「ワールド・ティーチャー１」 ネコ光一

「大好きです。私はどこまでも……貴方についていきます」

　シリウスは前世では世界最強のエージェントだった。
　地球の各地を飛び回って紛争に介入し、世界転覆を企む組織を壊滅させ、後進を育て、そして死んだ。今は異世界のどことも知れない屋敷で赤ん坊として生まれ、前世の知識や記憶を持ったまま成長している。
　８歳になった頃にはシリウスは、空を駆け、魔物を打ち倒し、エルフの少女を悪漢から救い、隠遁していた剣豪と剣を交え、逃亡していた獣人の姉弟を助けていた。
　そんなシリウスの願いは、この世界でも弟子を育てて世に送り出したいということであった……。

　魔法属性がなく、どんな魔法を使おうとしてもマイナス補正がかかってしまうシリウスが、魔法はイメージだと気づいた途端に才能が一気に開花して大爆発です。頭っからチートみたいなものですが、周りに未熟な者が集まり、それを育て鍛え上げる物語なのでチートゆえの安直感もなく、わくわくしながらも安心して読めてしまいます。
　あまりに大人びた言動についつい青年像を描いてしまいますが、まだ巻末まで行ってまだ９歳かそこらです。そして早くもハーレムの気配。

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