若者よ環境を語れ 〜大学生による市民講座レポート〜

2010年7月から行われる「市民のための環境公開講座」の報告を、インターン生が行います

なぜ日本は国際会議がベタなのか 〜市民講座パート3第3回(竹内先生)レポート〜

2010-10-20 10:09:15 | 日記
こんにちは!
インターン生の垂水です

19日(火)、朝日新聞社編集委員の竹内敬二先生より
変わるか? 日本の「国際会議ベタ」』のテーマでお話して頂きました。

講義内容のおさらいと、私の感じたことなどを書いていきます




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<<講義内容おさらい>>
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地球環境問題は地球に暮らす人間全員、つまり市民の問題です。
問題解決のためには市民が参加し、納得しなければなりません。

国際会議は世界中の多くの人々から見られており、
そこでの振る舞いが国の評判や品格を決めてしまいます。
しかし日本は、パフォーマンスが上手ではありません。
その理由として、日本がマルチ交渉に慣れていないこと
交渉言語の英語が不得意であること
地政学的な位置が悪く、日本の「友人」の国がいないこと
国内での準備が不足したまま会議に臨んでいることの4つです。

現在、国際会議で強いとされているのはEUです。

EUは巨大なグループのうえ、価値観を共有するために毎日会議が開かれています。
つまり、国際会議の予行演習が出来ているのです。
さらにEU同士だけでなく、EU+途上国で協定を結び、それが強さに結びつきます。
また、自らの負担を受け入れ、先進的主張を掲げているため
国際会議では主導権を握ることができるのです。

日本の問題点は、将来を見据えた政治的意思がないこと、
政権交代による大きな転換がないこと、
産業界への過剰な配慮、
国内議論が遅いので国際会議の流れに乗れていないことが挙げられます。

世界の環境ビジネス市場をとることは必要な戦略ですが、
日本は技術が高くても売るのが上手ではありません。
国民の環境意識は非常に高い国ですが、
国内で力を持っている産業界への過剰な配慮があって、目立った環境政策がありません。
高い環境意識を強みに、国内議論を活性化させる必要があります。

日本はこれから、行動が尊敬される中規模の国にならなければいけません。




*詳細のレポートはこちらからご覧になれます。
(レポート掲載までに時間がかかる場合がありますので、ご了承ください。)




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〜欧州の自然観は「眠れる森の美女」〜
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自然を管理する、という欧米の考え方に対し
日本は有りのままの自然を愛でるという文化を持っており、
欧米とは自然観が異なります。

竹内先生は、欧州の自然に対する考え方は
グリム童話「眠れる森の美女」に表れている、とおっしゃっていました。

魔女の呪いで眠ってしまったお城は、100年の間でイバラに囲まれ
人が出入りできなくなってしまいます。
つまり、放っておくと自然は人の手には負えなくなるという考えが
物語に表れている、ということだそうです

日本では、自然を愛でる描写が物語によく出てくると感じます。
昔話を読むと、その地域の文化がさりげなく描かれていて、面白いですね。
次から昔話を読むときは、環境の描写がどのように書かれているか
少し注目してみようと思います。




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〜日本には「友人」がいない〜
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強い地域はグループで活動していますが、日本が含まれる東アジアは
太平洋戦争の歴史や情勢が不安定である等の理由で、地域としての一体感がないそうです。

アメリカに弱く、先進をいくEUには反発ばかりして、
途上国にはあまり真面目に取り合わない。
その3点が、日本に「友人」がいない理由ということです。

確かに歴史を学ぶと、日本は近隣の国に酷いことをしてきたと感じます。
しかし欧米では、かつての植民地と仲良くしている国も多くあるそうです。
それを思うと、東アジアの国でも
日本の対応次第でこれから「友人」になれる国もあるのではないでしょうか。

日本は、国民の環境意識が非常に高い国だそうです。
もっと他国と連携し、意識だけでなく行動でも示していけるようになってほしいと思います。




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〜EUが強いわけ〜
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国際会議で目立つ国の条件として、
1.大国であること
2.小国でも新しい理念で存在を示すこと
3.小国でも反対ばかりして会議を乱すこと

