日本共産党いわき市議団

日本共産党いわき市議団に所属する伊藤浩之・溝口民子・渡辺博之・坂本康一各議員の日々の活動や市政情報などをお知らせします。

国の問題ある政治が地方を苦しめる

2016-11-25 15:50:33 | 議員だより
 市会議員選挙後初めての議会、いわき市議会12月定例会は、12月1日に開会する予定で、提出議案が説明されました。
 条例案及び条例改正案が11件、補正予算が15件、工事請負契約などを含むその他の議案が13件、人事案4件です。
 主な内容を紹介します。

◎条例案及び改正案
 
■いわき市ふるさと納税基金条例の制定について

 ふるさと納税の寄付の受け入れ先として、あらたに基金を創設し、使途を明確にして寄付をしてもらいやすくするというものです。
 ふるさと納税とは、08年度に作られた制度で、自分の好きな自治体にお金を寄付した場合に、2000円を越える部分について、所得税や自分が居住する自治体の個人住民税が全額免除される制度です(ただし、上限あり)。
多くの自治体では、寄付してもらうために特産物などの返礼をしていますが、その競争が一段と激しくなっています。
 いわき市では、昨年の寄付の受け入れが2225万円と伸び悩んだのに対し、いわき市民の他自治体への寄付は1億6402万円と急増しました。寄付額の一部が市民税から控除されるため、制度による収支は4568万円の赤字です。市では、返礼品の種類を増やし、寄付された額に対する還元率を20%から50%に増やしました。
 自治体の財政を脅かしかねないふるさと納税制度そのものの見直しが求められるのではないでしょうか。

■いわき市都市公園条例の改正について

 21世紀の森公園内に「屋内多目的広場」が整備され来年4月から利用可能となります。この施設は、通常時ではスポーツなどに用い、災害時には救援物質の集積・分配機能を担うものです。
 
◎工事請負契約の変更について

■豊間中学校校舎改築工事

 既に契約している工事ですが、工事を見積もる単価が上昇したために契約金額を変更するものです。
 現在の金額7億7544万円を約7億7953万円に変更。

◎一般会計補正予算

■経済対策臨時福祉給付金費

 消費税増税による低所得者への影響を緩和するため、臨時福祉給付金を支給するためのもので、来年3月に1人1万5000円が支給されます。
 対象は、生活保護受給者や被扶養者を除いた市民税の均等割が非課税の市民で、6万9000人と推定されています。

■財政調整基金積立金

 様々な事業で不用になったお金などを財政調整基金に積み立てる額は約38億円であり、年度末の残高見込みは約125億円です。
 新・いわき市総合計画では、今年度の積立額は約20億円、年度末残高は約111億円と見込んでいましたが、双方とも総合計画を大きく上回る結果となります。また、年度末残高の目標を30億円以上としていますが、十二分に達成できています。
小中学校の教育費や市民生活を支援するための予算を拡充すべきです。

◎債務負担行為

■マイナンバーのセキュリティ強化対策業務委託

 4月から円滑に事業を進めるために債務負担行為をするものです。
インターネット上で個人情報のやりとりの記録が確認できるマイポータルが始まるために、セキュリティを強化するための業務を委託するもので、約1億円が計上されます。
 これまでの経費はおよそ5億円でしたが、さらに膨らむことになり、制度そのものの是非が改めて問われることになります。

まちの防災力高める住民参加の計画作りも実践ー総合防災訓練ー

2016-11-16 14:39:26 | 議員だより
 11月5日までに、いわき市内の13地区の会場で、津波災害と土砂災害を想定したいわき市総合防災訓練が行われ、市議団の各議員が参加しました。
 私は内郷高坂地区で行われた防災訓練に参加し、実施会場の内郷第一中学校に向かいました。               坂本康一

 今回の訓練は、「自主防災組織を中心とした住民主導による地域防災力の強化」というテーマで、スタッフを含め267人が参加して行われました。
 内郷一中体育館と校庭には消防署員と消防団員が待機しており、訓練とはいえ緊張感が漂っていました。
 午前8時30分に震度6強の地震が発生したとの緊急速報メールが発信され、一斉に参加者の携帯電話が鳴り出しました。
 続いて市の防災訓練メールで、土砂災害発生の前兆があり身の安全の確保と避難が呼びかけられました。また会場周りの地域では消防団の車両2台が避難を呼びかける広報訓練を行っていました。
 ほどなく高坂地区の住民が体育館に次々とやってきました。消防団員の方たちが校門から会場までの誘導と案内を行っていました。
 体育館内では内郷一中の生徒さん約30人が、入口で土足を入れるビニール袋を手渡したり、受付で資料の配布などを積極的に手伝っている様子が印象的でした。
 会場に入ると受付の左側に卓球台が2台置かれていて、その上に「内郷高坂地区ハザードマップ」を拡大したものが4枚ずつ並べられていました。これは訓練に参加した人たちが、自宅から体育館までの避難経路をマップに書き込み、途中に危険だと思われる箇所をカードに書いて貼り付けていくものです。内郷一中は高台にあるため、参加した人たちはそれぞれ「道幅が狭い」「傾斜が急で高齢者にはきつい」など気になった所をマップに書き込んでいきました。
 こういった取りくみはいざ災害が起こった時にどう備えるかというだけではなく、自分たちが住む町の課題を地図で「見える化」する上で有効だと感じました。
 その後参加者は、各地区ごとに指定された場所に集まって訓練が進んでいきました。


