子どもパークレンジャーの記録!

子どもパークレンジャーの活動を報告するブログ。

  唄って探して「あんぱるぬみだがーま」探検隊<11月23日(木祝)>

2007年01月30日 | 西表国立公園
■実施日:平成18年11月23日(木祝)
■実施場所:環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター/アンパル干潟
■活動のねらい:
 ●干潟の生物が登場する民謡を通して昔の人がどのように自然を見て、関わっていたかを考えます。
 ●民謡に登場するカニの観察を通して、アンパル干潟の生態系を学びます。
 ●干潟を大切に思う心を育てます。

あんぱるぬみだがーまゆんた紙芝居と民謡の練習
 アンパル干潟を舞台にした200年前の民謡「あんぱるぬみだがーまゆんた」の歌詞の意味や背景を紙芝居を使って、わかりやすく説明しました。
 そして民謡をみんなで唄い、唄に登場する14種類のカニについて、唄の中での役割を知ってもらいました。

民謡に登場するカニたち
 民謡に方言名で登場するカニたちと、実際のカニとの対比の推理を科学的根拠を交えて説明しました。民謡の中で擬人化されたカニと、観察されるカニの生態とを科学者の視点から解説しました。
 また、カニの巣穴の話などから、干潟とのつながりや、その役割が説明されました。

アンパル干潟でのカニの観察
 民謡で唄ったり説明を聞いたカニを実際に干潟で探してみました。数種類のカニについて、その生態や干潟での役割を観察しながら学びました。

参加者の反応
●民謡の練習では、大きな声でしっかり歌っていました。
●カニの巣穴の説明などは、大人も子どもも食い入るように聞き入っていました。
●干潟では、みな夢中になっていろいろな生きものを探し、講師にたくさんの質問をしていました。
●とても楽しく、誇るべき自然と文化が身近にあることを感じた、という感想をいただきました。

事務局の感想など
●悪天候が予想されましたが、実際に干潟に出ると暑いほどの陽気となり、無事に楽しく実施することができました。
●昨年に続き、同じ内容で2回目の実施でしたが、民謡を絡めることで興味を持つ人が多く、昨年からのリピーターもいました。当日は祝日で、他にいろいろな行事が重なり、ほどほどの参加者数でしたが、参加したかったというたくさんの声が聞かれました。
●完成度の高いプログラムとなってきたので、来年以降も続けていきたいと思います。毎年、少しずつ変化をもたせてリピーターにも楽しめる内容にしたいです。
●アンパル干潟が、市民にとって身近になってきたように思われます。ゴミ投棄の問題や周辺の開発による景観の問題など、環境問題にも少しずつ触れていきたいと思っています。

取材:八重山毎日新聞、石垣ケーブルテレビ、琉球放送

                            報告:西表国立公園地区事務局 大堀

  秋のタネをいっぱいあつめよ!<11月3日(金祝)>

2007年01月30日 | 秩父多摩甲斐国立公園(奥多摩エリア)
■実施日:平成18年11月3日(金祝)
■実施場所:秩父多摩甲斐国立公園 東京都立奥多摩湖畔公園、山のふるさと村
■活動のねらい:
 ●実際に採集を行い、植物のタネにもいろいろな形があることを知ります。
 ●自然の中で、植物が大きくなるまでには自然淘汰があることを知ります。
 ●自然公園の役割には保護と利用があることを知ります。

タネってどんなものだっけ?
 自然環境の中にあるタネを実際に探す前に、タネに興味を持ってもらうため、身近にあるフルーツのタネを思い出しながら、フルーツがどのようにタネがついていて、タネ自体はどのような形だったか質問し、それぞれ絵に描いてもらいました。スイカやみかん、りんごなどの幾つかのフルーツの絵が描かれたところで、デザートとして数種類のフルーツを持ち出し、包丁で切って見せました。
 絵に描いたタネの配置や形などと本物のフルーツを比べながら、タネについての興味を高めることができました。