以上がありますが、日本はどれにも当てはまらないということでした。

日本は、太平洋戦争の歴史だけでなく、現在でも領土問題や朝鮮半島の問題など
同じ東アジアの国々と確執が多くあります。
それが国際会議の場で、交渉がうまくいかない理由のひとつとなっているそうです

一方でEUは、巨大なグループであるにも関わらず、同じ価値観で活動しています。
どこかの国が良い取り組みを始めたら他の国もそれを見習い、
7年後にはEU各国の法律になるそうです。

他にも環境対策の第一号条約である長距離越境汚染条約を締結したり、
先進的主張を掲げて国際会議で主導権を握ったりと、
自らの負担を受け入れ、先進的主張を掲げているそうです。

国際会議のニュースなどを見ていると、どの国も自国の負担が増えることには反対します。
環境保全も大切ですが、国としては国民の生活も守らなければいけないことも考えると、
自らの負担を増やしてリーダーシップをとり、環境問題の解決に向かうというのは
望ましいけれど、理想論でしかないのかもしれない、と思っていたのですが
それをEUが実践していると聞いて、衝撃でした

日本はEUに対し反発ばかりしているそうですが、
見習わなければいけない部分もあると思います。
そこから日本に合った政策に発展できたら、
「行動が尊敬される中規模の国」になれるのではないでしょうか。




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今回で市民講座のパート3は終了です。

次回から、とうとう最後のパート
NPO・NGOが動かす世界」がテーマのパート4が始まります



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市民のための環境公開講座 パート4

NPO・NGOが動かす世界
〜NPO・NGOと企業のパートナーシップ〜


11月9日(火) 長沢恵美子氏 (社)日本経団連事業サービス 総合企画・事業支援室 室長
「NPOと企業の協働は社会を変えるか?」

11月16日(火) 日比 保史氏 コンサベーション・インターナショナル アジア政策担当
「NGOが動かす世界〜NGOと企業のパートナーシップ〜」

12月7日(火) 枝廣 淳子氏 環境ジャーナリスト・翻訳家/ジャパン・フォー・サステナビリティ共同代表
「「不都合な真実」を超えて〜NPOの役割と新しいパートナーシップの台頭〜」


http://www.sjef.org/kouza/kouza2010/index.html
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パート4もぜひご参加ください


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気温上昇2℃未満へのカウントダウン 〜市民講座パート3第2回(池原先生)レポート〜

2010-10-12 17:14:51 | 日記
こんにちは!そして、お久しぶりです。
インターン生の長谷川です。
8月、9月と不在にしていましたが、
今月からインターンに復帰しました。
今後はブログも垂水さんと交互に更新していきますので、
よろしくお願いします

さて、先日10月5日に、
世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)の池原庸介先生より、
地球温暖化問題の実情と国際合意の難しさ」というテーマでお話を頂きました。

いつものように、公演内容のおさらいと、僕自身の簡単な感想をまとめたいと思います


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<<講義内容おさらい>>
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WWF(世界自然保護基金)
人と自然が調和して生きられる未来を目指して1961年に設立した国際的な環境NGOであり、
世界約100カ国で活動を展開しています。

世界の平均気温は過去100年間で0.74℃上昇し、最近20年では特に加速しています。
WWFでは、温暖化によって生じている、氷河の融解や農作物への被害といった様々な影響を、
現地の生の声で伝える取り組みを行っています。
(WWFジャパン・地球温暖化の目撃者:http://www.wwf.or.jp/witness/

また、昨年行われたCOP15など国際交渉の場には、WWFを始めとした国際NGOも参加しており、
京都議定書後の国際協定が最大限効果のあるものとなるために各国政府へ働きかけることや、
国際交渉の現状をメディアに正しく伝える活動をしています。

