梅雨の憂鬱

　生きてます。元気です。ていうのは嘘で、誰彼構わずその胸に飛び込ん行きたい気持でいっぱいというかおっぱいなのだけど、もうそんなのは無理さと状況が笑っている。

　恋を語るその後ろに忍び寄る現実が、疾風のように義務という名の居場所に拉致・監禁する。

　見目麗しいあの人も、遥か彼方に消えた乙女も、今は昔の物語。では今は何を紡ぐのか、と問われ返す言葉も無いなら逃げるだけ。ま、逃げて逃げてどこまで逃げてもツケは払わなくてはいけないのだけど。

　それにしても、更新しない方が閲覧に来てくれる人が多いブログってどうなの？ファック。

　

プラネタリウム その１

　これが最後の夜だって思って、絶対最後だって思って、そんなことを繰り返すうちに馬鹿ととんまが総動員されたような景色が眼前に広がっていれば世話ないわ。


　実際すんでいるのは４畳半なのに、部屋の隅に昔別れた彼女と一緒に作った手作りのプラネタリウムがひっそりと埃をかぶっておいてあるのに、外に出ればきっちりと着こなした一張羅は糸くずが微塵にもない。これから決戦だ。そう呟いて、家を出て。

　待ち合わせ場所に新宿アルタ前を指定する田舎者と思われたくない。かといって奇をてらってゴールデン街の四つ角を指定したくない。金持ちぶって、東京大飯店の前で待ち合わせなんてしようものならいくらになる？俺はもう魔法のカードに頼りたくない。

　結局、新宿歌舞伎町のコマ劇場前で待ち合わせる。約束の時間は１９時。そして今１９：０７。遅刻だ。