ジネンカフェだより

真のノーマライゼーション社会を目指して…。平成19年から続いているジネンカフェの情報をお届けします。

ジネンカフェVOL.066レポート その4

2012-12-18 12:01:10 | Weblog
シンポジストの三番手は、福祉支援者とはまた異なる視点で障がい児やその家族と日常的に接している特別支援学校教諭の立場、愛知県立半田養護学校の角谷悟先生である。

〈養護学校〉あるいは〈特別支援学校〉と聞いて、どんな学校なのか、イメージ出来るだろうか? 「肢体や知的に何らかの障がいがあり、学校生活に特別な支援が必要だとされる子どもが通う学校」だ。当然そういう学校の先生は、普通の教員免許ではなく、養護学校教員の免許が必要になる。普通学校でもそうだが、学校の教諭という職業はただ単に子どもたちに勉強を教えるだけではなく、いろいろな会議に出席したり、出張もあったり、進路指導、部活動の顧問、その他の雑用に追われる。学校の先生も大変なのだ。それに加えて特別支援学校では、地域の中で取り組んでいることがある。

角谷先生が勤めておられる県立半田養護学校には、知多半島5市5町から知的障がいや重複障がいのある子どもたちが通う学校だ。知多半島の5市5町には養護学校が3校ある。あとの2つは半田柊養護学校と大府養護学校である。この3校は連携を取りあっているのだが、知多地域における特別支援教育のセンター的役割を半田養護学校が担っているのだという。

その特別支援教育のセンター的機能として、半田養護学校では5つの活動を行っている。
①発達や障害等に関する相談・情報提供
②幼稚園や保育所、小学校から高校の教員に対すル研修・情報提供
③巡回相談等を通しての障害のある幼児、児童、生徒への指導・支援
④小・中学校等の教員への支援
⑤教育・福祉・労働関係機関等との連絡、調整

私は地元に住んでいながら、半田養護がこのような地域との連携をした活動をしているとは寡聞にして知らなかった。地域の公民館や、福祉会館なとで行っている(ふれあい相談)には、友達とのコミュニケーションがうまくとれなかったり、整理整頓が苦手だったり、落ち着きがなく集中することが苦手で、忘れ物が多かったり、学習に遅れがみられ、就学や進学などについて悩んでいる子どもやその親が相談に訪れるという。学習の遅れや忘れ物が多いなどの養護学校間の連携だけで対処できる問題もあれば、地域の社会福祉協議会や行政などと連携しなければ対処できない問題もある。また、地域の人たちの協力が必要なこともある。つまりは半田養護学校も、知多半島の地域づくりの一役を担っているということだ。

 何度も相談に訪れている青年が、ある日「もう僕は大丈夫です。相談を卒業します」と言ってくれることがある。角谷先生は、その瞬間が、その言葉が、一番嬉しいし、励まされるという。
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