当初、このCOP15で京都議定書後の枠組みが採択される予定だったのですが、
議論の紛糾や意見の対立により、交渉は未完成のまま
かろうじてコペンハーゲン合意という政治合意が作成され、
それも全会一致ではなかったため「留意する」という結果にとどまってしまいました。

しかし、温室効果ガスの二大排出国であるアメリカ、中国が参加したことと、
先進国による途上国への資金援助額が含まれていることは、
首脳が参加するCOP15でしかなし得なかったことです。

来年のCOP17での次の枠組み合意に向けて、
今年の11〜12月にメキシコで開催されるCOP16で大きな足がかりを作れるかどうかが
注目されています。

*詳細のレポートはこちらからご覧になれます。
(レポート掲載までに時間がかかる場合がありますので、ご了承ください。)


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〜気温上昇2℃未満という目標〜
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今回の講演を受けて、
気温上昇を産業革命前に比べて2℃未満に抑えるということの意味
を改めて学びました。

北極や南極の氷が溶けることにより、海水面が上昇し、
ツバルなどの島しょ国が沈んでしまう事があるという話はよく聞いた事があるのですが、
氷には太陽からの熱を反射させる性質がある一方、
海は逆に熱を吸収する働きがあることから、
氷が溶けることによりますます熱を吸収しやすくなり、
温暖化を加速させてしまう危険性があるというのです。

そして、その温暖化の加速が起こる可能性のある気温が、
産業革命前と比較してプラス2℃程度ではないかといわれているのです。
このような温暖化の加速を起こさないためにも、
少しでも早く国際的な合意に基づく対策をとり、
産業革命と比較した気温上昇を2℃未満に抑えることを
なんとしてでも達成しないといけないと強く思いました。


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〜“かろうじて”のコペンハーゲン合意の意味〜
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本来であれば昨年のCOP15で2℃以内での枠組みが決まっているはずだったのですが、
前回(9月28日)外務省の山田参事官が講演してくださったように、
先進国と途上国の複雑な対立があり、交渉は思うようにいきませんでした。

そのように「失敗だった」という印象ばかりが強い昨年のCOP15ですが、
講演の中で池原先生は、それでもコペンハーゲン合意には意義はある
と述べられていました。

つまり、気温上昇を2℃未満に抑えることを目指すことが正式に盛り込まれ、
アメリカと中国が参加し、先進国による途上国への支援額が具体的な数字で入ったことは、
今までの外務省を中心とした事務レベルの交渉では実現できなかったことであり、
各国首脳の参加によって前進したことは事実であるからです。

確かに、「次期枠組みに合意する」という当初の目標から比べると、
コペンハーゲン合意は程遠いものになってしまいました。
しかし、それを単に「失敗だった」といって片付けるのではなく、
少しでも前進したことを足がかりにして、今年のCOP16で大幅に進展させ、
来年のCOP17でなんとしてでも合意させなければならないと思います。

2℃未満に抑えるため、また京都議定書後の空白期間を作らないためには、
一刻も早く、できれば今年のCOP16のうちに次期枠組みを合意させたいという気持ちはあります。
ただ、結論を急ぎすぎることによって、
京都議定書からのアメリカの離脱のような事態を招くことは許されませんし、
中途半端な制度設計による逆効果が起こることも避けなければなりません。

「早く解決しなければいけない!」と気持ちは焦りますが、
焦りすぎたがために効果的でない合意になっては元も子もないと思うので、
ジリジリしながらも進展を期待したいと思います。


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〜「化石賞」と日本の役割〜
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「化石賞」と聞いて、どんなものをイメージしますか??

