若者よ環境を語れ2011 〜大学生による市民講座のレポート〜

2011年7月から行われる「市民のための環境教育講座」の報告をインターン生が行います

「世の中の価値観およびライフスタイルの変化が求められている」〜市民講座パート3第3回レポート〜

2011-12-26 18:22:40 | 日記

ご無沙汰しております。インターン生の小林真人です

クリスマスいかがでしたでしょうか

さて、この度 私はカンボジアへ3週間程滞在させていただきました。

‥ので、本ブログを楽しみにしていただいているみなさま、長らくお待たせして大変申し訳ございませんでした

遅くなりましたが、カンボジアでの経験も踏まえて 11月8日(火)に開催された、

市民のための環境公開講座、「環境ジャーナリストが見た20年」のレポートをお送りします

 

================================================================
<<概要>>
================================================================

環境問題は公害問題に端を発し、80年代には開発による自然破壊の問題が起き、

やがて資源問題や食糧問題などの地球環境問題に変遷した。

公害の時代は環境に関する法律がなく、量に気を取られ質を忘れ

富士山という日本人の精神の原点でさえ真っ黒に汚したが、人々に倫理観は残っており、

官僚が会社を周り社会環境に関する協力・要請をすれば応えた。

しかし、現在は多岐化する環境問題によりその社会変革の意識が希薄化しているようであり、

その背景には行動に起こす際に必要な心構えの欠如や環境の本質を捉えられないことなどがある。

現在抱えている原発問題を含め、環境問題の解決のために今後は、倫理観を湿らさず、

環境教育がESD(Education for Sustainable Development)にシフトしてきているように、

世の中の価値観およびライフスタイルの変化が求められている

また、政治を良くすることは環境を良くする最短距離であり、政治への関心の高まりも必要である。

 

================================================================
■開発と環境保護の表裏性
================================================================

新聞記者には徹底して客観報道が求められていたそうですが、

環境問題はその原則を崩し提唱報道を生んだ、その事例を原さんがお話くださいました

 

地域の方々へのメリットが生まれる尾瀬の開発に対し、それに伴う自然破壊の問題を原さんが

取り上げようとした際、開発が間違っていると言い切れるかを企業や行政の方々から問われたそうです。

確かに開発には(金銭的)価値がある一方で、

当時自然に対し(金銭的)価値があるという捉え方はされていませんでした

一方で自然保護団体が反対していましたが、彼らは自然を良しとする価値判断をしており、

新聞に開発反対と記事を出した場合もそれは自然を良しとする価値判断を下した、

すなわち客観報道ではないことになります

ここに(自然の)権利の代弁(アドヴォカシー)、さらには提唱報道の原点があるとのことです

 

確かに、普通問題には二者の対立があり、裁判の場合は両者から主張を聞き、

客観的に判断が下されますが、自然は何も語らないため裁判ができません

その観点で言えば自然は子どもよりずっと弱者、最も弱い存在ですね‥。

さらに、もちろん子どもも大切ですが、子どもは1つの生命です。それに対し、

 自然にはそこにたくさんの動植物や昆虫といった生命がありますよね。

これらたくさんの生命の権利の代弁をしなかったらどうなっていたかと思うとゾッとします。

環境と叫ぶことが当たり前ではなかった時代、自然保護団体やジャーナリストの自然を代弁する動きに嬉しく思います

 

================================================================
■必要とされるライフスタイル
================================================================

概要にも書いたライフスタイルですが、どのようなものが求められるのでしょうか

長崎大学の佐久間先生が以前市民のための環境公開講座で講演された際、

今まで正しいと思っていたことの中に、何か間違いがなかったか」と発言されたそうです

また、石さんは身近なところで、私たちの食生活は年間約20kg摂取している

食品添加物と冷蔵庫による保存体制により成り立っていることを挙げられました。

 

良い機会ですので、環境破壊が持続可能な範囲でしか起きていないと思われる、

カンボジアの地方の村(家庭)を2ヵ所訪れたので写真も交えて紹介しようと思います

 

