うちの近くに、阿蘇山の全貌がよく見える所がある。
南北の外輪山の裾野が大きく横たわり、
阿蘇谷の入口である立野の先に、内輪山が顔を出し、
火口のある中岳から上がった噴煙が、うっすらと漂っている。
(今日見た風景です。)
先週の日曜日、NHKで巨大災害の特集があった。
そこで「カルデラ噴火」について、詳しくやっていた。
見た人は皆驚愕したことだろう。
普通我らがイメージする火山の噴火は、
水蒸気噴火かマグマ噴火。
火山の火口から爆発的に噴き出す噴煙やマグマの映像が連想される。
これも充分に恐いんだけど、
カルデラ噴火というものは、その爆発のケタが違う。
北海道と東北と九州に、カルデラ地形は多いらしいね。
カルデラ噴火の後、地形が大きく窪むから、湖になっている所がある。
例えば、北海道の屈斜路湖や、東北の十和田湖など。
で、我が九州は、巨大なカルデラの密集地帯だそうな。
南から、鬼界カルデラ、阿多カルデラ、姶良カルデラ、阿蘇カルデラ等など。
姶良(あいら)カルデラなんか、鹿児島湾そのものなんだよね。
でっかい鹿児島湾が、火山の後なんて、すごいな。
桜島は、そこにできたタンコブみたいなものかもしれない。
鬼界カルデラ(海底火山)は、7300年前に大爆発し、南九州は破壊され、
それで縄文人が東へ大移動した痕跡もある程酷かったらしい。
その噴火以来、カルデラ噴火は今まで起きてないということ。
でも、長い歴史においては、カルデラ噴火は何回も起っていて、
平均すれば、6500年に一度ほどの頻度で起きるそうだ。
ということは、
今現在いつでも、カルデラ噴火は起ってもおかしくないということだ。
おまけに我が阿蘇山は、カルデラ噴火を頻発させている大火山らしい。
だから、あんな絶景が生まれるんだろうな。
熊本が別名「火の国」って呼ばれるのもだてじゃないんだね。
NHKで、阿蘇のカルデラ噴火をCGで再現してたけど、凄かった。
800度の火砕流が、九州の全方位に撒き散らされ、
九州の四分の三が、たった数時間で壊滅するらしい。
もう、緊急避難とか関係のない世界です。
起きたら防ぎようのないことを詳しくやって、恐怖心が増すだけの感じもするのだが。(笑)
阿蘇の麓の熊本に住んでる私は、ただ諦めの境地になるしかなかったです。
まー、これから1万年経っても、起きないかもしれないことだし、
杞憂にならないように、今を楽しく生きましょう。
起きた時は、それまでの人生です。
そんな諦念をいただけたNHK特集でした。(笑)
※カルデラ噴火
:正確には、カルデラ破局噴火。破局噴火とは、地下のマグマが一気に地上に噴出する壊滅的な噴火形式で、
しばしば地球規模の環境変化や大量絶滅の原因となる。通常の噴火と異なり、噴火の破壊力は壊滅的な威力となり、
火砕流も放射状360度の方向に流走し広大な面積を覆う。(wikiより)