須藤甚一郎ウィークリーニュース!

目黒区議会議員・ジャーナリスト須藤甚一郎のウィークリーニュースです。

458号 本日発売「目黒区を楽しむ本」は契約違反で35,000部発行されていないのが判明!

2007-10-10 | 記 事
★契約違反発覚!本日発売「目黒区を楽しむ本」は35,000部発行されていない!

本日(10月10日)、月刊「東京人11月増刊 目黒区を楽しむ本」(B5判サイズ、122ページ、発行・都市出版株式会社、定価700円)が発売になる。「目黒区を楽しむ本」は、単なる月刊誌の増刊号ではなく、35,000部を発行する費用全部を目黒区が負担し、その金額は1,500万円だ。

35、000部のうち、5,000部を目黒区に納品し、30,000部は、月刊「東京人」の通常号と同様に、書店などで販売する契約になっている。総額1、500万円を目黒区が受け取る5,000部で割ると、1部当り3,000円になるのだ。

しかし、昨日、ぼくが出版社の都市出版を取材した結果、増刊号の編集長が、「35,000部は公称であって、実際の発行部数ではない」と35,000部を発行していないことを認めたのだ。

★目黒区は35,000部の制作費全額15,000万円を払う!

これは大変なことだ!契約違反である。35,000部を発行することで、その費用を税金で15,00万円も払うことにしたのに、その部数を発行していないのなら、騙(だま)されたわけだ。契約時や制作過程でチェックせず、そんなことをさせた目黒区の責任は重い。

目黒区に納品することになっている5,000部については、増刊号編集長はすでに納品したといい、目黒区広報課も納品され、先日、区政功労者の表彰会場でも配布したといっている。ぼくら区議たちにも、10月5日に配布された。

★区政75周年記念誌というが、単なる街歩き、食べ歩き本だよ!

なぜ、こんなことになったのか、それを報告する。
この本について、平成19年度の予算書では、
「月刊『東京人』(増刊号)作成委託 1,500万円」とあり、その説明欄に「区政施行75周年記念誌を発行し、区の個性や文化を『目黒区の魅力』として発信。35,000部発行、うち区5,000部、新年のつどい、区政功労者などにおいて配布」とある。
けれど、この本のどこにも区政施行75周年記念誌であることは書いてない。

35,000部の制作費全額の1,500万円を目黒区が支払い、30,000部を書店で売り、その収入は発行元の都市出版のものになる契約だ。出版社にとっては、こんなに儲かる仕事はない。
発行元は、制作費で儲け、30、000部の販売で儲け、また裏表の表紙には3本の全面広告が入っていて広告でも儲ける。そして、この本には多くの店の紹介が載っていて、掲載料を取っていないのか。もし、取っているのなら、掲載料でも儲かる。
目黒区は、契約するときに、こうしたことを考えていれば、1,500万円よりずっと安くなったのだ。

★とんでもない!書店販売の収入は、全額が出版元のものになるのだ!

書店販売する30,000部を定価700円で計算すると、なんと21,000万円になる。しかし、実際には発行元は、出版物の問屋である取次ぎ店に定価の6掛け(60%)余で納める。
仮に6掛けとしても、1,260万円だ。完売することはないので、例えば7割売れたとすると、882万円だ。発行元の都市出版は、1,500万円の他に882万円の儲けになる。目黒区は、契約するとき、こんなことすら考えないで、契約したのである。

35,000部を発行していないのが判明したのは、こんなことからだった。
昨日の午後、ぼくは「東京人」編集部に電話して取材した。というのは、「目黒区を楽しむ本」なのだから、書店にどんな配本をするのかなどを確かめるためだった。

★編集長は、何回も「35,000部は発行していない」と認めた!

電話にでたのが、「東京人」の田中紀子・増刊編集長だった。なぜ、35,000部になったのかと聞くと、「東京人」の通常号の発行部数が35,000部であり、その配本と同じように配本するといった。
35,000部を印刷したのか、と聞くと田中編集長は「35,000部は公称であり、実際には35,000部は印刷していない」と答えた。では、何部印刷したのか、と聞くと、それは答えられないと拒否した。

これにはビックリした。公称とは、版元が勝手に称している部数であって、実際の部数ではない。肝心なことなので、何度も確認したが、やはり35,000部は印刷していないといった。
また、配本の明細がわからないので、後で連絡するといって、昨日午後4時15分にぼくの携帯に田中編集長が電話してきたときにも確認した。が、やはり「35,000部は公称であり、実際の発行部数ではない」と断言した。
配本については、目黒区の広報課の問い合わせには答えるが、それ以外は答えられないといった。

ぼくは、広報課長と総務部長に確認すると、契約では35,000部発行することになっていることだけを知っていて、その部数が公称であることを知らなかったのだ。
すでに目黒区に5,000部は納品されているが、総部数35,000部が発行されたか否かについて、目黒区は確認する作業をまったくしていないのだ。
こんなことがあっていいのか!
きょうは10時から常任委員会があるので、続きは次号で!
(午前8:55更新)

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