どちらの村も近所には親戚が一同に介し、共同で農耕を行い生活しています。

家は煉瓦か木造で、1階は(壁を作らず)屋外にしてダイニング、キッチン、物置など。

外付けの階段で登る2階は1部屋のみで寝るスペースだけでした

めぼしい家電はなく、二酸化炭素を排出するのは移動用のバイクと蛍光灯のみといったところでしょうか。

その蛍光灯も20畳ほどの2階室を1本のみで照らすので日本の感覚からすると真っ暗です

ちなみに別に寄った高校の教室には電気がありませんでした。授業はすべて昼だそうです。

蛍光灯は使わず太陽光や月光水道はなく雨水に桶ガスはなく炭火焼

冷蔵庫はなく氷に保冷庫 (これも一方の家庭にはない)、暖房器具はなく薄いブランケット2枚という生活です。

このようなライフスタイルを送ることが出来れば、現代の日本に適応するかはともかくまず持続可能でしょうね

 

私は便利すぎる生活を送っていたなと考える一方で、便利すぎる生活を受けて

生活の知恵を自分が失った、さらに便利な手段に依存しているなと感じました

以前キープ協会の方が「月明かりで本が読める」とおっしゃっていましたが、

そういった身近にある環境に優しい発想と行動を自分ができなくなっているのも依存にあると思います

環境に優しい工夫と行動は何も無いところから生まれるものではないのでしょうか‥。

 

なので私は一人暮らしをする際には是非冷蔵庫なしの生活に挑戦し、

便利さから離れ考えて生活してみようと思います

 

以下少しだけ、カンボジアの写真です。

シェムリアップ西部のダートー村。木々に囲まれています。鶏とヒヨコがそこら中にいます。


 

シェムリアップ南部の村。こちらは洪水が多い地域で一転ひらけており耕作地が多いです。


 

屋外に作りつけられたキッチン。飲み水は水釜からすくって飲みます。


 

皿を洗うところ。左上の水釜に雨水が入っており、水をすくって洗います。
手伝いましたがかなり苦労します。
さらに貧しい地域あるいは国へ行けば、このプラスチックさえないでしょうね。

コメント (0) |  トラックバック (0) | 

11月26日 今からはじめるネイチャーフォト体験

2011-12-01 16:35:24 | 日記

こんにちは、加藤超大です

1126日は講師に自然写真家の森本二太郎さんをお迎えして「今からはじめるネイチャーフォト体験」と題して女性限定の講座を実施しました。 

 

当日は、午前に新宿御苑でそれぞれ自然と向き合いながらネイチャーフォトを撮影する、午後は午前中に撮影した作品を発表し、森本さんに講評してもらうという流れでした

 

 

森本さんからは撮影する時のアドバイスとして以下のことが挙げられました。 

 

≪技術≫露出補正を覚えると便利 

露出補正をして、光の取り込みを調整することにより、イメージ通りの明るさで被写体を撮影することができます。

 

≪気持ち≫相手を見つけてI LOVE YOU

被写体を撮影する時は、親が子どもを愛するような優しさが必要とのことです。

特に、森の中などでの撮影では、じっくり、ゆっくりと被写体と向き合うことが大切です

 

 

私も、さっそくこの2点に注意をしながら新宿御苑で撮影タイム

 

普段は何も考えず歩いていた道を、被写体を見つけるために注意深く歩きました

 

 

【タイトル:トンボ】

 

気配を消しながら、ゆっくり、ゆっくりトンボに近づいて撮影をしました

しかし、トンボも生き物です、そう簡単には撮らせてくれません…

何度も失敗しながらも、ゆっくり、じっくり向き合いました

そして、最後にはI LOVE YOUの気持ちが伝わったのかじ〜〜っと止まってくれました(誰も信じてくれませんが、最後は私の肩にも止まりました)

 

 

【タイトル:ペイント】

 

