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稲田防衛相の核武装論は確信犯的

2016年10月08日 | 政治

 

国際紛争の火種を作るな

2016年10月8日

 国会論戦で稲田防衛相の過去の発言が集中砲火を浴びたと、報じられています。過去といっても近過去のことだし、核保有、尖閣諸島への自衛隊配備など、国際的にも機微に触れる発言だけに、問いただされたのです。「今は考えていない」と逃げはしたものの、「将来は考える」ですか。この人は国粋主義の確信犯ですねえ。


 核問題では、2011年の雑誌対談で「日本独自の核保有を国家戦略として検討すべきだ」と語り、民進党からその真意を追及されました。「核保有を考えていないし、考えるべきでもない」と、煮え切らない答弁をしました。発言の撤回を拒否しているところをみると、思想、信条では核保有論の持ち主なのでしょう。日本の技術力をもってすると、プルトニウムもあることだし、核兵器の開発・製造は可能なだけに、この種の発言は要注意です。


オバマの広島演説が台無し


 核兵器といえば、5月にオバマ氏が米大統領として初めて広島の被爆地を訪問し、歴史に残る演説をしました。「広島と長崎は、核戦争の夜明けとしてではなく、われわれの道義的な目覚めの始まりとして記憶されるだろう」と。ヒロシマ訪問に米国内で反対論も強いなか、間接的な表現を使って日本に謝罪したのです。


 その日本で近年、核武装論がしばしば頭をもたげ、その一人が8月に防衛相に就任しているのは、政治的な意図があってのことでしょう。タカ派の右翼を防衛相にしておけば、日本は弱腰と思わせない対外的な効果はあるという計算でしょうか。国内の国粋主義者、国家主義者にも配慮しているポーズにもなるし、でしょうか。


 かりに日本が核武装したら、米国はどのような反応を見せるでしょうか。日韓の核容認論をちらつかせたトランプ氏が大統領に当選したらしたで、「米国による核の傘はもう不要だ」と迫ります。さらに駐留米軍を撤退させるから、「日本は安全保障面で自立を」となるに違いありません。


在日米軍は米国の利益と言い切る


 国会で論戦では、稲田防衛相の発言「米軍の日本駐留の一番の目的は米国の利益にあり、日本を守ることではない」(12年、雑誌対談)も蒸し返されました。反米保守派の右翼にみられる主張です。「トランプ大統領」から「それなら日本は自立を」と求められ、駐留米軍の空白を埋める2,30兆円もの支出で日本の財政は破綻します。


 在日米軍は日米安保条約のもとで、両国の安全保障上の利益になっているという解釈がまともです。さらに日本が自立すれば、専守防衛とはいかなくなり、長距離ミサイルが必要となり、そのためには憲法改正も不可避となります。


 さらに重大なことは、日米原子力協定への影響です。協定は原子力の平和利用を進める一方で、「核不拡散協定」として米国が日本に各種の規制をかけております。日本の核武装は「核不拡散」の否定ですから、原子力協定は廃棄ないし停止され、その瞬間に日本の原子力発電は、将来にわたり稼働停止になります。


 思想的な衝動かられ、さらに野党の身分だし、過激な発言をしても構わないだろうと、稲田氏は本音を吐いたに違いありません。同じく12年に「尖閣諸島に上陸し、自衛隊を配備するなど、実効支配を強めるべきだ」と国会の外務委員会で発言しました。今国会では「自衛隊配備を検討していない」と、前言を翻したものの、発言の真意は消えません。


国際紛争の火種を作るな


 尖閣列島は日本の領土であり、本来なら自衛隊の配備は日本の権利でしょう。ただし、日中間で尖閣問題が火を噴きだしている最中に、そのような挙にでることは、紛争の火種を拡大するだけです。中国が軍事的報復にでてくれば、自衛隊は応戦する能力はありますかね。「尖閣列島は日米安保条約の適用対象」と米側は言っております。その真意は、対中けん制のための発言であり、本音は紛争を拡大してくれるな、でしょう。


 中国側が先に尖閣に上陸した場合でも、自衛隊が中心になって真っ先に阻止、応戦してくれ、というのが米国の本心でしょう。すぐに大部隊が応援に駆け付けることはないでしょう。尖閣問題は残念ながら、実質的に棚上げ状態を続けることしかないのです。それを譲歩と受け取られないように、外交用語では「棚上げ」と言わないだけの話です。米国が自国優先になり始めており、国際紛争の火種をとにかく、自ら作りださないことが賢明です。






 


 

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