実はこの賞、気候変動に関連する世界400のNGOの集まりである「CAN」が選ぶ、
「国際交渉を最も妨げる国」に贈られるという、なんとも不名誉な賞なのです。
なんと日本も、2009年まではアメリカ、カナダと並び、毎年3位以内の化石賞の常連でした。

それが、2009年の政権交代を機に、
2020年に温室効果ガスを1990年比25%削減することを発表し、
途上国への資金援助も約束するなど、
温暖化問題に対して積極的に取り組む姿勢に変化し、
日本のリーダーシップへの期待度が高まっています。

現状として、先進各国は独自に2020年までの削減目標を打ち立てており、
この目標を基準として次期枠組みへの議論が行われているのですが、
現状の削減目標では2℃以内に抑えるには程遠く、
2100年には2.9℃〜4.4℃もの気温上昇が予測されています。

日本は大きな削減目標を達成することによって温暖化対策の先駆者となるだけでなく、
世界の気温上昇を2℃以内に抑えるために
アメリカ、中国を始めとした他の国々に働きかける必要があると思います。

また、日本は、先進国の一員としてアメリカやヨーロッパの立場も理解し、
また高度経済成長を経験したという点で中国やインドの状況も理解することができると思います。
さらに、場の空気を読み、複雑であいまいな状況も受け入れることができるという能力は、
日本人が持つ長所だと感じています。

なので、日本には、「技術力を武器に世界を引っ張っていくリーダー」というよりは、
「技術力を持ち自らは率先して温暖化対策に取り組みつつも、他の国の立場を理解し、
その利害関係を調整していく調停役」
となることがふさわしいように思います。
そのような「日本らしいリーダーシップ」が、
COP16やCOP17で求められているのではないでしょうか。
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世界がまとまる難しさ 〜市民講座パート3第1回(山田先生)レポート〜

2010-09-30 14:28:20 | 日記
こんにちは! インターン生の垂水です

先日9月28日(火)、外務省国際協力局参事官山田彰先生より
気候変動問題をめぐる国際交渉」をテーマに
お話して頂きました。

講義内容の簡単なおさらいと、私の感じたことを書いていきたいと思います



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<<講義内容おさらい>>
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気候変動枠組条約の各国の具体的な枠組みを定めたのが、
1997年に京都で作成された京都議定書です。
しかし京都議定書が定めているのは2012年までの中期目標で、
削減義務を負っているのも全世界の排出量の約3割にすぎません。

そこで、主要排出国であるアメリカ、中国、インド、
そしてこれから排出量が増加するであろう途上国も含む枠組みを
合意しようと交渉を進めています。
中でも日本は、昨年の国連気候変動首脳会合で
2020年までに1990年と比べて25%の削減目標を掲げ、
国際的なリーダーシップを期待されています。

しかし昨年12月にデンマークのコペンハーゲンで開かれた
気候変動枠組条約の第15回締約国会議、COP15では
各国の利益が複雑に絡み合い、交渉は思うように進みませんでした。

途上国には国を発展させる権利があり、
現在の地球温暖化は先進国に歴史的責任があるのだから、
まず先進国が削減し途上国へ資金援助をするべき、という意見と

地球温暖化は世界規模での問題であり、現在の主要排出国が偏っているので
途上国も削減目標を持たなければ意味がない
という意見の対立があります。

話がまとまらないまま、一部の首脳が非公式に会合してコペンハーゲン合意を作成しましたが、
非公式な会合に参加しなかった国からの同意が得られず、
COP全体では留意ということになりました。

しかし合意されなくとも、各国でそれぞれ削減するための努力は続けていくでしょう。
日本も今年12月にメキシコで開かれるCOP16で、
コペンハーゲン合意を踏まえた採択を目指すべきとの立場で、積極的に議論へ参加していきます。



*詳細のレポートはこちらからご覧になれます。
(レポート掲載までに時間がかかる場合がありますので、ご了承ください。)



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〜COPの期間は眠れない〜
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今回の講義で全体を通して感じたことは、
COPの議論は予想以上に大変そうだということです。
国際的な会議については、実際に参加した方から議論の内容や雰囲気のお話を聞ける機会はほとんどなく、
これまでニュース等で結果を聞くだけでした。
そのため、もっとペースを上げて話し合いが進まないのか、と思うこともありました。

