NOBODY KNOWS

本、漫画、映画を中心に日々読んだり観たりしたもので、ツボにはいったものの感想を書いていきたいと思います。

阪急電車

2010-08-16 23:18:21 | 小説
最近映画化が決まり、文庫化されたこの小説。
紀伊国屋を初めとする梅田界隈の本屋はもちろん、
阪神間では阪急沿線でないちょっとした本屋でも大量平積み状態です。

阪急といっても今津線というかなりマニアックな路線が舞台。
宝塚~西宮北口間で、繰り広げられる乗降客のオムニバスドラマです。
往復になっていて、復路は往路の数ヵ月後の設定になっています。
大体同じ人たちが出てきて、往路の「その後」が復路で描かれています。

今津線は宝塚駅から今津駅まで南北に走る路線ですが、
小説にもあるとおり、ターミナル駅の西宮北口で南北に分断されています。
小説の舞台となった北側は路面を走ることが多く、閑静な住宅地ですが、
南側は駅も線路も完全に高架になっていて、メインは商工業地です。

私は主に阪神線からの乗り換えで南側を使うことが多かったのですが、
宝塚行きの北側の路線にも乗る機会は多々ありました。

そんなわけで、直接沿線の人でなくとも私のような阪神間の出身なら
つい手に取ってしまうこの本。

図書館ではじまる恋や、学生の恋など恋愛の話が多いのですが、
一番秀逸と思ったのが婚約者を寝取られて
白いドレスで披露宴に乗り込んだOLの話でした。
なんでこんなに女の心理書くのがうまいんだ?
と思っていたら、
男性と思っていた著者の有川浩さんは女性でした。

この中に出てくる孫を連れたおばあさんがいい味を出しています。
往復ともに言動が筋が通っていて格好いいんですよ。
年取ったらあんなおばあさんになりたいなあと思いました。

話によっては結構ヘビーになりがちなところが、
いい感じで救いがあって
読後感がすっきりするところがとても良かったです。

西宮北口駅の南側の風景はここ数年の再開発でずいぶん変わりましたが、
宝塚行きの北側の方は、昔とそう変わらないように思います。

今でも良い意味でローカル色を失わないあの沿線に良く似合うお話だと思いました。


ジフン君、元気です。

2010-08-04 22:32:32 | 韓流
チュ・ジフン君が8月2日ミュージカルの制作発表会の場に登場しました。

麻薬事件以来初めての公式の場ということで話題を呼んでいましたが、
元気そうで会見では笑顔の写真が多かったので良かった(^^)


詳細記事や動画などは検索すれば山ほどアップされているので
そちらでどうぞ(笑)

夜は短し歩けよ乙女

2010-08-01 23:35:36 | 小説
最近韓流ばかりかまけているようにもみえますが、
なにげに普通の本も読んでます。

最近立て続けに読んだのは森見登美彦さんの本です。

先日ちょっと遠出をすることになり、飛行機で読もうと
空港で「夜は短し歩けよ乙女」を買いました。

それが意外と面白く、続いて「四畳半神話体系」も買って読みました。

両方とも、モテない+不器用な大学生がもんもんとする話です。
主役は違いますが、サブキャラはかぶります。
それに非現実不思議ワールドが少し加わった
青春エンターテイメントです。


大学名は出ませんが、間違いなく京大が舞台です。
主人公はいわゆる「イカキョー」(いかにも京大)と分類される類の人です。

森見さんも京都大学のご出身だそうです。

同じ京都大学出身の万城目学さんが書いた
京大生が主人公の「鴨川ホルモー」と
出てくる登場人物のテイストというか、
底に流れる何かが共通しているような気がしました。

「鴨川ホルモー」と同じく、
京都になじみのある人はより楽しめると思います

この本を読んで、
自分の大学生活を思い出したのはもちろんですが、
かの大学出身のある友人を思い出しました。

彼は一方的に美女に一目ぼれをし、
アプローチを開始しました。
彼の行動はどう贔屓目に見ても、
ことごとく迂遠かつ的外れのものだったのですが・・

普通なら「ご縁がなかった」となりそうなところ
なぜかうまくいき、結婚まで持ち込みました。

「夜は・・」の主人公は自らの周囲や自己に起こる
ハッピーエンド的な結末を「ご都合主義だ!!」
と叫びますが、
現実の彼の話も運が良かったとしか言いようがなく、
「ご都合主義的な」展開でした。


神様のいたずらかどうかはともかく、
元々縁がある人達は、どう転んでも縁があるということなんでしょうね。

軽く読めますが、色んなことを思い出させてくれた2冊の本でした。