「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

ウッドホーンの誘惑~その3~

2017年09月22日 | オーディオ談義

先週、登載した「ウッドホーンの誘惑」(シリーズ2回)だが、なかなかの好評振りでアクセス数がグ~ンと伸びたが、惜しいことにネタ切れで、これでお仕舞にする予定だったが、メル友の「I」(東海地方)さんから次のようなメールが届いたので励まされる思いで続編に挑戦してみた。

「ウッドホーンのシステム、いいですね。かなり大型のホーンに見えます。ということは、250Hzカットオフの500Hzクロスで使用される設計でしょうか。 

続編の時には、テクニクスのドライバーについても見せていただけると幸いです。業務用途のドライバーか、昔のハイエンドシステムのドライバーでしょうか。
 
いずれにしてもスピーカー絡みの記事は参考になりますし、本当に楽しいです。ありがとうございます。 
 
ここのところ、4ウェイのシステムでクラシック音楽(ワンポイントマイク録音)の音場再生を試みていました。結果は、広く、深い音場感は得られるのですが・・・何か”腑”に落ちません。 
 
以前から感じていることですが、ステレオ左右のスピーカーの後方に広がる音場はオーディオ独特のもので、コンサートホールでの響きはこのような音場感は出さない・・・ということです。
 
そう思ってしまうと、音場型のスピーカー配置で聴く音楽が遠くへ遠くへと行ってしまう、音量を上げても基本は変わらない。フォルテでも音が前に来ない。”腑”に落ちないのはこの辺のことか・・ 
 
そこで、音場の確認のためにコンサートに3回行ってきました。
 
私は地元のコンサートホールで最前列、後席、2階席等いろいろな席でクラシックを聴いてきましたが、最も好みに合うのが2階の前方席でした。
 
その2階最前列でも、音楽は目の前まで迫ってきます。 
 
一方、コンサートホールでは、音場はステージの壁の後には広がりません。演奏者の遠近もオーディオほどは出ません。音はいい意味で混じりあってホール空間全体を満たします。 
 
オーディオ黎明期から言われている「後方への音場」とは、オーディオ独自の再生芸術なのだと思います。
 
当方としては、この芸術を否定する気は全くありません。ただ、自分の好みでないことがわかってきただけのことです。 
で、変更です。変更前にどんな置き方だったのかは省略します。
 
ユニットの向きを同一方向縦一列にしました。左右のSPはリスナーに向けました。
 
SPを置く位置は、左右の壁には近いのですが、後方の壁からは150㎝程離れています。(JBLの周りを空けておきたい。快調なJBLへの影響を排除) 
 
この状態での音場です。
 
スピーカー後方の音場感は半分ほど残しながら、リスナー側への音場がぐんと広がりました。これなら”腑”に落ちます。コンサートのエネルギー感が出ています。 
 
しばらくこの方向で調整してみます。では失礼いたします。ウッドホーンの誘惑~その3~待ってます!」

以上のような内容だったが、「I」さんの実体験に基づくご意見には随分考えさせられた。

実は、我が家の場合の「いい音」の条件というのは、まず音場がスピーカーの後方に広がってステージ(舞台)が出来ることが第一で、これに周波数レンジと分解能が「そこそこ」伴ってくれれば言うことなし。

これは、コンサートのエネルギー感を重視される「I」さんの考え方とはまるっきり違う。

したがって、もし「I」さんが我が家の音を聴かれたら、「コンサートホールではこんな音はしない」と、きっとガッカリされるに違いない。

あくまでもコンサートホールの音の再現を目指すのか、それとも家庭の中で独自のミニチュアの世界を目指すのか、この辺は、いいも悪いもなくオーディオに対する各自の求め方が違うとしか言いようがないが、どうやら滅多にコンサートに行きもしない独善的なクラシック音楽愛好家の虚構の世界の方が「分」が悪そうな気がしている。

何といっても多勢に無勢ですからね~(笑)。

これは、当然このブログのスタイルにも及んでくる話で、いつも、くどいように「この内容は独断と偏見に基づいていますよ」と、繰り返しお断りしている理由の一つには、(ブログの内容に)普遍性を求められるとちょっと困ってしまうと思っているからである。

なお、ご要望があったテクニクスのドライバーの画像を紹介しておきます。大きさと重さはJBL375ドライバーとどっこいどっこいです。

         

以上、「I」さんのおかげで「ウッドホーンの誘惑~その3~」が登載できました。どうもありがとうございました。

次の取り組みは「~その4~」ですが、このウッドホーンと裸の「AXIOM80」(500ヘルツ~:平面バッフル付き)との試聴比較を仲間と一緒にぜひやってみたいですね。

はたして「鬼が出るか蛇が出るか」~(笑)。

最後になりましたが、ふと思い出しましたので某老舗のオーディオメーカーが掲げている「原音に近づく正しい音とは」を紹介しておきます。

これが、まさしく「I」さんが指摘された「オーディオ独自の再生芸術」なのかもしれませんね。

1 ボリュームを上げてもうるさくない音で会話が楽にできる。

2 音は前には出ない。後方に広がり自然に消える。


3 音像は左右後方に定位し、左右フラットに定位しない。

4 小さな音でも明瞭度が下がらない。


5 スピーカーの近くでも離れても後方でも音質、音圧の変化をあまり感じない(音は波紋である)

6 音は思っている程、迫力、パワー感のあるものではない。


7 試聴上、歪(物理特性ではない)が小さくなると音像が下がり、音階、楽器の音色が正しくなる。

8 
長時間聴いても疲れない。連室でも音が邪魔にならない。


 
 
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