この写真は、虫の目線になって森を撮影しようと低い態勢になりながら撮影をしました

しかし、手元が固定されておらず、ブレてしまった結果がこれです。

葉の色がペンキで塗ったような感じでお気に入りです

 

私の作品はいかがでしょうか

 

このように、講評の時間は、午前中に撮影した自慢の作品を発表しました

 

発表いただいた作品はどれも素晴らしいものばかり

 

同じ被写体であっても、角度や、露出補正を変えるだけで、見え方もこんなに変わってしまうのだと驚きました

 

また、写真11枚にはそれぞれが思い描くストーリーがあり、面白かったです

 

参加者の方からも、「普段は子どもばかりで、自然を撮るなんて新鮮だったや「とても心地よい時間を過ごすことができた」といった声が挙がっていました。

 

私自身も、この講座に参加するまで、1つの被写体にこれほど向き合ったことは今までありませんでした。

 

そして、カメラを持って自然と向き合うことがこんなにも楽しいものとは知りませんでした。

 

時間がゆっくりと流れ、とても気持ちが良かったです。

 

カメラ片手に旅をすることに憧れて買った私の一眼レフ…

荷物になるからと、なかなか旅に持っていけず、埃がかぶっていました。

 

しかし、今日からカメラ小僧になろうと思います

 

大事なのは『露出補正』と『相手を見つけてI LOVE YOU

 

この2つを大切に、森に出かけてみたいと思います

 

コメント (0) |  トラックバック (0) | 

「すべてのモノにはストーリーがある」〜特別講座「おとなのソトあそび〜食べる自然体験〜」レポート〜

2011-11-24 09:20:31 | 日記

インターン生の小林真人です

11月5日(土)に料理人・フードコーディネーターの蓮池陽子さんをお招きし、

都立小山内裏公園にて市民のための環境公開講座特別講座

「おとなのソトあそび〜食べる自然体験〜」が催されました。

暖かなサークルのような講座の様子をお伝えします。

 

====================================
■プログラム
====================================

はじめに参加者とスタッフ全員が1枚のビニールシートを囲み

今の気持ちを1字で書く形で自己紹介をしました

自己紹介と蓮池さんによる簡単なレクチャーの後、この日作る料理、

「柿の葉寿司」、「ホオ葉味噌焼き」、「かからんだんご」が発表されると大盛りあがり

そして、里山の雑木林が残された公園内を散策しながら、ジネンジョのつるやタデ、クズなど

普段よく目にするような植物を日本人は食料として利用してきたことを学びました。

そして、今回の料理に必要な柿の葉、ホオ葉、サルトリイバラを採取しました

採取後は全員で料理に取り組み、羽釜で炊いたご飯と桜のチップでスモークしたサバ、

スタッフの方が作ってくれたきのこ汁を全員で食べ大満足

蓮池さんのお話を受け、おやつの鱒寿司をいただき終了となりました。

 

※特別な許可を受け葉っぱを採取しております。一般の方の採取は禁止されております。

 

====================================
■蓮池さんのお話
====================================

植物からたくさんの恩恵を受けていることを伝えられました

根としてのごぼうやにんじん、茎としてのアスパラガスやセロリ、葉としてのキャベツや大葉、

花としての菜の花や菊、実としてのトマトやくるみ、樹液としてのメープルなど。

さらに樹皮はサクラチップとなり、枝は割り箸となります

 

そして、風景には訳があり食材にも訳があると、すべてのモノの

背景にあるストーリーにこだわって料理をする精神を話されました。

 

====================================
■感  想
====================================

今回の講座に参加して、とても心が穏やかな自分がいました

私はほとんどアウトドア経験がありませんが、アウトドアが自分にとって心地よかったんですね

それは何故だろうと自問すると、それが本来のヒトのあるべき姿だったからではないかと考えています。

 

参加者・スタッフ全員が1枚のビニールシートを囲み生まれた一体感や、

簡易的でしたが食材を探し得ること、外で食べること、

そのどれもが大昔、集団生活を送ってきたヒトの本来の姿ですよね

そのアイデンティティが現代人にも残っているような気がしてなりません。

 

