横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

位置情報、地理情報に関するサービス、その他日常生活から思ったことを気ままに記す不定期のんびり日記

Googleマップの利用規約について(追加)

2008年09月14日 16時36分58秒 | 地理情報関連

 先日、「Googleマップの利用規約を改めて読んでみた」という記事を書いたのだが、そこでしげさんから、
Google Maps APIの利用規約を読んだのですが、課金しなければ使用して良いと書いてあります。
つまりAPIを使った地図表示なら企業のサイトでも使用して良いと思います。
GoogleマップとGoogle Maps APIで区別しているのではないでしょうか?
というコメントをいただいた。

APIの利用規約までは先日の記事ではカバーしていなかったので、改めてその内容を確認してみた。

確かに、利用規約にはしげさんの指摘通りこう書かれている。
The API may be used only for services that are generally accessible to consumers without charge. Accordingly, You may not use the API for any service that requires a subscription or other restricted access, or for which a fee is charged.
要するに、無償でコンシューマがアクセスできるようなサービスのみに使うことができ、従って有償購読を要求するものやコンシューマのアクセスが制限されるようなサービス、あるいは、アクセスにより課金されるようなものはダメだ、と書いてある。

この部分だけを読むと、企業内のサービスで使用することは禁止されているが、不動産物件の案内サービスでの使用は認められていることになる。

しかし、APIの利用規約の冒頭に書かれていることを読み逃してはいけない。
By using the Google Maps API (the "Service"), you ("You") accept and agree to be bound by the Google Terms of Service, the Terms of Service for Google Maps as well as these additional terms and conditions (the "Terms of Service").
この部分は、先に述べた個別の条項の上位概念として包括されている部分である。
ここでは、「Googleの利用規約、Googleマップの利用規約、そしてこれらの追加条項や条件に同意したとみなされます」という意味のことが書かれている。

英文を見ればわかるが、この文章ではGoogleの利用規約、Googleマップの利用規約などが「かつ」で書かれていて、orではない。
だから、サービス提供者はGooleマップの利用規約を認めた上で、かつAPIの利用規約を認めなければいけないことになる。普通に読めばそうしか意味がとれないが...どう思う?

ちなみに、GoogleMapsの地図は年額1万ドル(110万円弱)を支払うことで、商用利用ができると聞いている。ならば、潔くそのお金を支払ってしまえばよいという考えもできる。ただし、GoogleMapsの地図は”無償で利用できる”ところに魅力を感じて使っている人が圧倒的なので、いきなり1万ドルは大変だろう。

ところで、GoogleMapsの地図は内容が更新されずに古いままである。一方、Mapionやゼンリンデータコムなどが提供している民間の地図情報ASPは、同等程度またはそれよりも安価で、年に何回も更新される地図をそれぞれのAPIで利用できる。何が何でもGoogleマップが一番、というのではなく、商業的な利用者にとっては、現実的な選択肢がいくつもあるのだ。


最新の画像もっと見る

6 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (しげ)
2008-09-14 21:25:49
説明ありがとうございます。
マップに駄目だと書いてあってもAPIで良いと書いてあれば、例外として許可しているものと解釈していましたが、そうではないんですね。
返信する
規約上ではそうなっていますね (moritoru)
2008-09-16 00:00:16
しげさん
少なくとも規約を読む分には、APIも含めて商用目的に使ってはいけないはずなのですが、どうして国内には使うサイトが氾濫しているのでしょうね?
Googleと契約書を交わして、1万ドルを実際に支払っている会社など、わずかしかないと思いますので、いずれ何らかの問題になるような気がします。
返信する
参考になりました (HAL)
2008-09-18 01:12:05
はじめまして。
偶然、このブログにたどり着いたのですが、非常に参考になりました。

確かに、企業にとって不確定な要素があるものを選択するのはリスクなので、目的に応じて様々な選択肢を検討してみるべきですね。

この記事を読んで、改めて私も利用規約を読み直してみました。そこで、1つの記述に目が留まりました。

英語版のGoogle Maps利用規約の第1パラグラフの最後の部分、except that~ 以下の部分です。

拙い英語力なのですが、APIからの利用の場合が例外に指定されているように読めました。
どうなんでしょうね。
返信する
ご指摘、ありがとうございます (moritoru)
2008-09-18 19:30:10
HALさんのご指摘をいただき、私も英語、日本語と読み直してみました。

確かに、英語ではHALさんのご指摘どおりの意味に書かれています。一方、日本語の方はそういう表現がなされていません。その違いは見逃していました。

英語がマスターですから、それと違う表現となっている日本語訳は”誤訳”とも言えるのか、あるいは、意図的にそう表記しているのか私には判断付きかねますが...

ともあれ、利用規約については、もう一度目を通してみます。ありがとうございました。
返信する
FAQ (Yamaju)
2008-09-24 17:42:36
たいへんごぶさたしております。

英語の公式FAQによると、APIの規約に従えば商用でも利用してよいとのことです。
http://code.google.com/apis/maps/faq.html#tos_commercial

ただし地理情報メインの商用サイトを考えた場合、無料だからといって突然規約が変わるかもしれないサービスを使うよりも、森社長がおっしゃるように別の選択肢を考慮した方が良いと思います。
返信する
Yamajuさん、ありがとうございます (moritoru)
2008-09-25 22:35:35
お久しぶりです。お元気ですか?

私の抱いていた今回の疑問に明快に応えてくれているFAQを紹介していただき、ありがとうございます。これで疑問点解消。近日中にまとめの投稿をします。
返信する

post a comment