眠りながら歩きたい

映画と漫画と本が好き。
記憶力減退の激しさに、自分のための備忘録として。
それにしても悲しきかな、文才の無さよ。

カニバル・カンフー 燃えよ!食人拳

2010-01-18 | 映画(DVD)

監督/ツイ・ハーク(1980 香港)

かなり思い切った邦題を付けてるようですが、原題は地獄無門、英題もWE’RE GOING TO EAT YOUですからね。それに負けないような邦題と言う意味では頑張って付けたなあ、と感心するほどです。食人拳も良いですけど、カニバル・カンフーという言葉の響きはなかなかかっこいい感じもします。

ローレックスと呼ばれる泥棒を追いかけて、辺鄙な村にやってきた国家情報局員999。しかしその村の人々は、人肉を喰らうおぞましき集団だった!という、やっつけで考えたような話。全体はコメディ調ですが、人体をバラバラにする解体シーンは、ちゃちですけど、それなりに刺激があって楽しい。ローレックスや、たまたま999と同じ船で村に来てしまった泥棒、村を牛耳る保安隊の隊長、といったそれぞれの話がテンポ良く描かれていて停滞感はほとんどなく、ラストまで一気に見せてくれるのは、まだまだ血気盛んだった頃のツイ・ハークらしい。京劇の使い方などは、「北京オペラブルース」にも繋がっていくようで興味深いし、ローラースケートを出してくる辺りの娯楽映画志向も、「皇帝密使」の何でもありな感じを思い出しました。監督第1作は「ミッドナイト・エンジェル」だと思うのですが、それとはうって変わった娯楽映画ぶりで、後の娯楽映画への徹底ぶりを考えると、こちらの方が第1作と呼ぶに相応しいのではないか、とも思いましたね。勿論、「ミッドナイト・エンジェル」はあれはあれで凄まじい傑作だと思いますけども。

登場人物はそれぞれ個性が強く、またコメディ色も強いので、基本的には笑って観られるのですが、更にあっさりと死んだり殺されたりする命の安さが素晴らしく、グロテスクな笑いを加速させます。肉欲しさに右往左往する村人の姿も滑稽ですし、保安隊長の意外に繊細な姿にも爆笑させられました。また、この映画は当たり前の話ですがクンフー映画でもあって、武術指導はユン・ケイがやっていますので、そこも手を抜かない面白さです。狭い通路での戦いとか、屠殺場での段差や道具を使ったアクション設計は見ていて素直に楽しいですね。

フィルムの状態はかなり悪く、相当傷んでいましたが、観られないことはないです。撮影時のフィルムの状態とか照明とかが良くないのか、いきなり赤茶けたりもしますし。それでもこうして字幕入りでDVDが発売されたことが驚き。全然売れなかったと思いますが。

ジャンル:
映画(DVD)
キーワード
ローレックス ユン・ケイ
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