そしてそんな人、さらには先祖の猿や他の生物をあらゆる形で奉仕し続けた自然には頭が上がりません

オルタナティブなライフを改めて送りたいなと思いました

 

■蓮池陽子さんのブログ(蓮池陽子のごはんまわり) : http://ameblo.jp/lotusyoko/

コメント (0) |  トラックバック (0) | 

「環境の仕事に就いて ワークショップ」その2

2011-11-11 04:58:13 | 日記

インターン生の小林真人です めっきり寒くなってきましたね

加藤さんが12日前に挙げてくださっている特別講座「環境の仕事に就いて」の

もうお二方のゲスト、上田さんと向山さんのお話の内容と、私の感想をお送りします

 

====================================
■上田さんのお話
====================================

上田さんは6年間の広告代理店での会社勤め、そしてフリーランスでの映像ディレクターの経験を経て、

現在はThink the Earthプロジェクトを運営されていらっしゃいます

 

Think the Earthプロジェクトは持続可能な社会に向け、多くの人々と

地球視点(Think globally act locally)を持って考え実感していける世の中にするべくはじめられました。

 

活動としては、環境や社会問題への無関心とあきらめの心こそ最大の課題と考え、

コミュニケーションのノウハウを活かした、市民の環境への関心を高めていく活動をされています

身近に地球を感じ地球視点を持てるようにと地球時計の制作にはじまり、

一秒の世界や世界を変えるお金の使い方といった書籍を作成した上、環境教育に役立てるため小中学校、

高校に配布する、生物多様性やエネルギー問題などのデジタルブックを作る、プラネタリウムを上映するなど

新しいところでは携帯電話のアプリケーションを作ったりと、作る・伝える・つなぐを軸に幅広い活動をされています。

 

ファシリテーターの青木さん曰く、今でこそ環境関連の活動は特別なことではありませんが、

10数年前はダサいとされていました。そんな中、かっこよくて面白い環境に関するプロジェクトを

始めたのがこのThink the Earthプロジェクトだったとのこと

 

しかし、約10年の市民やメディアに環境への関心がなかった時代から

現在は環境への関心が高まったことにより現在は環境に関心を持った次に何をするかに

活動がシフトしているとのことです。

 

最後にコミュニケーションの重要性として、COP10にて決定した愛知ターゲットの第一の目標に

コミュニケーションを要する人々が生物多様性の価値に気付くことが定められられたことと、

学びを始める前に学びたい気持ちを作るプロセスとしてのプレエデュケーションという考え方を示されました。

 

■一般社団法人Think the Earth : http://www.thinktheearth.net/jp/

 

====================================
■向山さんのお話
====================================

向山さんが活動されているアサザ基金は霞ヶ浦・北浦アサザプロジェクトの実施母体です。

霞ヶ浦・北浦は、水は汚い、生き物は減る、漁業は成り立たない、アオコが発生して臭いという、

向山さんいわく諦められた湖でした

 

そんな霞ヶ浦・北浦を再生するべく、流域の小学校で育てられていたアサガオをアサザに変え、

毎年100校以上の流域の小学校の生徒たちに植えてもらう

植えてもらうにあたり、高齢者の方々に昔の霞ヶ浦・北浦の様子を伺い、それを元に実際に汚い

湖の中に入り植えていく活動を1995年から続けています

 

向山さんは自然や人と人となどの「つながり」の低下が、生物多様性の低下や社会が

生き生きしていないことの原因であるという問題意識を持ち、

これをクリアするためにつなぎ直すことやつなぎかえることが大切とお考えでした

 

つなぎ直す実践例としては、行政機関により捨てられてしまっている霞ヶ浦・北浦に住む外来魚を

100円で買い取り、肥料として農協に使用してもらう活動をしています。

 

