「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~真空管300Bもいろいろ~

2008年10月06日 | オーディオ談義

”友あり、遠方より来たる、また楽しからずや”。

高校時代の同窓生U都とU田君(ともに福岡在住)の両君が別府に遊びに来たいとの連絡が入った。1泊2日の日程により拙宅のオーディオシステム鑑賞と観光が主な目的で、もちろん”夜の一杯”も欠かせないところ。

9月26日(金)昼に直行バスで2時間半程かけてやって来た両君と打ち合わせどおり別府の中心地で落ち合い、「別府湯煙展望台」(「残しておきたい風景」の全国2位)など寄り道をしつつ自宅まで案内。

早速オーディオルームに入ってもらって音出し。

現在のシステムは次のとおり。

SP  スーパーウーファー(超低域)  ヤマハYST-SW515(ペア:アンプ内臓)
    ウーファー(低域)         JBL130A(箱はタンノイ・ウェストミンスター)
    スコーカー(中域)         アキシオム80(5cm厚の楢木のバッフル付)
    ツウィーター(高域)        JBL075(特注ホーン付)

パワーアンプ  低域用         ケンウッド01A(パワーアンプに改造)
          中域・高域用     真空管300B用シングルアンプ(モノ×2台)

CDシステム   トランスポート     ワディア270
          DAコンバーター    ワディア27ixVer3.0

なお、DAコンバーターとパワーアンプの間には大宰府のM田さんから作ってもらった
「タイムリアライザー」を挿入しているのが他のシステムにない特徴だが、何といっても我が家のセールスポイントは中域を担うSP「アキシオム80」。

これをどう鳴らすかでシステム全体の音が一変するのが面白い。

試聴盤はまず「美空ひばり」。つい最近のブログにも載せた「東京厚生年金会館大ホール」でのライブ盤。

次に「鬼太鼓座」(おんでこざ)。1969年に佐渡で結成された和太鼓を中心とする伝統芸能集団で世界初のアナログマスター(スチューダー社の76cm/sec録音)によるCDカッティングにより作成されておりオーディオ愛好家であれば必ずといっていいほど所有している優秀盤。

和太鼓のスケール感の再現とその忠実な再生はシステム泣かせでその良否を問う試金石となるもの。

さて、ひととおり聴いた後の両君の感想だが昨年の8月、今年の4月、そして今回の訪問で3回目となるU都君の意見は以前よりも音像定位が良くなったが2000hz前後にピーク(荒れ)があって女性ボーカルが少々聴きずらいとの率直な感想。

またオーディオには素人と自称するU田君は今回はじめての訪問だがこれまた手厳しい意見で過去に間近で聴いた大太鼓の音と若干違うとのこと。日頃オーディオの垢に染まっていないこういう素直な耳というのは貴重な意見として大いに尊重すべきなのは言うまでもない。

というわけで、初日の試聴結果はあまり芳しいものではなかった。

「ウーン、弱ったなあ~、改善策は何があるのだろうとの思いをアタマの片隅に引き摺りながらその晩は3人で別府駅近くの飲み屋で久しぶりに痛飲。談論風発、720mlの焼酎ボトル2本を軽く空ける程の勢いだった。

さて翌朝のこと、二日酔いでアタマがズキズキとする中、片時も離れないオーディオのウィークポイントについて熟考しつつ、もしかしたらという思いで試しに中高域用のアンプの300Bの真空管を差し替えてみた。

因みに現在所有している300Bの真空管は次のとおり。

 WE(ウェスタン・エレクトりック社)300B(1950年代中ごろ製造のオールド)

 WE300B(1960年代製造)

 ゴールデンドラゴン4ー300BC(中国製:近代菅)

 CRー4300B(中国製:近代菅)

 セトロン300B(アメリカ)

以上の5種類で、名菅として定評のある300BのオリジナルといえばもちろんWE社製。前日に両君に聴いてもらったのはの真空管。日頃、併用して使っているのはの真空管での比較では価格が4倍ほど違うが一長一短で簡単に優劣は決められない。

そこで今朝は名誉挽回と思い切って
の真空管を押入れの片隅から引っ張り出して挿してみた。これは信用のある知り合いの方から10年ほど前に購入し万一のときのスペアとして大切に保管してきたものでこれまで一度も使用したことがない。

ところが一聴してあまりの歴然とした違いにビックリ。音の余韻が深く響きが豊
かでとも違うしともまるで違う。まるでアンプを取り替えた以上の差で音楽全体から受ける印象度がまるで違う。

特にメーカーが違うのならまだしも
とは同じウェスタン・エレクトリック社製なのにまったく違うのがどうも腑に落ちない。しかし、違うものは違うのでどうしようもない。に比べると蒸留水みたいでサッパリとしすぎている。

このなら絶対に両君を満足させられるとの確信のもとに、宿泊先のホテルに直行。

まずは観光ということで午前中から午後にかけて、宇佐神宮(国宝)~県農業文化公園~別府竜巻地獄~海地獄を案内し、帰りのバス出発までの時間調整ということで再び我が家に両君を誘導して聴いてもらった。

予想に違わず、ともに前日よりもずっといいと異口同音に言ってくれた。U田君は音が自然に聴こえると言い、U都君になると好きなビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビー」やマイルス・デビスの「カインド・オブ・ブルー」を試聴しながらもっと時間が欲しいなあ~とまで言ってくれた。2000hz前後のピークも気にならないとのこと。


それにしても同じWE300Bの真空管でもこれほどの差があるとは想像だにできず購入ルートは大いに吟味する必要があると納得。1950年代製造のオールドといっても実際に聴いてみるのが大切で真空管に付いている表示マークだけでは信用出来ない。

M田さんによると、近年になって製造されたWEの真空管の表示をつけ変えてオールドに仕立て上げる輩がいるそうで、そうすると値段が10万円以上跳ね上がるわけだが自分の持っている
の真空管もその類ではないかとおっしゃる。どうやら世知辛い世の中になったもの。

しかし、たかだか真空管の出来が違うだけで音質全体がこんなに様変わりするとは驚きだが、逆にSP側から言わせると「アキシオム80」がそれだけ微妙な差を表現できる極めて忠実度の高い再生能力を持っていると言えるのだろう。

とにかく今回は旧友のおかげで改めて真空管アンプの妙味を確認でき、いい音が引き出せて有り難かった。

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