのメンバーは仲間であり、同時にライバルでもあるのですから。

では、ビジネスパーソンはどうでしょうか。こちらは、スポーツの選手のようにモチベーションが高い人ばかりではありません。さらには、スポーツ選手が現役で活躍するよりもはるかに長い時間、ビジネスの場に身を置いていれば、ままならない人事などをはじめとして、モチベーションを維持することが難しいことがたくさんあるわけです。

このため、スポーツで好成績を上げたからという理由だけで、その指導法をそのまま企業の人材育成に当てはめても、決して上手くはいかないでしょう。

それぞれの違いを踏まえたうえで、すばらしい成績を上げた監督の指導法をよく分析して、応用していくことが何よりも大切だと思うのです。

明治安田生命保険が今春就職予定の学生に行った「理想の上司」を聞くアンケートの結果が昨日報道されましたが、原監督は4位になっています。原監督の影響力がスポーツの世界以外にも広がっているということです。

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