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『権力の影 外交評議会(CFR)とアメリカの衰退』1992 徳間書店  1-1

2016年03月30日 | 帝国・帝国主義・軍産官報複合

            ▲『権力の影 外交評議会(CFR)とアメリカの衰退』1992 徳間書店 定価2400円+税

 

 

『権力の影 外交評議会(CFR)とアメリカの衰退』1992 徳間書店

 

『権力の影 外交評議会(CFR)とアメリカの衰退』1992 徳間書店 はすでに、『見えざる政府 CFR ホワイトハウスを操る司令塔』と同じような時期、日本での出版から四半世紀近く経っているので、なかなか古書店でも入手し難くなっている。

カーター政権の後、レーガン2期・ブッシュ1期と連続して共和党でも右翼色の強い政権が12年も続いて、軍事費支出も高止まりして、経済赤字が一挙に増大、またアメリカの陰・陽にわたる世界政治への暴力的・強硬政策が、明らかとなっていた。誰の目にも政治の変化を望む声が高まっていた。

イラン・コントラ事件のような不正な軍事工作費の発覚・不祥事はレーガン・ブッシュ(父ブッシュ)コンビの時代でおきている。

その後、1992年以降、民主党のクリントン政権に交代して、すこしばかり、政府への監視活動や、ケネディ暗殺事件の再調査のための政府の公的史料データベース・アーカイブの設置など、市民的公正への覚醒が高まった時期にあたる。

オリバー・ストーンの『JFK』の映画が大反響を呼んだ頃を思い出してもらうと、『権力の影 外交評議会(CFR)とアメリカの衰退』や、『見えざる政府 CFR ホワイトハウスを操る司令塔』などが出版される当時の世相や雰囲気がわかる。

今から振り返ると、アメリカの1992年の政治変化に、出版事情も微妙に変化を見せていたということがわかりそうだ。

やはり、保守政権が強固に見える時代は、出版活動も映画界も大勢は強いものになびいていたと見える。

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そんな時代の変化の中で、ケネディ没後30年の前後には、ケネディ・ルネサンスというか、アメリカの隠然たる巨悪に敢然と挑む動きが、アメリカ市民の間に出てきたことは故なしとはいえないだろう。

 

『権力の影 外交評議会(CFR)とアメリカの衰退』の指摘は、今でもその価値が失われていない。

2016年、アメリカの保守政治家大統領候補者たちの毎日のようにとびだす子供じみた失言の数々を目の当たりにして、

いよいよアメリカの知の劣化・衰退はどうにもならないところまで来てしまったと誰もが感じている。のではないだろうか。

こんな連中に世界を預けていいはずはない。のである。

 

しかし

いつものことだが、

「大統領はお飾りにすぎない」

われわれ、

「CFR などなど、見えない政府・影の政府が政府なのである」

すでに、ヒラリー・クリントンは、キッシンジャーを外交指南の先生と呼び、CFRの先生方に学ばせてもらっていると言明しているので、これから行われる次の大統領選挙、誰が選ばれても、外交の行方はもはや大方は知られている。といってもよいかも知れない。

 

この本『権力の影 外交評議会(CFR)とアメリカの衰退』

タイトルに惹かれ、読みたい方は大きめの公共図書館などで探してもらうほかないが、この2冊以外になかなか、CFRの問題点を抉る本が見あたらないようなので、前日の『見えない政府』同様、引き続き、詳細目次を掲げておきたい。この下の目次詳細を見れば、ぜひとも読みたくなること請け合いの内容なのである。

 

 

 

▲ 『権力の影 外交評議会(CFR)とアメリカの衰退』 目次1

 ▲ 『権力の影 外交評議会(CFR)とアメリカの衰退』 目次2

 

 

▲『権力の影 外交評議会(CFR)とアメリカの衰退』 目次 3

 

 ▲『権力の影 外交評議会(CFR)とアメリカの衰退』 目次4

 

                                     

                 

 

             ▲ 『権力の影 外交評議会(CFR)とアメリカの衰退』 目次5

 

これらの本を読んだ後、あるいは、オリバー・ストーン、ピーター・カズニック共著の『もうひとつのアメリカ史』 2013年 3巻早川書房を参照すると、我々日本人が学んだはずのアメリカ史の記述、教科書

「作為された歴史」 もっと大胆に言えば「ねつ造された歴史の記憶」を記憶させられてきたのではないかと思い至るに至るのではないだろうか。日本で刊行されている世界史教科書中のアメリカのアメリカ史の記述の中に「アメリカの影」が・・・・・・

『権力の影 外交評議会(CFR)とアメリカの衰退』 や『もうひとつのアメリカ史』は、高校や、大学の一般教養科目では決して教わることのなかった、見る視点・歴史的視点の自省を省察しながら展望した上での「アメリカ現代史」に出会うことになるだろう。

 

 

オリバー・ストーン、ピーター・カズニック共著の『もうひとつのアメリカ史』ついては、以前の私のブログで触れたことがある。 

ここ▼

オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史 1-1

オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史 1-2 付箋メモ

オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史 1-2-2 付箋メモ

オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史 1ー2-3 付箋メモ


また、一度私のブログでも紹介させてもらったことがあるのだが、

藤永茂 『アメリカン・ドリームという悪夢  建国神話の偽善と二つの原罪』 三交社2010 定価1600円+税

は、先の『もうひとつのアメリカ史』と、アメリカ現代史認識と共通する視点が明白でもう一度引用させていただく。

 


「ゴア・ヴィタルの発言

 

「私がこの1千年ほど言い続けているように、合衆国には、ただ一つ の政党ー財産党があるだけだ。それは大企業の政党、お金の党だ。それは二つの右翼派閥を持っていて、一つはデモクラット、でもう一つはリパブリカンだ。」   (『プログレッシブ』 2006年8月号 インタビュー)」

 

『アメリカン・ドリームという悪夢  建国神話の偽善と二つの原罪』 藤永茂 三交社  231頁に「ゴア・ヴィタル」の引用あり。

藤波茂さんの本『アメリカン・ドリームという悪夢  建国神話の偽善と二つの原罪』 三交社

の紹介は以前の私のブログにあります ここ ▼ ぜひどうぞ

『アメリカン・ドリームという悪夢  建国神話の偽善と二つの原罪』 藤永茂 三交社2010


アメリカは、建国・いやむしろ、建国以前から、この通りなのではないか。

合衆国には、ただ一つ の政党ー財産党があるだけだ。それは大企業の政党、お金の党だ。それは二つの右翼派閥を持っていて、一つはデモクラット、でもう一つはリパブリカンだ。」

至言だなぁ!

アメリカ政治を端的に短く表現するとすれば、これに尽きるか

デモクラッ民主党)とリパブリカン(共和党)の差異は、アメリカ唯一の政党である財産党(金権党・大企業党)内の極右派閥と右翼派閥の微細な差だけだということになる。

どうりで、ブッシュ政権から、オバマに変わっても、キューバのグァンタナモ基地の違法な拷問基地はなくならず、またブッシュ政権時代よりも、無人機爆撃での死者は増加の一途をたどっているのかわかろうというものだ。

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 



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