そして、環境問題全体の解決方法として、ヒト,モノ,オカネの流れをつなぎ直すことを挙げられました

そのために、環境の仕事に就くだけでなく、環境マインドを持つ人が様々な業界に散らばり、

ヒト,モノ,カネの流れを組み替える方が広がりがあるとされました

加えて、ヒト,モノ,カネの流れを変える、人とのつながりをつくる術、ネゴシエーションや段取りといった

ノウハウは企業でも学べると、仕事の選択肢の視野を広げることを訴えられました。

 

■特定非営利活動法人 アサザ基金 : http://www.kasumigaura.net/asaza/index.html

 

====================================
■ワークショップ
====================================

4名のゲストスピーカーのお話を伺い、私は後述の感想にある、

真の持続可能な社会実現につながる啓発につなげるため、

その台座として関心を生む伝え方を考えようとコミュニケーションを考えるグループに入りました

 

そこには上田さんもいらっしゃり、伝える方法に関し様々なエッセンスを伺えました。

コミュニケーションにおいて、「伝える伝わるはイコールではない

そして「伝わる」ためには相手に合わせる必要があること、

そのため、相手の興味関心に合わせた様々な伝える手段を用意すること。

場合によっては環境というワードを入れないことも考えることと助言いただきました。

 

相手の関心を生むための特別な手段などは存在せず、

自分視点ではなく相手視点を持って伝えることが大切ということですね

 

====================================
■感  想
====================================

今回のイベントを通じ、私は持続可能な社会の実現に向けて本当に求められていることを

しているのかという自問を投げかけるきっかけとなりました

 

上田さんは持続可能な社会実現における最初の障害となる「関心に着目されておられますし、

向山さんもヒト,モノ,カネの流れという持続可能な社会実現の「障害の根本」に触れられています

 

対して、私はケータイゴリラプロジェクトで活動することにおいて、

個人の内に真の持続可能な社会実現に向けての視点を持っていませんでした

自己満足な啓発活動といえるかもしれませんね

 

どのような啓発の仕方(伝え方)をすれば真の持続可能な社会実現につながるか、

追求してみたいと思います

 

コメント (0) |  トラックバック (0) | 

「自然保護の20年」 〜市民講座パート3第2回レポート〜

2011-11-02 15:03:20 | 日記

こんにちは、インターン生の加藤です

 

1025日開催の「市民のための環境公開講座」は国際教養大学 市川博也氏、公益社団法人日本自然保護協会理事 横山隆一氏、財団法人自然環境研究センター上級研究員 小林光氏の3名をお招きし、来年リオサミットから20年を向かえることから「自然保護の20」というテーマで、企業NGO行政それぞれの立場から20年間を振り返っていただきました

 


市川氏のお話


経団連では今から20年前の19914月「経団連地球環境憲章」を発表し、翌年の1992年には「経団連自然保護基金」が設立されました

 

このような取り組みを実現することができたのは、当時の経団連会長 平岩外四氏が環境問題に対して理解があったからです。

 

平岩氏は経団連会長就任後初めての記者会見で記者団から「何をやりたいか」との質問に「環境に対する企業行動指針を作る」と回答し、経団連地球環境憲章の作成に尽力しました。

 

そんな平岩氏が経営者として尊敬をしていたのが元東京電力会長の木川田一隆氏です。

木川田氏もまた、戦後のエネルギー移行による公害問題を危惧し、公害を出さないクリーンなエネルギー作りに取り組んだ、環境問題に対して先見性のあった経営者1人です

 

そんな木川田氏の考えを、平岩氏は随所で取り入れています

 

経団連自然保護基金では、「企業からの集金により基金を成り立たせる」のが一般的ですが、「会員企業の役員が自身の判断でポケットマネーから集金する」仕組み作りを行いました

 

これは、企業も市民となり、市民として資金提供する社会が理想であると木川田氏の考えがあったからです

 

この20年を振り返ると、環境問題に先見性のある経営者が活動をしてしました。

そして、これからの時代もまた、このような経営者が経済界では必要となってきます


横山氏のお話


 