いろいろなタネカード
 自然の中で探すタネの形に興味を持ってももらうため、「いろいろなタネカード」を配布しました。環境省自然保護官の中川さんや保護官補佐の中井さんにもグループを担当してもらい、3つのグループに分かれました。
 グループごとにそれぞれ異なるタネカードを引いてもらい、グループがひいたカードに描かれた形のタネを見つけることを目標にしました。翼(よく)をもっていたり、髭のような毛をもっているタネ、形のおもしろいタネに注目しながら探し、タネごとの形の違いと植物の工夫について、子どもたちと一緒に考えることができました。
 また、実際に探す事前に、国立公園でのルールを確認することで、自然環境に配慮した活動を行うことができました。

こんなタネを探せ
 各グループがそれぞれ、少しずつ異なる環境でタネ探しを行った後、それぞれのグループが見つけたタネを発表しました。どんな環境にあったタネなのか、どんな植物のタネなのか?高い位置にあったものか、見つけにくいものだったか、など採集の時のことを確認しながら、環境と植物の関係を感じてもらうことができました。
 また、「植物がもっとたくさん増えるためにはどんな環境だといいと思う?」という質問を子どもたちに投げかけ、全員で考える時間を設けました。自然環境の中では植物同士が競争したり、野生動物に食べられるなど、子どもたちの発言からも自然の厳しさについて、考えをめぐらせている様子がみられました。

参加者の反応
 グループごとに分かれて植物の種子を採集したことで、直接自然に触れ、気になることはすぐにグループのスタッフに聞くことができたため、感想をすぐに口に出していました。
 また、たくさんの会話の中から、植物や植物が生育する国立公園やレンジャーの仕事についても考えるきっかけになったようでした。
 「いろいろなタネカード」を意識しながら自然の中に出たことで、さまざまなタネを見つけてもらう視点をもってもらうことができました。タネを集めようと思っても、植物の種類によってタネがついている時期や期間が細かく違っていることを発見して驚いていました。
 本物に触れることで、図鑑などに書いてある情報よりも、自然の中にははるかに多くの視点があることを知ってもらうことができました。タネだけでなく、環境の中に生えている植物にも目を向けることができ、国立公園の中でもシカなどの草食動物に植物が食べられ減少してきていることを知ってもらうことができました。
 第1回、第2回にきていた参加者もいたため、環境省自然保護官へ事前に質問を用意していている子どももいました。

事務局の感想など
◆今後の展望:
 ●実際に子どもたちと植物の種子を集めたことで、参加者からは多くの感想がありました。今後は、草本だけでなく樹木の種子を集め、育苗して、自然公園内に植栽するなどの企画も検討したいと思います。
 ●参加者をグループに分け活動した際に、環境省自然保護官やアクティブレンジャーの方にもグループの担当として入っていただきました。子どもたちと触れ合ったことで、初期の企画段階から提案していきたいという話もしていただきました。今後、同様の行事を行うことがあれば、早い段階で環境省自然保護官やアクティブレンジャーに話を持ち込み、「子どもパークレンジャー」事業の目的に即した内容を自然保護官企画により実施することも検討していきたいと思います。

             報告:秩父多摩甲斐国立公園地区事務局(奥多摩エリア) 秋元


地球は生きている!~地表に湧出る源泉を探そう!~<10月14日(土)>

2007年01月30日 | 阿蘇くじゅう国立公園
■実施日:平成18年10月14日(土)
■実施場所:阿蘇くじゅう国立公園 国立阿蘇青年の家
■活動のねらい:阿蘇は、古くから火山地帯としての歴史があり、人々は様々な形で火山と関わってきました。その中で、日頃馴染みのある温泉も実際は、地表へ出てくるまでの活動はなかなか見ることができません。その迫力ある活動を実際に体感してみます。そして、自然から受ける恩恵や関わりについて考えます。