救命・救護の実演

 自主防災会の方と内郷一中の生徒たちが、消防隊員の指導で止血法、骨折した腕の固定、毛布を利用した担架を使った搬送を実演しました。骨折した腕の固定では大きめのレジ袋に切れ目を入れて三角巾に代用する方法が紹介され参加者から驚きの声が上がっていました。災害時は救急車の搬送、病院の受け入れ能力が低下してしまいますが、訓練の場で身近にあるもので出来る応急手当てを経験しておくことはいざという時に重要だと感じました。

防災まちづくりの事例発表

 高坂各区長と運営委員から成る自主防災会「高坂住吉ふくろう見守り隊」が、自分たちのまちの防災力を高めるため、地区防災計画づくりなどについての発表を行いました。前に述べたハザードマップの書き込みも、訓練の実施と地図作りのワークショップの取り組みの一環でした。

防災倉庫の機材点検・確認

 校庭に移動して、防災倉庫内の機材の説明を内郷支所長から受けました。震災後すべての避難所に設けられるようになったとのことでテント、簡易トイレ、非常食、毛布などが備えられていました。発電機と投光器の使用法の説明と試運転を参加者とともに行いました。
 副市長が全体の講評でも話していましたが、内郷は水害や土砂崩れが心配な地域です。今回の防災訓練で、まず自分の身を守る、次に身近な人に声をかける、そして周りと協力して避難ルートを見つけることが大切だということが住民のみなさんに伝わったと思います。そして、災害時に危険を想定して避難することができるように常日頃から備えておくことの大切さが浮き彫りになったと思います。地域住民が自ら計画づくりをすすめることは、現実の避難には大いに力を発揮すると思いました。 

告白の事実なしと各派が調査結果報告ー泊まるべき宿泊施設に泊まらなかったのでは?

2016-11-09 13:23:01 | 議員だより
 市議選後、団長である私のメールボックスに手紙が投かんされていました。その中には政務活動費の使途に疑問を投げかける記載がありました。このことの調査結果等を報告したいと思います。                     【伊藤浩之】



 手紙は、匿名で8月31日の日付が記入されていました。
 そこには、本市議会の政務活動費の支出に関して、
①東京明治大学での学会参加の折、宿泊のために手配していた水道橋グランドホテルに不泊の議員がいて、その清算に疑問が残った
②視察先から戻る場合、東京に自宅のある議員が公費を無駄にしている可能性がある
 以上2点について、問題があるなら正して「綱紀厳守」を求めると書かれていました。
 まずは、指摘する視察の有無を確認するために、関係書類の情報公開を請求しました。
 その結果、2013(平成25)年度と14(平成26)年度に水道橋グランドホテルに宿泊して、東京明治大学アカデミーホールで行われた地方自治経営学会研究大会と地方自治創造学会研究大会に、2つの会派から16人が参加していることが分かりました。
 指摘の事例が確認されたことから、10月20日に開かれた各派代表者会議で次のような問題提起を行いました。
①関係する議員が所属している3会派(志帥会、清政会、つつじの会)が、参加した議員に宿泊の有無を確認する。
②視察から戻る際の旅費について市民に疑念を抱かせない支出のあり方についてルールを作る。
③調査の結果について各派代表者会議に報告する――などです。
 11月1日の各派代表者会議ではこの調査結果が報告されました。
 志帥会とつつじの会の報告は「泊まらない議員はいなかった」でした。清政会は「清算した」でしたが、宿泊して清算したのか、宿泊せずに清算したのかは不明です。この点の確認の質疑の末、清政会も「泊まった」と回答しました。結果的に泊まらなかった議員は確認されませんでした。
 また、旅費に関しては、その前提として支給に関する考え方を知る必要があります。
 議員の旅費は、公務員の旅費の考え方を準用して取り扱われています。おおもとは「国家公務員等の旅費に関する法律」で、解説本「公務員の旅費法質疑応答集(第5次改定版)」(旅費法令研究会編、学陽書房刊)では、今回手紙で指摘された、視察の際に私的な用件で宿泊等をする場合の解説もあります。
 それによると、目的地で旅行(視察)の目的が達成しているならば、私的な用件での宿泊等があったとしても「必要な旅費は支給することができる」とされています。
 また、私的な旅行等が公務による旅行の前にある場合には、勤めている場所と旅行で滞在している場所からの旅費を比較して、より安い金額を支給することが妥当としています。
 これらが守られているならば、手紙で指摘された視察の帰りに、例えば東京都内に私的な用件で宿泊をしたとしても、旅費の支給に問題はないという結論になります。
 しかし一方、議員の場合は命令によって出張するのではなく、視察先も視察の目的も、議員自身の判断で決めるという実態があります。私的な用件を加えて宿泊を増やすならば、視察が目的だったのか、私的な用件が目的だったのか、市民から疑いを持たれかねない状況を自ら作ることになります。こうしたことから、旅費の支給に関する新たなルールが必要と考えました。
 しかし、それぞれの議員が自らを律して対応すべきだという意見が大勢をしめ、新たなルールが確認されることはありませんでした。
 今回の手紙の告発からは、政務活動費の使用に関して問題があったとはできません。
 しかし、議員には手紙の指摘を受けとめて、あらためて襟を正して政務活動費の正しい活用に心がけることが求められています。
 日本共産党市議団は、10月26日付け本紙で、今年度上半期の政務活動費の決算状況を報告しました。今後も政務活動費を正しく活用して、市民のみなさんの福祉向上にしっかり活きるように取り組んでいきたいと思います。
 みなさんのご意見をお聞かせください。