30年間自然保護と携わり、NGOとして市民の皆様に問題提議を行い、解決するため力をお貸していただきたいとお願いしてきました

 

この20年間を振り返ると、NGO/NPO・市民団体の周りでは「制度の変化」や「市民の関心の高まり」「協働・連携の重視」など様々な変化が起きました

 

しかし、現代人の生活は変わらず、「都市化」は更に進行しています。

 

都市化の例としては

 

・情報は膨大だが、直接体験は減る一方。

・むやみに忙しく、違うものへの想像力を欠けさせる などがあります。

 

またNGOでも、「会費・寄付金による維持困難」、「組織の世代交代の難しさ」、「自然保護の専門化」など混迷の同時進行が生じています。

 

現在の自然保護協会の取り組みとしてプロジェクトを紹介します

 

赤谷プロジェクトとは…

 

1.群馬県みなかみ町北部、新潟県との県境に広がる国有林「赤谷の森」(約1万ヘクタール)を地域住民、林野行政、自然保護協会で「共同管理

2.自然本来のプロセスを重視・尊重した、有効な「生物多様性復元

3.「生態系サービスの実感と持続性」を生み出す、自然保護活動のモデル

 

このプロジェクトでは「猛禽類の繁殖成功率アップ」、「おいしい水と温泉源の保全」、「健全な人工管理による多様性への貢献」といった課題を個々バラバラなものとして捉えるのではなく、共通の課題として捉えた統合的な活動をしています。

 

自然保護区を作る動きは以前から全国各地でありましたが、このような共通の課題として考えた活動はありませんでした

 

そして、赤谷プロジェクトは、他のプロジェクトには見ることのできない特徴を見ることが出来ます

 

それは、一般的に行政の事業などでは年度で予算が切れることにより合意形成の場も消滅してしまいますが赤谷プロジェクトでは予算が切れたとしても合意形成の場が維持されているということ

 また、頼まれたから来る・来られるといった専門家はおらず、自らの意志で赤谷プロジェクトに参加したいと考えている専門家によって専門家会合が構成されているということや、短期的ではなく長期的な利益を追えているということです

 

これらの特徴は、当たり前のように思われますが、できていないプロジェクトが大半なのです

 

最後に、90年代から指摘されていた八ツ場ダム建設、諫早湾開門アセス、原子力発電と放射能などの問題は現在も解決されていません…

 

そのため、リオ+20とあるような節目があるとは感じておらず、これからもNGOとして問題解決に向け活動していきます

 


小林氏のお話


日本の自然保護の価値観が転換した転機が3回あります

 

1つ目は、40年前に原生自然の保護に価値を見出したこと。2つ目は、20年前に種の絶滅防止に価値を見出したこと。3つ目は、10年前に生物多様性の保全に価値を見出したことです。

 

1、原生林の自然保護

 

環境庁が発足する以前から、原生林の保護は課題として日本学術会議や自然保護協会により叫ばれていましたが、無視をされる状態でした。

 

そして、1971年環境庁が設立され、1972自然環境保全法の制定、1973年に「1緑の国勢調査」が行われました

1回の調査では「全国植生自然度図」を作ることに重点が置かれました。

その結果、原生林が国土の2割しかないことが判明し、原生林を自然保護する価値観が生まれました

 

2、種の絶滅防止

 

1991レッドデータブックが作成されましたが、法的規制がないため効果がありませんでした。

 

翌年の1992年に、種を絶滅させてはいけないという考えから「種の保存法」が制定され、僅かな生物が対象ではありますが法的規制が可能になりました

 

しかし、企業などからは、事業が成立しなくなるといった否定的な意見も多く挙がっていました…

 

その後、種の絶滅について市民に広まっていき、1997年に環境影響評価法が制定されることにより、種の絶滅に対する価値観が生まれました

 

3、生物多様性の保全

 

1993年、リオサミットを契機に生物多様性条約が生まれ、日本でも、生物多様性国家戦力が閣議決定されました

 

そして、2008年に生物多様性基本法が制定されました。

 

