人材育成社のブログ

 人粒を実らす人材育成の日々
(一粒=ひとつぶ)

営業は急に止まれない

2017年04月12日 | コンサルティング

会社にはそれぞれ異なる企業文化がありますが、1つの会社の中にも様々な部署があり、それぞれに異なる仕事の進め方や考え方があります。

部署による文化の違いが顕著になるのは「仕事が止まる」ときです。止まると言っても仕事が進まなくなるのではなく、会社の方針が変わったときです。

製造業の例を考えてみましょう。たとえば、何かの理由で現在販売中の製品Aの終息(ディスコン)が急に決まったとします。

開発部はライフサイクルを見込んで設計をしていますから、後継製品の商品化を急ぐでしょう。製造部は設備の変更を計画し、サービス部は保守・修理部品の確保を始めます。このように製品Aの終息が急に決まっても、多少は混乱するでしょうが概ね手順通りに仕事は進みます。

ところが営業部だけは、急には止まれません。社内の他部署とは違い、顧客という最もやっかいで重要な相手がいるからです。

私も計測器メーカーの営業部員だったときに急な製品の終息に遭遇したことがあります。大口の顧客に出向き、製品Aの製造中止と後継のBへの切り替えをお願いに行きました。

BはAの後継機とはいえ設計思想が異なっており、データの一部は移し替えることができませんでした。私は「そうした不便さは生じますが、それを上回る機能が実現できているので心配は要りません」と説明しました。

しかし顧客からは「いや、そんな機能は使わない。現状ではAで十分だ。Aの終息はあまりに急過ぎて当社の製品設計に悪影響を与える」と言われました。

私は、Aのような独自のOSを使うシステムから、unixベースのBに切り替えた方が将来性があると何度も説明しましたが、すぐには受け入れてもらえませんでした。その結果翌期の受注額は激減しました。

長い目で見れば、AからBへの変更は顧客にもメリットをもたらすことは確実です。そのことはわかってもらえましたが、顧客と営業との信頼関係が揺らいでしまったことは確かです。

営業は、会社対会社で進む仕事ではありますが、個人対個人の信頼関係も重要です。「営業は商品ではなく自分を売れ」などと言います。ちょっとアナログな表現ですが、間違ってはいないようです。

会社が「急ブレーキ」をかけるときは、営業担当者は真っ先に顧客対応を開始しなければなりません。

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