議会改革で「地方創生」~議員研修会で学びました~

2016-11-03 15:40:14 | 議員だより
 10月28日、会津若松市で福島県市議会議長会等が主催する議員研修会が開かれ、伊藤浩之、溝口民子、坂本康一の3議員で参加してきました。この日のテーマは議会改革。何を学んだのか、報告します。                   【伊藤浩之】







 議会改革は一般市民には関係がない問題なのか。そんなことはありません。
 議会は、君主制や植民地支配などの圧政のもとで、民衆(住民)の要求とたたかいに押されて作られたもので、民衆の声を政治に活かす民衆のための機関であり、民主主義の一角をなす大切な機関です。
 ところが近年、「議会が何をやっているか分からない」「議員数が多すぎる」など、議会に対する批判が数多く聞かれます。住民が存在意義を実感できない現実があるからです。
 存在意義を実感できるようにし、議会が住民とともに歩んでいくためにも、議会改革は大切な課題になっているわけです。
 講師は、各地の議会改革にかかわっている青森中央大学経営学法学部准教授・早稲田大学マニフェスト研究所招聘(しょうへい)研究員の佐藤淳氏でした。
 演題は「『対話』が創る議会からの『地方創生』」で、議会改革の方向性を示すお話でした。
 佐藤氏は、議会改革がめざす議会基本条例の策定に関して、不要と考えたり、作ったままで実践していない議会があることなどを指摘しながら、これまで46%の地方議会が条例を制定してきたと紹介しました。
 制定した後には、当然実施が大切な課題になります。その時に、議会報告会の実施の有無などを項目的に評価する「自己満足型議会改革」にとどまることなく、議会が住民に役立つと実感される実質的な要件を兼ね備えた改革に前進することが必要だとしました。
 すなわち、議会の存在意義である「住民福祉の向上」の達成に議会改革を結び付けることが必要なわけです。
 具体的には、市民と議会との「対話」で得た情報を「政策のタネ」とし、これを議員間の「対話」で練り上げ、「議案の修正」あるいは、「付帯決議」「陳情・請願の議決」「議員提案の条例」という形で成果物にしていくサイクルを作り上げていく。住民の声が、現実に政策化されていることが見えるようにするわけです。さらに、このサイクルをたえず再評価していくことが必要だといいます。
 この実践で「地方創生」に結びつく成果をあげている一つとして、岩手県宮古市議会の市民とのワークショップなどを踏まえながら「定住化促進対策に関する提言」をまとめた事例、また、生徒が勉強の目的をつかむ機会を作りたいという高校側の要望に応え、議会と協力しながら「地域課題解決型キャリア教育」を実施した岐阜県可児市議会の事例が紹介されました。ここでは地域医療の課題を知り、医学部に進路を定めた生徒が生まれたそうです。
 合わせて改革では「対話」が大切になっていることも強調しました。
 議会では、執行部の提案する議案に賛否が分かれた際に討論(意思決定)が行われます。こうした意思決定の以前に「対話」が必要だといいます。
 対話は「意見の違いに耳を傾け、意見の多様性を知って新しい知見を得る」ことをいうそうで、対話によって認識を共通のものにして議論を積み上げていくことが必要だというのです。
 また議会報告会を、テーマを決めて市民とワークショップの形で開催するなどの工夫も紹介していました。
 さて、いわき市議会も議会改革に取り組んでいます。議会基本条例の策定を第1ステージとするなら、策定に向け議会報告会などを試行してきた本議会の到達は第0・7ステージ程度といえそうです。
 研修会の主な内容は、基本条例に基づく取り組みとなる第2ステージに向けたもので、本市議会の到達点より2歩先行した場面での取り組みを学んだことになります。
 研修では、本市議会内で少数意見ながらも実施の意見が分かれる議会報告会の発展方向などが示されました。議会改革に会派間で合意を開く方向性が垣間見えたように思います。
 議会改革の前進の中で、議会が市民のみなさんに役立っていると実感できる本市議会の取り組みをめざして、日本共産党市議団としても鋭意取り組んでいきたいと思います。
 みなさんのご意見もおよせください。