しかし、生態系の保全について価値観が完全に転換したとは言い難いです。

 

なぜなら、自然環境保全法のような行政的ツールを持ち得ていないからです

 

生物多様性基本法は、実体法ではないため、法的規制することができません。

そのため、生態系が大事だという価値観を広めることはできましたが、転換するまでの力がまだ不十分なのです。

 

また、生物多様性のなかに「遺伝子のレベル」「種のレベル」「生態系のレベル」があり、その中でも「生態系のレベル」を守ることが今後の課題であると考えています。

 

特に、水辺環境は干潟の減少、河川工事により大きな変化をしています。

 

これにより、生物が生息できる環境が減少しているので、陸域と同様に水域にも目を向け、生息地を保全していく必要があります

 


パネルディスカッション


コーディネーターを小林氏が務め、市川氏、横山氏とパネルディスカッションを行いました

 

【小林氏】:20年間を振り返っていただきましたが、現在の課題は何ですか?

 

【横山氏】:里地・里山といった地域の暮らしや一次産業と結びついて環境が消えつつあります。これにより蝶が生息できる環境が少なくなり個体数が減少しています。

 

【市川氏】:日本のNGOは欧米諸国に比べ、力が弱いことが課題です。この課題を解決するためには、国際的に活躍できる専門家を育成する必要があります。しかし、高等教育の場では、環境や開発に関する講義は人気を博しているのですが、職業として選択する学生は薄給などの理由から少ないのが現状なので、改善しなくてはいけません。

 

【小林氏】:これからの活動について横山氏からはありますか?

 

【横山氏】:私の仲間は、夏は農業・冬は会社員といったように本業と副業をしながら生活をしています。これからの20年、このような働き方・暮らし方をする人が増加するのではないかと予想しています。そのため、働き方・暮らし方のロールモデルを作り、人気があるロールモデルの需要を伸ばすことがプランとして提案できます。また、実際に全国の自然を守るに当たり、東京からでは距離的な面から限界があるので、近くで守る人材も必要です。

 

【小林氏】:これからの活動として、先ほど、生物多様性の中で「生態系レベル」を守ることが課題であると述べました。そのために、ハピタットポテンシャルマップを作成し、どこから手を加えていくべきなのか見つける必要があると考えています。また、生態系サービスとは温暖化→植林→Co2吸収といった簡単な構造ではなく、様々な価値観が合わさった複雑なものであるという認識を広めていかなければならないと考えています。

 

*詳細のレポートはこちらからご覧になれます。

(レポート掲載までに時間がかかる場合がありますので、ご了承ください。)

 


感想


『講座内容のおさらい』や『講座を通して感じたこと』について書きたいと思います。

  

「この20年間、企業・行政・NPO/NGOはやれることはすべてやってきました。しかし、問題を解決することはできなかった。」

 

横山氏のこの言葉が、講座を通じとても印象に残っています。

 

つまり、今までの取り組みでは限界があるため、新たな視点を見つけないと問題を解決することはできないということです

 

今年の夏、岡島理事長が「世界からは日本オリジナルの環境教育が求められている。新たな視点が必要だ。」とおっしゃっており、それから日本オリジナルの環境教育とはなんだろうか?と考えるようになりました。

 

残念なことに、まだ答えは見つかっていません…

 

しかし、絶対に私が見つけ、日本の環境教育を世界に発信してやりたい!と思っています。

 

そのためにも、世界の環境教育を知る必要があります。

そして、日本の環境教育を見つめ直さなければなりません。

 

来年でリオサミットから20年です。

 

2012年、リオ+20が環境教育の転換点になるよう、私もアクションを起こせるようにしたいです

 


次回は、11月8日(火)です。

パート3第3回

原 剛 氏 早稲田環境塾塾長

石 弘之 氏 東京農業大学教授

岡島 成行 氏 公益社団法人 日本環境教育フォーラム理事長

環境ジャーナリストが見た20

次回もぜひご参加ください

コメント (0) |  トラックバック (0) |