しかし今回の山田参事官のお話では、
COPの期間中、担当官は翌日の交渉の準備でほとんど眠る時間もなく、
最終日くらいゆっくり出来ているかと思えばギリギリまで合意文書の作成をし、
また、海外での会議は文化や食事、気候の違いなどによるストレスも大きいそうです。

講義の中でおっしゃった「寒い、まずい、高い、遠い」
その時の気持ちがストレートに伝わってきたように感じました。

条約や議定書についての作業部会も採択はCOP16へ延長され、
コペンハーゲン合意も留意にとどまってしまいましたが、
主要排出国であるアメリカや中国の参加や、途上国への資金援助を合意に盛り込んでいます。

今後、これらが前向きに採択されるよう
外務省の方々に期待したいと思います。



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〜先進国 VS 途上国 ではない〜
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気候変動をめぐる国際交渉では、先進国と途上国が対立していると一般的に言われていますが、
そんなに単純な構図ではなく、
途上国は一致団結して先進国に対抗しているわけではないことが分かりました。

途上国でも自国の発展を求める国ばかりではなく、
早急に対応しなければ国土が海に沈んでしまう国などは
他の途上国にも具体策を望んでいます。

また、先進国では自分たちのマーケットルールでやっていきたい、
という考えも持っています。

つまり、単純な先進国と途上国の対立ではありません。

発展の権利を主張する国も、同じ地球に住んでいる以上
気候変動は他人事ではありません。
「生物多様性」がテーマのパート2の時に、
日本の持つ技術を途上国にも理解してもらって活用してもらえば
保全と発展の意見の対立を和らげることも可能では
と考えましたが、
生物多様性だけでなく、気候変動に関しても同じことが言えると思います。

すべての国が納得するというのは難しいと思いますが、
COP16の議論が気候変動の改善につながることを、改めて願います。

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多様化は38億年の歴史 〜市民講座パート2第3回(中村先生)レポート〜

2010-09-22 10:35:25 | 日記
こんにちは! インターン生の垂水です

9月21日(火)、市民講座パート2の最後として
JT生命誌研究館の中村桂子館長より
生きものの多様性とつながり」について講義して頂きました。

講義内容の簡単なおさらいと、私の感じたことを書いていきたいと思います



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<<講義内容おさらい>>
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生物多様性には、3つの基本があります。

1.生物は本来、多様なものであること(自然の力を活かす)

2.人間も多様な生物のひとつであること(その意識で暮らす)

3.多様だが、生きている「基本」はひとつであること(共通性を見る)

中でも人間も多様な生物のひとつであることは、
生物多様性を考える上で最も大事なポイントです。

地球上の生きものはみんなひとつの細胞から生まれ、
38億年かけてそれぞれ進化してきました。
33億年海の中で暮らし、陸に上がったのはほんの5億年前です。
生きものにとって大きなチャレンジである上陸によって急速に多様化が進み、
現在につながる生態系をつくりあげました。
つまり、生きものは皆、同じ38億年の歴史を持っているのです。

地球には多様な生きものたちがいますが、その多様性は
虫と植物がベースになって支えています。
共生関係を保つために、共に進化してきた結果が現在の生態系です。

しかし、人間が特殊な生きものであることも事実です。
産業革命によって急速に人口が増加してから、
科学技術とお金が人間の社会を支えています。
ところがそれによってある種の破壊が起きており、
その大部分を環境問題と呼んでいます。
つまり破壊は、私たち自身にも及んでいるということです。

人間の生活に必要な食物、健康、住居、心・知、水をはじめとした環境、
これらを考えるときにまず大事なものは生命です。
しかし実際には、経済や技術の発展が優先され、20世紀はそれが問題となりました。

生きものには継続性・多様性が重要です。
人間だけ見ても人間というのは多様で、それによって歴史や社会をつくっています。
しかしその裏にはさらに多様な生きものたちがいるのだということを忘れてはいけません。
他の生きものが生きられないところでは、
私たち人間も生きていけるはずがないのです。




*詳細のレポートはこちらからご覧になれます。
(レポート掲載までに時間がかかる場合がありますので、ご了承ください。)