源泉探険隊 ~地表に湧出る温泉を探しにいこう~
 秋ならではのリンドウの花やマムシ草、ムカゴ、アケビなどを見つけて触ったり、食べたりしました。途中、イノシシらしきものが掘った後などをみつけ「初めて見た」という子どももいて、様々なものが発見できました。
 また、肥後の赤牛とも出会いました。草原一帯には赤牛が放牧されており、舗装道路にも「牛馬優先」の標識が多々あります。体重600kgほどある牛たちが、群れで移動し、道路を横切られるとさすがに「かわいい」というより「こわい!」というほどの迫力がありました。

温泉調査をしよう!
 吉岡地区の源泉の吹き出ている場所へ到着し、源泉が天に向けて噴気口から湯煙を上げている様子を見ました。とても力強くも感じました。そこで、温泉の温度を計測したり、実際どれくらい熱いのか近くまで行き、手で触れられるところまで、近づきました。
 また、偶然にも地域の方のご好意で源泉を利用した「蒸し器」を貸していただき、温泉卵をつくることも試みました。おもわぬところでの地域との交流で楽しむことができました。

参加者の反応
◆アンケートより
・源泉を初めて見ました。とても熱かったです。
・ムカゴを初めて食べました。レタスの味がしました。
・牛の行列にであったのにはびっくりした。
・イノシシの掘った後を見つけました。芋のようなものが落ちていたので、それを食べているのかなぁと思いました。
・マムシ草はとっても気持ち悪かったです。

事務局の感想など
 実際の源泉が湧出ているところへ行くのは、子どもパークレンジャーでは初めての活動でした。あえて源泉のある場所にすぐ連れていくのではなく、「源泉を探しに行くぞ!」という冒険心を持てるコース設定をしました。森の中を抜けていくと、そこには源泉が湧出ている、という流れでプログラムを組みました。
 実際は、場合によっては危険も伴うこと有り、万全の下見と、専門家の話を聞き、無理のないように実施しました。噴気口は、怖いくらいの迫力もありますが、生で見てもらうことにより、阿蘇火山地域における人と火山との関わりをより深く知ることが出来たと思います。

                      報告:阿蘇くじゅう国立公園地区事務局 伊志嶺



  キャッチ The フォレスト ハイキング<9月30日(土)>

2007年01月30日 | 秩父多摩甲斐国立公園(秩父エリア)
■実施日:平成18年9月30日(土)
■実施場所:埼玉県秩父市中津川 彩の国ふれあいの森、原生の森
■活動テーマ:荒川源流域の原生林へのハイキング
■活動のねらい:
 ●原生林とは何か、説明できるようになる。
 ●原生林と人工林の違いを自分の言葉で言えるようになる。

レンジャーの時間
 奥多摩自然保護官による、秩父多摩甲斐国立公園と原生林とは何かを問いかけるクイズ形式のプログラムです。紙芝居形式でわかりやすくしてあり、歩き出す前に国立公園と原生林についての簡単な概要について伝えました。

感性の準備体操
 歩くための体の準備体操を実施後、歩きながらいろいろなものを発見するための「感性」の準備体操も実施しました。視覚を閉ざすことで、触角や聴覚、第六感を研ぎ澄まし、感性を使用する練習を簡単なゲームで練習しました。

原生林ハイキング
 歩きながら「なんだこりゃ?」と感じたものを探すように促しました。みつけたら、周りの参加者にも伝え、発見を共有しながら歩くようにしました。
 また、場所や地形によって変化する音や匂いなどにも注目しながら歩き、変化に気がついた段階で周りの参加者と共有して歩きました。

参加者の反応
 歩く距離も少々長めであり、険しい場所も若干ありましたが、そうした困難を乗り越えて原生林に到着したことは、参加者にとっても非常に印象深かったと思われます。
 また、コケや清流と深い緑の森が作る雰囲気を楽しみながら歩くことができていました。

