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幸徳秋水 『基督抹殺論』 1911年    丙午出版社 ほか

2017年08月07日 | 幸徳秋水

                 ▲幸徳秋水 『基督抹殺論』 岩波文庫 1954年 

 

 

幸徳秋水 『基督抹殺論』 1911年    丙午出版社 ほか 1-1

 

幸徳秋水 『基督抹殺論』 1911年    丙午出版社 ほか 

 

今年の6月下旬に1970年代に知り合った古い友人と久しぶりに再会して、ほかの仲間たちとともに歓談をした。そのとき友人が、長い間の関心事を暖め続けた思いを「私小説」の形式に仮託して書いた中編を読んだ。

そこには、私が若い時代に味わうことのなかった風土がもたらす壮絶な戦いが記されていた。また故郷脱出記でもあり、自我の探求でもあり、人間関係の交流の考察でもあった。当然若い時代の放浪の断片録でもあった。

1970年代には、何度となく話し合っていたのだが、友人のこれまで語らない素顔に触れたような、また、私の生い立ちとは全く違う、1960年末~1980年代の情景が見えてきたのだ。

歓談のお礼に、一言・二言メールを出したのだが、宗教心の極めて薄い私故なのか、メールに答える術もない私は、二・三の以前に読んだことのある本を読んだりしながら、返信しようと思っていた。

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ところが、普段ブログを書いていた、10年以上も使っていたXPに接続していたハードディスクが突然電源が切れ、逝ってしまったのだ。3.11地震の後でも生き残っていた外付けハードディスクだったのだが、ドライブに変な異音がすると思っていたのだが、ついに、逝ってしまった。

これは大変と残り少なくなったXPのハードディスク内のデータを、新しいWIN10のパソコンに転送しようと、ネットワークを構築して、WIN10のブルーレィドライブを共有フォルダのように使おうとしたのだが・・・・・・・

WINXPからは、WIN10のドライブは簡単に表示・認識することができるのだが、一方WIN10のドライブには、表示したり、認識しなかったりと、不安定なのである。

WINXP同士のネットワークは以前から家庭内で繋ぎ使用していたので、簡単に認識して使用できると思っていたのだが、異種OS間の場合、WIN10の強いセキュリティが下位のOSのネットワークをウィルス対策を講じていない、不良アクセス行為として厳密にはじいてしまう。パスワードを請求されたり、ドライブのアイコンが消えたりと、悪戦苦闘の日々が続いてしまったのである。

トラブルが発生する今の今まで、WIN10の簡単マニュアルも読まずに、操作していたのだが、今度ばかりはネットから探して、ネットワークのトラブル対策の解説ファイルを手元において、検討始めることにした。

異種OS間のネットワークトラブルについて解説は少なく、その通りに、しても、再起動しても同じ操作が要求されてしまうものが続出・・・・・マイクロソフトのOfficeのインストールでも、最初にインストールした時のインターネット・アカウントを忘れてメモしないでおくと、いくらブロダクト・キーを手元に置いていても、Officeが使えるようにはならないのだ。それだけ海賊ソフトが売られているのかも知れないが。

悪戦苦闘のおかげで、WIN10のリカバリー法も覚えたし、フリーソフトを入れた際にうっかりチェックを外し忘れて一緒にインストールされてしまっていた役にも立たない邪魔なソフトも消えた。

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さて本題に入る前に、パソコンネットワークのデータ移動も大量にあり、夜が更けてしまったので、残念だが今日は幸徳秋水の『基督抹殺論』も、触れることなく終わる。

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私が持っている、幸徳秋水の『基督抹殺論』は岩波書店から戦後に出た文庫本なのだが、この本は、遺著となったものなのだが、幸徳秋水と縁のあった友人たちが、当時の思想弾圧の厳しさをかいくぐり、まともな、国家批判の書を出せる状況にはなかった中での苦心惨憺の出版なのだ。

『基督抹殺論』は、幾重にも言論弾圧を乗り越える方法の模索から生まれた。

1911年・明治44年に出版されたこの本は、大逆事件の始終を知る人々には広く読まれたようで、私が入手した丙午出版社版は、発行から、一ヶ月も経たずにすでに七版となっている。

  ▲ 幸徳秋水 『基督抹殺論』 1911年 (明治44年)丙午出版社 中表紙

 

この出版社は、主に仏教書などを出版している会社なのだが、調べてみたら、明治30年代の新仏教運動・宗教改革運動と関係していた出版社だったようだ。

私は最近この丙午出版社版の『基督抹殺論』を北海道の札幌市の古本屋から入手したのだが、奥付の右脇には、願成寺開基住職の記名のある人名が書かれていた。

気になって、この願成寺とはどこの願成寺なのか、インターネットを検索してみると、この願成寺は、北海道旭川にある浄土真宗系出雲寺派のお寺らしいことが分かった。

明治44年のこの本に、開基住職名が書いてあったので、明治になってからのお寺だろうことは予想したものの、この丙午出版社が明治30年代に新しく生まれたことを考えると、仏教改革運動を求めて、また、屯田兵たちへの布教活動のため、新天地に生きる人々に寄り添って、北海道に渡った宗教人たちがいたのだろう。

『新仏教』という宗派を越えた雑誌があり、明治30年代~大正にかけて活動歴があるのだが、出版禁止の号もあったらしい。明治後半頃、あまりに急いだ西洋化に、批判の眼差しをもち、また仏教徒にして、社会正義を模索する宗教人がいても何らおかしくない。

私の入手した、幸徳秋水の遺著『基督抹殺論』を入手した旭川願成寺の開基住職の周辺には、明治後半期の仏教改革運動、インターナショナリズムの息吹がありそうなのである。

 

▲幸徳秋水 『基督抹殺論』  これは、敗戦の翌年1946年10月に出版された九州評論社版のもの

大逆事件の後はもちろん、日本近代の節目には、幸徳秋水の 『基督抹殺論』はなぜか再版され、多くの読者を獲得し、読み継がれている。

 

 ▲ 幸徳秋水  『基督抹殺論』 目次 1 岩波文庫版

 

 ▲幸徳秋水  『基督抹殺論』 目次2 岩波文庫版

 

アメリカやヨーロッパの衰退が誰の目にも明らかになってきた今、欧米文化の仕様を根源的に問い質す時期に来ているのではないだろうか。  

 

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矢部宏治 『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』 講談社現代新書

2017年夏の快著だ、これは、あちらの世界で戦っている宮武外骨も 「スコブル」 喜んでいるに違いない。

この本が日本人の携帯の数の半分でも読まれれば日本は変わる。

日本の出版編集者がこのような本が出せるようになってきたのは、日本に希望が存在する証拠だ。

これから、さらに矢部宏治は大学教授100人分以上の仕事をしていくだろう。

やさしく、ふかく、そして何よりも、笑いの感情をくすぐりながら仕事をしていくだろう。

隠れて、こそこそやっている日米の連中が見事に痛快に暴かれているのである。

 

 

 

▲矢部宏治 『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』 2017年 8月 講談社新書 

 

 

つづく

 

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