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〜熱帯雨林は多様性の宝庫〜
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生きものは何千万種と言われていますが、
実はいくついるのか分かっていません
分かっているのは1500万種程度で、未確認の生きもののほとんどは熱帯雨林にいるそうです。

そういえば不思議な生きものの特集をテレビで見るときって、
熱帯雨林が舞台になっていることが多い気がします。
今年の夏も、19年に一度しか咲かない花が話題になりましたね。
(参照:asahi.comニュース

まだまだ知らないことも多いですが、変わった生きものたちがたくさんいて
熱帯雨林は面白い場所だと思います。
一度行ってみたいですね





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〜色恋話だけではない「源氏物語」〜
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恋物語として有名な古典「源氏物語」ですが、読んでみると恋の話だけではなく
自然が鮮やかに描かれているそうです。

私も高校生の頃、古典の授業で「源氏物語」を原文で読んでいました。
中村先生のお話を聞きながら、原文ではありませんが授業以外でも読んでいたことを
ふと思い出しました。

今から思い返すと、私も恋物語ではなく地の文の自然豊かな描写が好きだったのだと思います。
日本にはそんな昔から自然に対する意識があって、
その当時に書かれた文学が現代まで残り日本人の自然観が引き継がれてきているなんて驚きました。

日本には四季があるために、
自然に対する感性が磨かれていたのかもしれませんね。
また、古典の文学を読んでみたくなりました




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〜「共通であり多様である」〜
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「多様性」といっても、すべてが異なる生きものというのはいません。
生きものは皆、遺伝子を持った細胞から出来ている、
他者の命を糧にして自分の命をつなげている、など
生きていく上で多くの共通点も持っています。

つまり、「生きる」ことの基本はみんな同じということです。
共通点だけ、あるいは多様性だけを考えず、両方を並行して見ていかなければならないというお話でした。

「生物多様性」という言葉もあって多くの人が多様性には関心があると思います。
しかし、同時に共通性も考えようと思っている人はごく一部ではないでしょうか。
私自身、中村先生の講義を聞くまでは「多様性は多様性」としか思っていませんでした。

生きものは皆、同じ38億年の歴史を持っていて基本は同じなのだから、
これからは共通点をまず念頭に置いてから多様性について考えていきたいと思います。



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今回で市民講座のパート2は終了です。

来週は「国際交渉の真実に迫る」がテーマのパート3が始まります



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市民のための環境公開講座 パート3

日本の文化と生物多様性の調和

9/28(火)古屋 昭彦氏 外務省 地球環境問題担当大使
「気候変動問題をめぐる国際交渉」

10/5(火)池原 庸介氏 (財)世界自然保護基金ジャパン 気候変動プロジェクトリーダー
「地球温暖化問題の実情と国際合意の難しさ」

10/19(火)竹内 敬二氏 朝日新聞編集委員
「変わるか? 日本の『国際会議ベタ』」

http://www.sjef.org/kouza/kouza2010/index.html
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環境問題はひとつの国家だけの問題ではなく、
地球に住む全員の課題となっています。

パート3では、環境問題について
世界でどんな話し合いが進んでいくのかということを
9月28日、10月5日、19日の3回に渡って
3人の講師の方にお話しして頂きます。

パート3もぜひご参加ください

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佛教・先祖教と日本人 〜市民講座パート2第2回(梶田先生)レポート〜

2010-09-19 00:39:13 | 日記
こんにちは!インターン生の垂水です

先日9月14日(火)、法然院の貫主・梶田真章氏より
日本人の自然観 〜佛教と先祖教〜」をテーマに
講演して頂きました。

講義内容の簡単なおさらいと、私の感じたことなどを
書かせて頂きます


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<<講義内容おさらい>>
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法然院の梶田貫主は、境内の環境を活かして「法然院森の教室」を開き
環境教育をなさっている方です。
講座では、佛教と先祖教を通して「共生」とはどんなものであるかをお話して頂きました。