事務局の感想など
 秩父多摩甲斐国立公園内でも数少ない原生林での行事だったので、入山や交通の手配等が大変な部分もありましたが、参加者にとってもかなり貴重な体験となったと思われます。ただし、のんびりと一カ所にとどまって、周囲の雰囲気を味わったりする時間を多くとれなかったので、次回実施するとすれば、スケジュールに余裕を持って実施するか、宿泊を伴った形での開催を検討したいと思います。

                    報告:秩父多摩甲斐国立公園地区事務局(秩父エリア) 小淵



  草原に泊まろう!~大草原に草泊まりをつくろう~<9月23(土祝)~24日(日)>

2007年01月30日 | 阿蘇くじゅう国立公園
■実施日:平成18年9月23(土祝)~24日(日)
■実施場所:阿蘇くじゅう国立公園 国立阿蘇青年の家
■活動のねらい:阿蘇の草原は、古くから人々が利用することによって維持されてきました。この時期は、冬場の牛のエサとなる草を採草し、その際、草で作る仮の家(草泊り)を実際にパークボランティアと交流しながら、一緒に作り、当時の生活や現在の活動の話しを聞きます。また、草原に生える草花などについても学びます。

草泊りづくり
 阿蘇パークボランティア(以下、PV)の方々と一緒に作成しました。
 子ども達は、実物を見ていない子ども達が多く、一体どんなものが出来るのだろうと興味を引きました。
 昭和初期まで行われていた風習でしたので、PVの方には、記憶のある方もおり、実際のお話も聞くことができてよかったです。

草原に生きる草花で遊ぼう ~草クラフト~
 PVの方との交流も考え、草で遊ぶことを実施しました。草笛やエノコログサで犬を作ったり、また、草泊まりを作る藁縄で“男結び”や“稲手づくり(藁編み)”なども教えていただき充実しました。

草原の紙しばい ~草原を維持できないとどんなことが起こる?~
 阿蘇の草原を維持しないと、どうなってしまうのか?環境省レンジャーから“紙しばい”でわかりやすく話をしてもらいました。
 自分たちの身近な話ではありませんが、環境や食など自分たちの生活ともつながってくることを認識できたのではないかと思います。

採草への道を歩こう!
 阿蘇のカルデラ内には、江戸時代に使われていた参勤交代の石畳がいまでも残っています。過去、採草にも活用されていた道でもあり、その道を歩き当時をふりかえる活動をしました。実際に体験し、当時の苦労もよくわかりました。

参加者の反応
◆アンケートより
・草泊まり作りが疲れたけどとても楽しかったです。
・国立公園に行ったのが初めてでした。
・レンジャー活動に参加することが自分たちにもできる自然を守ることだと思いました。
・普段の道なら転んだらケガをしてたのに草原ではケガをしませんでした。草の上をでゴロゴロと横になるととても気持ちよかったです。
・夜、星を友達と星を見たのが楽しかったです。

事務局の感想など
 本年も天候に恵まれ草泊まり作りを実施することができました。PVの方々との交流も年々深まってきているので、継続していきたい活動の1つです。
 プログラムも本年は宿泊にし、夜は真っ暗な草原の中で焚き火を囲み、草泊まりを使っていたころの生活を想像し、「どんな話をしていたのだろう?」など、みんなで意見を出し合ったり、「どんなものを持っていったのだろう?」など話しました。」普段、家ではテレビやゲームなどをやっている時間の子もいましたが、仲間たちとの会話に笑みがこぼれる和やかな活動もできました。
 夜の宿泊は、希望者だけ草泊まりに泊まることにしました。暗さ、寒さ、その中で初めて会う友達と身を寄せ合って寝るという経験は、とても貴重な体験であったと思います。

                   報告:阿蘇くじゅう国立公園地区事務局 伊志嶺