室町時代、まだ食べ物が足りなかった頃は、
日本の人々は死後、地獄へ落ちないための信心と修行をこの世での生活目標として
「南無阿弥陀仏」を唱えていました。
神佛の存在や六道輪廻(※1)を信じ、死後の世界の救済を求めて
この世の不条理を納得するための信仰でした。
どんな存在にも因縁があり、「原因」と「条件」が整うことによって存在し、
他の存在と無関係にはなれないという教えです。

しかし農作物の収穫が増えて生活が安定し、あの世ではなく
この世で幸せに暮らすことを願うようになるのと同時に、
先祖教が急速に広まりました。
亡くなった親しい人は身近なところで見守っており、正月やお盆には返ってきて、
どんな先祖になりたいといった願いは死後には必ず達成され、
死んでも二度、三度と生まれ変わって同じ家に生まれてくる、と信じられました。

目に見える対象ではなく生き物同士の支え合いの仕組みが「自然」です。
また、共生とは「共に生きる」ということだけでなく、
他の命を奪わなければ生きてはいけないということも指しています。
そして、佛と人、人と人、人と他の生き物のつながりによって生きていくことが「多様性」です。


※1:六道輪廻
インド人の世界観で、あらゆる生き物は地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人間、天という
6つの世界を巡り続けるということ。
死後、地獄や餓鬼、畜生の世界に落ちないように救済が切実に求められていた。


*詳細のレポートはこちらからご覧になれます。
(レポート掲載までに時間がかかる場合がありますので、ご了承ください。)




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〜コンビニよりもお寺が多い〜
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日本には、現在7万5千のお寺があるそうです。
あちこちにあるように感じるコンビニの数は、まだ4万程度ということですので、
お寺の多さが理解できます。

先祖教が最も発展した戦国時代から江戸時代に建てられたものが多く、
主に法事のための寺が日本では広まったそうです。
弔い上げと言い、最後の33回忌の法事が済むと死者は「ご先祖さま」になるので
それだけ多くの法事をするには、お寺もたくさん必要だったということです。

しかし、現在でもコンビニの倍近くもあるなんて驚きました。
言われてみれば、どこの町に行ってもお寺をよく見る気がします。
自然豊かなお寺の境内を活用させて頂けたら、
環境教育の輪もぐっと広がるかもしれませんね。




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〜キーワードは「ふるさと」〜
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先祖教のポイントは亡くなった方に、ずっと「ふるさと」にとどまっていてほしい
という思いが反映されています。

かつては村という共同体で「ご先祖さま」みんなに祈っていましたが、
ふるさとを去っていく人が増えた現代でも、
村からという単位になって残っています。

日本人は無宗教といわれますが、先祖教は宗教と思われないくらい日本人に深く根付いています。
お正月やお盆はもちろん、たなばたや、墓参りのお水などは佛教ではなく先祖教の名残だそうです。

私は佛教と先祖教を同じものだと思い込んでいました。
佛教だと思い込んでいたことが、実は先祖教によるものであることは他にも多くあると思います。
先祖教は現在でも、日本人の生活に多く残っているんですね。
これからお正月などの際に伝統の意味を少し考えてみると、
新しい発見があるかもしれないと思いました。



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〜生きもの同士の支え合い〜
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市民講座パート2のテーマは「生物多様性」ですが、
梶田先生のおっしゃる「多様性」とは因縁
つまり、たくさんいる生きもの達はすべて
他者の命を奪い食べていかなければ生きていけないことです。
これが「共生」だというお話が、今回の講座で私にとって一番印象に残っています。

植物も動物も、食う・食われるというサイクルの中で生きていて、当然、人間もその輪の中にいます。
生きもの同士が支え合っているこの仕組みが絶えてしまったら、人間も生きていけません。

講座の中で梶田先生がおっしゃっていましたが、「いただきます」「ありがとう」など
日本語の挨拶は他者に対する労わりや感謝が含まれている言葉が多いそうです。
言葉の意味を考えて、その気持ちを大切にしながら暮らしていきたいと思いました。



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